ヒメクロオビフユナミシャク Operophtera crispifascia
(シャクガ科ナミシャク亜科)

寒冷期に活動するシャクガの仲間、いわゆる冬尺蛾のひとつ。山深いブナ林に生息する。木々の葉が黄色く色付きそして落葉する直前のひと時に限って出現し、同所的に見られる他の冬尺蛾よりも出現時期はやや早い。

冬尺蛾のメスはいずれも翅が縮小あるいは消失しており飛翔能力を持たないが、その中にあって本種のメスは相対的にかなり大きな翅をもつ。オスは低地~山地でよく見られるクロオビフユナミシャクに似る。しかし触角の櫛歯は本種の方がはるかに長く、識別は容易。

ブナの幹に本種のメスがとまっていると、中途半端な大きさの翅が幹表面に接して周囲に馴染み、小さなコブのように見える。コーリング(雌性フェロモンの放出)は午後7時頃に行われ、その時間帯には多数のオスがブナ林内を飛び交う。

撮影データ: 2015年10月17日 八甲田山(青森県)
撮影・文章: 工藤 誠也

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日本鱗翅学会

日本鱗翅学会基金規程 (2014年10月25日制定)

  • 第1条 本学会は、会の財政安定を図るとともに、会の活性化及び会員の利益となる活動を支援するため、会則
  • 第36条に規定する寄付金等の収入に基づき日本鱗翅学会基金(以下学会基金と呼ぶ)を設ける。
  • 第2条 学会基金は、団体または個人からの寄付金等をもって充てる。また、学会会計に余剰金等が生じた場合は、それを繰り入れることができる。
  • 第3条 学会基金は一般会計とは別途の特別会計とする。
  • 第4条 本学会は学会基金及びその運用益から、一般会計事案に対して拠出を行うことができる。
  • 第5条 学会基金から拠出する金額および内容については評議員会の承認を得る。

(付則) 本規定は2014年10月25日から施行する。

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鱗翅(りんし)というのは鱗翅目(チョウ目)Lepidopteraのことで、鱗粉のある翅を持った昆虫すなわちチョウやガの仲間です。この小さな生き物はその素晴しい魅力で古い時代から私たちをひきつけてきました。日本鱗翅学会はこのチョウやガを研究対象とする学術団体で、アマチュアから専門家まで幅広い層のメンバーが協力しながら活動しており、興味のある人は誰でも入会できる開かれた学会です。