ヒメクロオビフユナミシャク Operophtera crispifascia
(シャクガ科ナミシャク亜科)

寒冷期に活動するシャクガの仲間、いわゆる冬尺蛾のひとつ。山深いブナ林に生息する。木々の葉が黄色く色付きそして落葉する直前のひと時に限って出現し、同所的に見られる他の冬尺蛾よりも出現時期はやや早い。

冬尺蛾のメスはいずれも翅が縮小あるいは消失しており飛翔能力を持たないが、その中にあって本種のメスは相対的にかなり大きな翅をもつ。オスは低地~山地でよく見られるクロオビフユナミシャクに似る。しかし触角の櫛歯は本種の方がはるかに長く、識別は容易。

ブナの幹に本種のメスがとまっていると、中途半端な大きさの翅が幹表面に接して周囲に馴染み、小さなコブのように見える。コーリング(雌性フェロモンの放出)は午後7時頃に行われ、その時間帯には多数のオスがブナ林内を飛び交う。

撮影データ: 2015年10月17日 八甲田山(青森県)
撮影・文章: 工藤 誠也

閉じる

日本鱗翅学会

2024年度 日本鱗翅学会九州支部/九州・沖縄昆虫研究会合同大会プログラム

2024年12月 7日公開

今年度の日本鱗翅学会九州支部大会(九州・沖縄昆虫研究会との合同大会)のプログラムが確定しましたのでご連絡いたします。直前の参加登録等ご質問がある方は、屋宜(yagi.sadahisaagr.kyushu-u.ac.jp)までお問い合わせよろしくお願いいたします。

大会概要

日時:
2024年12月8日(日)
会場:
九州大学伊都キャンパス(〒819-0395 福岡市西区元岡744番地)ウエスト5号館226講義室 および Zoom配信

大会スケジュール

12月8日(日) ※ 発表者に下線が引かれている場合はオンライン発表
  • 12:00~
    受付開始・試写(画面共有等の確認)
    13:00~13:15
    九州・沖縄昆虫研究会総会・日本鱗翅学会九州支部総会
    13:15~14:15
    特別講演「アメバチモドキ属の亜属は単系統群か?(膜翅目: ヒメバチ科)」
    小西 和彦 (北海道大学総合博物館資料部研究員)
    14:15~14:20
    休憩
  •  
  • 14:20~17:25 一般講演
    14:20~14:35
    ミズガンピを寄主とするPhycita属(チョウ目: メイガ科)の1未記載種
    水谷 廉太郎(九州大院・生資環)・屋宜 禎央・広渡 俊哉(九州大院・農)
    14:35~14:50
    小笠原諸島産ノコメキバガ族(キバガ科, サクラキバガ亜科)の分類学的研究
    河合 雄介(九州大・農)・屋宜 禎央・広渡 俊哉(九州大院・農)
    14:50~15:05
    有明海の潮間帯に生息するクシヒゲハイイロヒメシャクの生態およびシチメンソウ立ち枯れとの関連
    鐘ケ江 葵1・矢野 文士2・奥園 元晴3・大塚 陽香3・日南 瑶1・徳田 誠1,2(1佐賀大・農, 2鹿児島大院・連合農, 3佐賀大院・農)
    15:05~15:20
    ヨダンハエトリ(クモ目: ハエトリグモ科)の求愛行動に関わる色彩多型
    岩永 柊(九州大・農)・三田 敏治(九州大院・農)
    15:20~15:30
    休憩
    15:30~15:45
    オキナワマルバネクワガタ, ヤエヤママルバネクワガタの遺伝的多様性と集団構造
    名嘉山 栞(九大・共創)・森塚 絵津子・楠見 淳子・荒谷 邦雄(九大院・比文)
    15:45~16:00
    Paederus parallelus Weise, 1877(甲虫目ハネカクシ科)の分類学的再検討
    五井野 響太郎(九州大・農)・丸山 宗利(九大博)
    16:00~16:15
    コバネアシベセスジハネカクシの天敵および同種他個体に対する防御行動
    西首 嶺一・栗田 桃萌・奥園 元晴・徳田 誠(佐賀大・農)
    16:15~16:30
    ムネボソカマバチとクロマダラカマバチの九州における分布
    西田 悠人(九州大・農)・三田 敏治(九州大院・農)
    16:30~16:45
    ツマジロクサヨトウの土着天敵であるTelenomus属の卵寄生蜂の生活史特性
    小森 崇聖1・足達 太郎2・新谷 喜紀1(1南九州大・環境園芸, 2東京農大・国際食料情報)
    16:45~16:55
    休憩
    16:55~17:10
    養鶏場におけるイエバエ科相
    大西 浩翔・紙谷 聡志(九州大・農)
    17:10~17:25
    日本産ニクバエ亜科のバーコーディング
    舘 卓司(九大院・比文)・藤田 龍介(九大院・農)・中村 剛之(弘前大・白神自然環境研究センター)
    17:25~17:40
    ラン科植物に寄生するランミモグリバエの防除
    庄司 志織1・山下 由美2・辻田 有紀1(1佐賀大・農, 2福島大・理工)
    17:40~17:55
    冷温帯と暖温帯におけるタマバエ類の発生消長の比較(予報)
    大坪 明日香・日南 瑶・古川 晶啓・山佐 啓斗(佐賀大・農)・中村 剛之(弘前大・白神セ)・Ayman Khamis Elsayed・徳田 誠(佐賀大・農)

  • 17:55~ 閉会の辞

参加者の注意事項

  • 1) 12月8日(日)は12:00から受付開始しております。時間に余裕を持ってご参加ください。
  • 2) 前日に参加URL等がメールで届かない場合、参加登録が上手くできていないか、登録したメールアドレスに間違いがあると思われますので、屋宜(yagi.sadahisaagr.kyushu-u.ac.jp)までご連絡いただきますようよろしくお願いいたします。
  • 3) オンライン参加者は、質疑の際以外はマイクをミュート(消音)に設定してください。
  • 4) 質疑は、音声による質疑の他に、チャットによる質問も受け付けます。ただし、質疑時間の制約上、口頭での質問を優先させることもありますので、ご了承ください。
  • 5) 発表者の許可がない限り、受信映像や発表資料の保存(画面キャプチャーを含む)、録音、再配布を禁じます。
  • 6) 誹謗中傷などの迷惑行為はしないでください。
  • 7) 参加者用のリンクを他者には教えないでください。

大会事務局

大会長: 紙谷 聡志

 E-mail:kamitaniagr.kyushu-u.ac.jp

事務局:

 三田 敏治 E-mail:t3mitaagr.kyushu-u.ac.jp

 屋宜 禎央 E-mail:yagi.sadahisaagr.kyushu-u.ac.jp

日本鱗翅学会

〒113-0001
東京都文京区白山 1-13-7
アクア白山ビル5F
勝美印刷株式会社内 日本鱗翅学会事務局
※ お問い合わせフォームより御連絡下さい。

鱗翅(りんし)というのは鱗翅目(チョウ目)Lepidopteraのことで、鱗粉のある翅を持った昆虫すなわちチョウやガの仲間です。この小さな生き物はその素晴しい魅力で古い時代から私たちをひきつけてきました。日本鱗翅学会はこのチョウやガを研究対象とする学術団体で、アマチュアから専門家まで幅広い層のメンバーが協力しながら活動しており、興味のある人は誰でも入会できる開かれた学会です。