『やどりが』編集委員会
本委員会は学会誌『やどりが』の編集・出版、投稿原稿の採否決定を担当します。
本誌は鱗翅学およびその関連分野の科学的発展への貢献を目指し,併せて様々な情報交換の場を提供します。
『やどりが』編集委員
- 委員長:
- 北川 朝生
- 委員:
- 石川 和宏
- 植村 好延
- 宇野 彰
- 栗山 定
- 斎藤 光太郎
- 斎藤 基樹
- 四方 圭一郎
- 菅原 淳
- 矢野 高広
マエアカスカシノメイガ Palpita nigropunctalis
(ツトガ科ヒゲナガノメイガ亜科)
夏の暑さが過ぎ、本格的な秋の訪れを感じはじめる9月の早朝に、アベリアの花を訪れたマエアカスカシノメイガを見つけた。
半透明の白い翅と橙色の差し色が美しいガで、早春のまだ寒い時期から灯火やコンビニの灯りに成虫が集まる。幼虫が公園の生け垣や人家に植栽されるネズミモチやライラック、オリーブなど様々なモクセイ科植物を餌としているため、都市から山間部まで広い地域で成虫を目にする。
本種の成虫は真冬以外いつでも見られるような気がするのだが、実は複雑な生活史を持っており、成虫が見られる時期は意外に限られている。幼虫が暑さにも寒さにも弱いのか、あるいは春と秋だけ餌の状態がよいのか、幼虫の生育に適さない時期を休眠してやり過ごすようだ。夏は成虫で、冬は蛹でそれぞれ休眠するらしい(Gotoh et al. 2011, 後藤 2012)。
本委員会は学会誌『やどりが』の編集・出版、投稿原稿の採否決定を担当します。
本誌は鱗翅学およびその関連分野の科学的発展への貢献を目指し,併せて様々な情報交換の場を提供します。
鱗翅(りんし)というのは鱗翅目(チョウ目)Lepidopteraのことで、鱗粉のある翅を持った昆虫すなわちチョウやガの仲間です。この小さな生き物はその素晴しい魅力で古い時代から私たちをひきつけてきました。日本鱗翅学会はこのチョウやガを研究対象とする学術団体で、アマチュアから専門家まで幅広い層のメンバーが協力しながら活動しており、興味のある人は誰でも入会できる開かれた学会です。