マエアカスカシノメイガ Palpita nigropunctalis
(ツトガ科ヒゲナガノメイガ亜科)

夏の暑さが過ぎ、本格的な秋の訪れを感じはじめる9月の早朝に、アベリアの花を訪れたマエアカスカシノメイガを見つけた。

半透明の白い翅と橙色の差し色が美しいガで、早春のまだ寒い時期から灯火やコンビニの灯りに成虫が集まる。幼虫が公園の生け垣や人家に植栽されるネズミモチやライラック、オリーブなど様々なモクセイ科植物を餌としているため、都市から山間部まで広い地域で成虫を目にする。

本種の成虫は真冬以外いつでも見られるような気がするのだが、実は複雑な生活史を持っており、成虫が見られる時期は意外に限られている。幼虫が暑さにも寒さにも弱いのか、あるいは春と秋だけ餌の状態がよいのか、幼虫の生育に適さない時期を休眠してやり過ごすようだ。夏は成虫で、冬は蛹でそれぞれ休眠するらしい(Gotoh et al. 2011, 後藤 2012)。

撮影データ: 2022年9月23日 鳥取県鳥取市
撮影・文章: 中 秀司

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日本鱗翅学会

日本鱗翅学会 チョウとガ フォトコンテスト2023【結果発表】

2024年2月28日公開

「日本鱗翅学会 チョウとガ フォトコンテスト2023」として、会員外も含めた皆様から「チョウとガの不思議な生態」をテーマとした写真を公募いたしましたが、全国から一般の部に25作品、学生の部に10作品のご応募を頂きました。誠に有難うございました。

プロ写真家による審査により、ご応募いただいた35作品の中から、「一般の部」と「学生の部」の2部門で、次のとおり入賞者を決定いたしました。全体の作品数は前年より減少したものの、審査員の先生からは「今年はレベルが高かった」との評を頂いております通り、皆様が苦労して撮られた素晴らしい作品が揃いました。なお、一般の部特選の真田豊誠氏が2023年10月31日に、学生の部特選の橋本敦己さんが2023年12月18日に、それぞれ急逝されたとの訃報を頂きました。今回応募いただいた作品がお二人の遺作でもあります。お二人がこれらの作品に込められた思いを、会員の皆様にも感じていただき、お二人のご冥福を心よりお祈りいたしたいと思います。

今年も、チョウとガ フォトコンテスト2024を開催予定ですので、さらに多くの方々からのご応募を期待いたします。

なお、入賞作品は、今後日本鱗翅学会ウェブサイトおよび日本鱗翅学会会誌「やどりが」誌上で発表させて頂く予定です。

2024/2/28 日本鱗翅学会フォトコンテスト事務局

入賞作品

一般の部

グランプリ
鶴藤 俊和『タカネキマダラセセリの卍飛翔』
特選
真田 豊誠 『ウラギンヒョモンとクモガタヒョウモンの衝突』
髙﨑 明 『フタオチョウとオキナワカラスアゲハ』
準特選
岸村 高洋 『山のギンイチモンジセセリ』
佐藤 伸一 『コヒョウモンモドキのお見合い』
竹内 剛 『Favoniusの繁殖干渉』
蓑原 茂 『ハンマースネーク触るべからず』
吉村 久貴 『潮風の中で』
入選
小林 茂樹 『紅をさす』
保坂 満 『次世代につなぐ産卵』
前田 敏 『我が家の庭のジャコウアゲハ』
南 尊演 『ナミアゲハ雄・雌』
安川 憲 『交尾するアサギマダラ』

学生の部

特選
橋本 敦己 『共存社会』
準特選
川島 府久 『汗ちょうだい!』
久井 花恋 『アイノミドリシジミの卍巴飛翔』
土居 咲貴 『風に耐えるタイワンヒメシジミとタヌキコマツナギ』
入選
末兼いこい 『ちょうちょのおにごっこ』
末兼 柊仁 『浅黄色の来客』
仁地 悠人 『交尾するヒメヒカゲ』
渡邉 卓実 『肥後は魅た』

※ 掲載はアイウエオ順です

入賞作品はこちらからご覧下さい。

日本鱗翅学会

〒113-0001
東京都文京区白山 1-13-7
アクア白山ビル5F
勝美印刷株式会社内 日本鱗翅学会事務局
※ お問い合わせフォームより御連絡下さい。

鱗翅(りんし)というのは鱗翅目(チョウ目)Lepidopteraのことで、鱗粉のある翅を持った昆虫すなわちチョウやガの仲間です。この小さな生き物はその素晴しい魅力で古い時代から私たちをひきつけてきました。日本鱗翅学会はこのチョウやガを研究対象とする学術団体で、アマチュアから専門家まで幅広い層のメンバーが協力しながら活動しており、興味のある人は誰でも入会できる開かれた学会です。