モンキチョウ Colias erate poliographus
(シロチョウ科モンキチョウ亜科)

モンキチョウは平地から亜高山帯まで、日本各地に広く分布する普通種である。早春から晩秋にかけて、公園や堤防などの開けた環境を活発に飛び回る成虫の姿がしばしば見られるが、いざ採集しようとすると意外に素早く、子どもが持つ網ではなかなか捕らえられない。

観察を続けていると、写真のように雌雄が並んでホバリングする場面に出会うことがある。モンキチョウの♂は常に黄色で、♀には黄色型と白色型が存在するため、写真では左が♀、右が♂である。多くの蝶類と同様に、モンキチョウでも♂は♀を求めて飛び回り、発見すると一目散に追尾する。野外で見られる♀の多くはすでに交尾を済ませており、そのため♂の求愛行動は大半が失敗に終わるが、♀が即座に拒否行動を示さない場合には、このような空中での追尾がしばらく継続することがある。

このとき、雌雄の位置関係をよく観察すると興味深い点に気づく。追尾しているはずの♂が、実際には♀の前方を飛んでいるのである。これは、♂の翅表(種によって分泌器官の位置は異なる)から揮発性の化学物質が放出されており、それが性フェロモン(同種の個体間で交信を行うために用いられる化学物質)として作用し、♀にその香りを嗅がせているためと考えられている。

チョウの性フェロモンに関する研究は、ガに比べて進展が遅れており、その機能は未解明な点が多いが、どうやら♀の警戒心を和らげ、♂の求愛を受け入れやすくする役割があるとされている。

撮影データ: 2023年6月20日 鳥取県鳥取市・湖山池公園
撮影・文章: 中 秀司

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日本鱗翅学会

日本鱗翅学会 チョウとガ フォトコンテスト2025

2025年8月28日公開

フォトコンテスト2025について|応募要領など

テーマ
「生」
生という字にはいくつもの意味があります。生える、生きる、生まれる......日本語の様々な読み方にくわえて、古今東西で鱗翅類は「生まれ変わり」の象徴ともされてきました。そんな「生」のシンボルでもあるチョウとガの「生」にまつわる写真を募集します。
皆様、ふるってご応募下さい。
部門
一般の部|学生の部
( 大学学部生以下、高等専門学校を含む)
最優秀賞(両部門を通じて1作品: 最高評価の作品) 副賞: 3万円のギフトカード 受賞作品の記念冊子5部
審査員特別賞(両部門を通じて1作品: 特別審査員による選出) 副賞: 2万円のギフトカード 受賞作品の記念冊子5部
優秀賞(各部門1作品以内) 副賞: 1万円のギフトカード 受賞作品の記念冊子3部
佳作(各部門2作品以内) 副賞: 5千円のギフトカードか日本鱗翅学会会費一年分のいずれか 受賞作品の記念冊子2部
入選(各部門5作品以内) 副賞: 1千円のギフトカード(学生の部のみ日本鱗翅学会会費一年分のいずれかと選択可) 受賞作品の記念冊子1部
※ ギフトカードはAmazonギフトカード等の電子送信となる可能性がございます。
募集期間
2025年8月30日~9月28日(期限内にすべての応募手続きが完了していること)
審査方法
日本鱗翅学会役員、評議員、実行委員(イベント等企画運営委員会)等、および特別審査員のプロ写真家(工藤誠也氏)による所定の審査で選出。なお、審査・審査結果に関するお問い合わせにはお答えしません。

応募方法

  • 1) 会員・非会員問わずプロ以外の方なら誰でも応募できます。各自が撮影した単写真か組写真(5枚まで)のいずれかを1作品として一人1点の応募とします。なお学生の場合は一般の部・学生の部へそれぞれ別作品を1点ずつ応募することが可能です。応募作品の撮影時期に制限はございません。
  • 2) 下記リンクURLかQRコードよりGoogleフォームにて所定の情報および応募作品(原則1MB以上のJPEGファイル)をアップロードしてください。なお、応募作品や応募に使用したデータは返却いたしませんので、複製を保存してからご応募下さい。
  • 3) 入賞作品は原則、日本鱗翅学会のウェブサイトで発表する(2025年12月以降予定)とともに、入賞者にはメール等でお知らせいたします(都合によりスケジュールを変更する場合もあります)。また、2025年10月に開催される「第71回日本鱗翅学会大会」で先行して結果発表を行う可能性があります。

