シロシモフリエダシャク Biston melacron
(シャクガ科エダシャク亜科)

春の夜、シロシモフリエダシャクの雄がひっそりと街灯に飛来していた。

年に一化、春のみに出現するシャクガで、西日本に分布するが局地的で個体数も多くない。

本種の属するBiston属は灯火に飛来するのは雄ばかりで、雌はのきなみ珍品であるが、本種の雌はとりわけ得難いようで、寄主植物を含め幼生期は一切判明していない。山陰地方は本種が比較的多産し、筆者もこれまで多数の雄を見てきたが、雌には未だに謁見できていない。いつか雌を採集して飼育してみたい蛾の一つである。

撮影データ: 2021年4月14日 鳥取県鳥取市
撮影・文章: 松井 悠樹

閉じる

日本鱗翅学会

『蝶と蛾』編集委員会

本委員会は学会誌『蝶と蛾(Lepidoptera Science)』の編集・出版、投稿論文の採否決定を担当する委員会です。本誌は鱗翅学およびその関連分野の科学的発展に貢献し、他誌に掲載されていない新規の原著報文、総説、短報などを掲載するオンラインジャーナルであり、論文は本学会が指定するウェブページ(J-Stage: https://www.jstage.jst.go.jp/browse/lepid/-char/ja/)上に掲載されます。

『蝶と蛾』編集委員

委員長:
那須 義次
委員:
寺田 剛
中村 寛志
広渡 俊哉
坂巻 祥孝
矢後 勝也
矢崎 克己
吉松 慎一
Galsworthy AC
幹事:
平井 規央

日本鱗翅学会

〒113-0001
東京都文京区白山 1-13-7
アクア白山ビル5F
勝美印刷株式会社内 日本鱗翅学会事務局
※ お問い合わせフォームより御連絡下さい。

鱗翅(りんし)というのは鱗翅目(チョウ目)Lepidopteraのことで、鱗粉のある翅を持った昆虫すなわちチョウやガの仲間です。この小さな生き物はその素晴しい魅力で古い時代から私たちをひきつけてきました。日本鱗翅学会はこのチョウやガを研究対象とする学術団体で、アマチュアから専門家まで幅広い層のメンバーが協力しながら活動しており、興味のある人は誰でも入会できる開かれた学会です。