日本鱗翅学会版「保全のシンボルとしての都道府県のチョウ」が決定されました!
2025年2月19日公開
2019年から、日本鱗翅学会自然保護委員会により「保全のシンボルとしての都道府県のチョウ」の選定企画が始まりましたが、2024年6月に会員投票が行われ、ついに決定されました。各都道府県のチョウとその選定理由は、以下のPDFに概説していますので、ご覧ください。
- 日本鱗翅学会版「保全のシンボルとしての都道府県のチョウ」の決定|やどりが283号 P41-45 (PDF/892KB)
ヒメクロオビフユナミシャク Operophtera crispifascia
(シャクガ科ナミシャク亜科)
寒冷期に活動するシャクガの仲間、いわゆる冬尺蛾のひとつ。山深いブナ林に生息する。木々の葉が黄色く色付きそして落葉する直前のひと時に限って出現し、同所的に見られる他の冬尺蛾よりも出現時期はやや早い。
冬尺蛾のメスはいずれも翅が縮小あるいは消失しており飛翔能力を持たないが、その中にあって本種のメスは相対的にかなり大きな翅をもつ。オスは低地~山地でよく見られるクロオビフユナミシャクに似る。しかし触角の櫛歯は本種の方がはるかに長く、識別は容易。
ブナの幹に本種のメスがとまっていると、中途半端な大きさの翅が幹表面に接して周囲に馴染み、小さなコブのように見える。コーリング(雌性フェロモンの放出)は午後7時頃に行われ、その時間帯には多数のオスがブナ林内を飛び交う。
2025年2月19日公開
2019年から、日本鱗翅学会自然保護委員会により「保全のシンボルとしての都道府県のチョウ」の選定企画が始まりましたが、2024年6月に会員投票が行われ、ついに決定されました。各都道府県のチョウとその選定理由は、以下のPDFに概説していますので、ご覧ください。
鱗翅(りんし)というのは鱗翅目(チョウ目)Lepidopteraのことで、鱗粉のある翅を持った昆虫すなわちチョウやガの仲間です。この小さな生き物はその素晴しい魅力で古い時代から私たちをひきつけてきました。日本鱗翅学会はこのチョウやガを研究対象とする学術団体で、アマチュアから専門家まで幅広い層のメンバーが協力しながら活動しており、興味のある人は誰でも入会できる開かれた学会です。