応募条件・規定

  • 1) 応募作品は、未発表または発表予定のないものに限ります。他のコンテストへの二重応募(入賞・入選しなかった作品は応募可)または類似作品とみなされる作品は失格となります。なお撮影地、撮影時期の制限は一切ありません。
  • 2) 応募作品に人物が写りこんでいる場合には肖像権、プライバシーを侵害する恐れのないものに限ります。肖像権は応募者の責任において了承を取得の上、ご応募ください。写っている人物が未成年の場合は、保護者の方の承諾を得てください。
  • 3) 受賞作品に係る著作権法(昭和45年法律第48号)第21条から第28条までに規定する権利(著作権)は撮影者に帰属します。ただし主催団体(日本鱗翅学会、およびイベント等運営委員会)は受賞作品について無償で使用する権利を有することとし、主に広報を目的として、作品を会誌や各冊子、広報グッズ、印刷物、ウェブサイト、SNS投稿等に自由に使用できるものとします。受賞者はこれに対して著作権法第18条から第20条までに規定する権利(著作者人格権)を行使しないものとします。
  • 4) 受賞作品を日本鱗翅学会で使用する際は、原則、撮影者の氏名または活動名(ペンネーム等)を表示します。もし受賞された場合に活動名(ペンネーム等)から本名、もしくはその逆に公開情報を切替えたい場合は相談可能です。
  • 5) 受賞作品につきましては、受賞の際に元データの提出をお願いする場合がございます。
  • 6) 公序良俗、各種法律・条例等に違反しないもののみ審査対象となります。
  • 7) 撮影地等機微に触れる情報は公開しません。ただし審査上必要な情報は非公開とした上で質問させていただく場合がございます。
  • 8) 生成AIを用いた作品については原則応募の対象外となります。ただし撮影した画像のレタッチ処理などでAIを用いたツールを使用した場合であれば審査対象となり得ますので、そのことがわかるように必ず該当のフォームにソフトウェア、ツール等を明示して下さい。
  • 9) 審査結果の発表、受賞のご連絡はウェブサイトおよびメール等で行いますが、同連絡前にイベント等(鱗翅学会大会、各委員会等)で先行して発表を行う可能性があります。
  • 10) その他、審査結果・内容に関するご質問には一切お答えできません。

特別審査員紹介

工藤 誠也氏

1988年青森県生まれ。博士(農学)。弘前大学研究員の研究者として鱗翅類と向き合いつつ新進気鋭の昆虫写真家としても活躍し、その著書も多数。

主な著書に『チョウごよみ365日』(誠文堂新光社)、『美しい日本の蝶図鑑』(ナツメ社 監修: 矢後勝也)、共著として『学研の図鑑Live 昆虫 新版』(学研プラス)、『アリの巣の生きもの図鑑』(東海大学出版会)、『超拡大で虫と植物と鉱物を撮る』(文一総合出版)、『別冊太陽 昆虫のすごい世界』(平凡社)、『別冊太陽 昆虫のとんでもない世界』(平凡社)などがある。

過去の受賞作品

コンテストに関するお問い合わせ

日本鱗翅学会イベント等企画運営委員会

E-mail:lsj.pmcgmail.com

原田 一志 (イベント等企画運営委員会・委員長)

日本鱗翅学会

〒113-0001
東京都文京区白山 1-13-7
アクア白山ビル5F
勝美印刷株式会社内 日本鱗翅学会事務局
※ お問い合わせフォームより御連絡下さい。

鱗翅(りんし)というのは鱗翅目(チョウ目)Lepidopteraのことで、鱗粉のある翅を持った昆虫すなわちチョウやガの仲間です。この小さな生き物はその素晴しい魅力で古い時代から私たちをひきつけてきました。日本鱗翅学会はこのチョウやガを研究対象とする学術団体で、アマチュアから専門家まで幅広い層のメンバーが協力しながら活動しており、興味のある人は誰でも入会できる開かれた学会です。