ヒメクロオビフユナミシャク Operophtera crispifascia
(シャクガ科ナミシャク亜科)

寒冷期に活動するシャクガの仲間、いわゆる冬尺蛾のひとつ。山深いブナ林に生息する。木々の葉が黄色く色付きそして落葉する直前のひと時に限って出現し、同所的に見られる他の冬尺蛾よりも出現時期はやや早い。

冬尺蛾のメスはいずれも翅が縮小あるいは消失しており飛翔能力を持たないが、その中にあって本種のメスは相対的にかなり大きな翅をもつ。オスは低地~山地でよく見られるクロオビフユナミシャクに似る。しかし触角の櫛歯は本種の方がはるかに長く、識別は容易。

ブナの幹に本種のメスがとまっていると、中途半端な大きさの翅が幹表面に接して周囲に馴染み、小さなコブのように見える。コーリング(雌性フェロモンの放出)は午後7時頃に行われ、その時間帯には多数のオスがブナ林内を飛び交う。

撮影データ: 2015年10月17日 八甲田山(青森県)
撮影・文章: 工藤 誠也

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日本鱗翅学会

日本鱗翅学会近畿支部第169回例会・関⻄昆虫学研究会2024年度大会のご案内

2024年11月27日公開

以下の日程で、近畿支部第169回例会を、関西昆虫学研究会と合同で開催します。どなたでも参加できますので、ご興味があればご参加ください。

日時・会場

日時:
2024年12月7日(土) 13:55~16:45(13:45受付開始)
会場:
大阪公立大学 I-siteなんば (2FカンファレンスルームC2+C3)
会場へのアクセス

プログラム

13:45
受付開始(発表者はスライド等の確認)
13:55~14:00
開会挨拶
14:00~16:40
研究発表(口頭発表)
1. 中央アルプスで採集された未知のEpinotia属(ハマキガ科)
那須 義次 (近畿支部)
2. カザフスタンの天山山脈のチョウ
竹内 剛 (近畿支部)
3. 地中での捕食被食関係: ツチバチ類とハナムグリ幼虫の攻防
浦野 航平・杉浦 真治 (神戸大・院・農)
4. スズメバチ科寄生性ハチタケの子実体形態観察と分子系統解析
若林 悠太・嶋崎 拓・高橋 純一 (京都産業大・生命科学)
5. 寄生蜂キョウソヤドリコバチの母性休眠誘導におけるJHシグナル伝達経路の機能解析
池田 類1・西矢 芳昭1・向井 歩2 (1摂南大・院・理工・2大阪公立大・院・理)

休憩・交流

6. 寄生されたアリ随伴性シジミチョウ幼虫の行動変化が寄生蜂幼虫の生存率に与える影響
門田 悠里1・中林 ゆい2・大島 一正1,3,4 (1京都府大・生命環境・2神戸大・院・農・3京都府大・新自然史科学創生センター・4京都府立植物園)
7. クルミホソガのクルミレースに対して産卵刺激効果をもつ寄主化学成分抽出物の抽出法の開発
田房 由伎1・近藤 陽香2・小野 肇2・大島 一正3,4,5 (1京都府大・生命環境・2京都大・農・3京都府大・院・生命環境・4京都府大・新自然史科学創生センター・5京都府立植物園)
8. 日本産個体を用いたアワノメイガおよびその近縁種間での系統関係と集団構造
濵村 和1・吉安 裕2・大島 一正2,3,4 (1京都府大・生命環境・2京都府大・院・生命環境・3京都府大・新自然史科学創成センター・4京都府立植物園)
9. 左右非対称の交尾器を持つルリクワガタ属のオスは左右のどちらか一方向から交尾するのか?
横川 忠司 (生きもの科学研究所)
16:40~
若手発表賞授賞式
16:45
閉会

問い合わせ先

〒599-8531

大阪府堺市中区学園町 1-1

大阪公立大学大学院農学研究科
環境動物昆虫学研究グループ

竹内 剛(日本鱗翅学会近畿支部)

TEL:072-254-9413
E-mail:u21162homu.ac.jp

竹内 剛 (近畿支部)

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鱗翅(りんし)というのは鱗翅目(チョウ目)Lepidopteraのことで、鱗粉のある翅を持った昆虫すなわちチョウやガの仲間です。この小さな生き物はその素晴しい魅力で古い時代から私たちをひきつけてきました。日本鱗翅学会はこのチョウやガを研究対象とする学術団体で、アマチュアから専門家まで幅広い層のメンバーが協力しながら活動しており、興味のある人は誰でも入会できる開かれた学会です。