ヒメクロオビフユナミシャク Operophtera crispifascia
(シャクガ科ナミシャク亜科)

寒冷期に活動するシャクガの仲間、いわゆる冬尺蛾のひとつ。山深いブナ林に生息する。木々の葉が黄色く色付きそして落葉する直前のひと時に限って出現し、同所的に見られる他の冬尺蛾よりも出現時期はやや早い。

冬尺蛾のメスはいずれも翅が縮小あるいは消失しており飛翔能力を持たないが、その中にあって本種のメスは相対的にかなり大きな翅をもつ。オスは低地~山地でよく見られるクロオビフユナミシャクに似る。しかし触角の櫛歯は本種の方がはるかに長く、識別は容易。

ブナの幹に本種のメスがとまっていると、中途半端な大きさの翅が幹表面に接して周囲に馴染み、小さなコブのように見える。コーリング(雌性フェロモンの放出)は午後7時頃に行われ、その時間帯には多数のオスがブナ林内を飛び交う。

撮影データ: 2015年10月17日 八甲田山(青森県)
撮影・文章: 工藤 誠也

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日本鱗翅学会

日本鱗翅学会東海支部2024年度総会及び第186回例会のご案内

2025年2月 8日公開

下記の要領で、日本鱗翅学会東海支部2024年度総会及び第186回例会を開催いたします。奮ってご参加ください。

会場・日時

会場:
名城大学共通棟北館 N-104教室
名城大学天白キャンパスへのアクセス
日時:
2025年2月15日(土) 13:00~17:00

演題: LSJ選定「保全のシンボルとしての都道府県のチョウ」についてのミニシンポジウム

はじめに:
江田 信豊「都道府県のチョウ選定とその理由 東海4県について」
岐阜県 [ギフチョウ]:
鈴木 俊文「高山市清見町におけるギフチョウの保全活動について」
愛知県 [ヒメヒカゲ]:
間野 隆裕「愛知県のヒメヒカゲ」
三重県 [キリシマミドリシジミ]:
河本 実「三重県のキリシマミドリシジミについて」
静岡県 [フジミドリシジミ]:
諏訪 哲夫「静岡県におけるフジミドリシジミの生息状況」

問い合わせ先

江田 信豊(日本鱗翅学会東海支部)

E-mail:koda6483gmail.com

江田 信豊 (東海支部)

日本鱗翅学会

〒113-0001
東京都文京区白山 1-13-7
アクア白山ビル5F
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※ お問い合わせフォームより御連絡下さい。

鱗翅(りんし)というのは鱗翅目(チョウ目)Lepidopteraのことで、鱗粉のある翅を持った昆虫すなわちチョウやガの仲間です。この小さな生き物はその素晴しい魅力で古い時代から私たちをひきつけてきました。日本鱗翅学会はこのチョウやガを研究対象とする学術団体で、アマチュアから専門家まで幅広い層のメンバーが協力しながら活動しており、興味のある人は誰でも入会できる開かれた学会です。