シロシモフリエダシャク Biston melacron
(シャクガ科エダシャク亜科)

春の夜、シロシモフリエダシャクの雄がひっそりと街灯に飛来していた。

年に一化、春のみに出現するシャクガで、西日本に分布するが局地的で個体数も多くない。

本種の属するBiston属は灯火に飛来するのは雄ばかりで、雌はのきなみ珍品であるが、本種の雌はとりわけ得難いようで、寄主植物を含め幼生期は一切判明していない。山陰地方は本種が比較的多産し、筆者もこれまで多数の雄を見てきたが、雌には未だに謁見できていない。いつか雌を採集して飼育してみたい蛾の一つである。

撮影データ: 2021年4月14日 鳥取県鳥取市
撮影・文章: 松井 悠樹

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日本鱗翅学会

自然保護セミナー

日本鱗翅学会自然保護委員会では、鱗翅類の保全に関するトピックスを扱う公開セミナーを開催しています。

もともと、1990年より「日本鱗翅学会セミナー」の名前で実施してきましたが、2003年から「自然保護セミナー」という名称が使われており、数年に一度の実施となっています。

このセミナーでの講演内容は、自然保護委員会が発行している「日本産チョウ類の衰亡と保護」の記事としても公開されています。

これまでのセミナー開催

第1回日本鱗翅学会セミナー「蝶類の保護...自然保護の一例として」
1990年6月2~3日 大阪市立自然史博物館
主催: 日本鱗翅学会
報告: やどりが143号 報告へのリンク
第2回日本鱗翅学会セミナー「蝶類の保護 -自然保護の一環として」
1991年6月29~30日 浦和市(現さいたま市)別所沼会館
主催: 日本鱗翅学会・さいたま昆虫談話会
報告: やどりが149号 報告へのリンク
第3回日本鱗翅学会セミナー「自然を考える」
1992年6月13~14日
主催: 日本鱗翅学会
共催: 信州昆虫学会・松本むしの会・飯田昆虫友の会・からこるむノ会・水辺の会
後援: 松本市・河川官許管理財団・松本コンベンション推進協議会
報告: やどりが156号 報告へのリンク
第4回日本鱗翅学会セミナー
テーマ: 昆虫採集と自然保護は共存できるか・チョウセンアカシジミの自然史と保護活動・徳北地方における森林とそこに棲むチョウたち
1993年6月19~20日 仙台市戦災復興記念館
主催: 日本鱗翅学会
共催: 青森昆虫研究会・津軽昆虫同好会・宮城昆虫同好会・みちのく虫の会・山形昆虫同好会・福島虫の会
後援: 宮城県・仙台市・河北新報社
報告: やどりが156号 報告へのリンク
日本鱗翅学会50周年記念国際シンポジウム「蝶と人間との共生のために」
1994年8月20~21日 大阪府立大学学術交流会館
報告: やどりが161号 報告へのリンク
第5回 日本鱗翅学会セミナー「蝶と人との新しい関わりを求めて」
1994年11月19~20日 鹿児島大学農学部
主催: 日本鱗翅学会
報告: やどりが164号 報告へのリンク
第6回 日本鱗翅学会セミナー「蝶類の生息環境としての『エコトーン』の重要性」
1995年6月3~4日 愛知県豊田市産業文化会館
主催: 日本鱗翅学会
共催: 豊田加茂広域圏自治体・豊田市自然愛護協会・名古屋昆虫同好会・三河昆虫研究会・三河生物同好会
後援: 豊田市・矢作新報社・矢作川漁業共済組合
第7回日本鱗翅学会自然保護セミナー「日本産チョウ類の生息と保護の現状」
2003年8月2~3日 静岡県総合社会福祉会館
主催: 日本鱗翅学会自然保護委員会・静岡昆虫同好会
後援: 静岡県教育委員会・静岡県自然保護室・静岡SBS放送・静岡新聞社
第8回日本鱗翅学会自然保護セミナー「里山の変貌による日本のチョウ類の衰退と保護」
2009年10月3~4日 大阪市立自然史博物館講堂
主催: 日本鱗翅学会自然保護委員会・大阪市立自然史博物館
後援: 日本蛾類学会・日本環境動物昆虫学会・大阪みどりのトラスト協会・関西自然保護機構・大阪自然環境保全協会・日本チョウ類保全協会
報告: やどりが224号 報告へのリンク
第9回日本鱗翅学会自然保護セミナー「第二の絶滅危惧種の増加」
2013年10月5日 東京大学本郷キャンパス
主催: 日本鱗翅学会自然保護委員会
後援: 日本蛾類学会・日本チョウ類保全協会
報告: やどりが240号 報告へのリンク

日本鱗翅学会

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鱗翅(りんし)というのは鱗翅目(チョウ目)Lepidopteraのことで、鱗粉のある翅を持った昆虫すなわちチョウやガの仲間です。この小さな生き物はその素晴しい魅力で古い時代から私たちをひきつけてきました。日本鱗翅学会はこのチョウやガを研究対象とする学術団体で、アマチュアから専門家まで幅広い層のメンバーが協力しながら活動しており、興味のある人は誰でも入会できる開かれた学会です。