ヒメクロオビフユナミシャク Operophtera crispifascia
(シャクガ科ナミシャク亜科)

寒冷期に活動するシャクガの仲間、いわゆる冬尺蛾のひとつ。山深いブナ林に生息する。木々の葉が黄色く色付きそして落葉する直前のひと時に限って出現し、同所的に見られる他の冬尺蛾よりも出現時期はやや早い。

冬尺蛾のメスはいずれも翅が縮小あるいは消失しており飛翔能力を持たないが、その中にあって本種のメスは相対的にかなり大きな翅をもつ。オスは低地~山地でよく見られるクロオビフユナミシャクに似る。しかし触角の櫛歯は本種の方がはるかに長く、識別は容易。

ブナの幹に本種のメスがとまっていると、中途半端な大きさの翅が幹表面に接して周囲に馴染み、小さなコブのように見える。コーリング(雌性フェロモンの放出)は午後7時頃に行われ、その時間帯には多数のオスがブナ林内を飛び交う。

撮影データ: 2015年10月17日 八甲田山(青森県)
撮影・文章: 工藤 誠也

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日本鱗翅学会

日本鱗翅学会近畿支部第168回例会のご案内

2024年5月 5日公開

下記の要領で、日本鱗翅学会近畿支部第168回例会を開催いたします。奮ってご参加ください。

会場・日時

会場:
I-siteなんば(大阪公立大学)2F C1室
会場へのアクセス
日時:
2024年5月11日(土) 13:50~17時頃

プログラム

1. 屋久島のルーミスシジミを追って
有田 斉(近畿)
2. 壱岐島の小蛾類
那須 義次(近畿)・上田 達也(近畿)・小林 真大(日本蛾類学会)
3. ヤママユの系統継代飼育とバージンメスを使った生息分布調査方法
寺本 憲之(滋賀県大/琵琶湖博)
4. コツバメの飼育報告
長井 丈(神戸市立井吹東小学校)
5. 大阪府枚方市のチョウ類群集の変化 -1989年と2023年との比較-
棚橋 一郎(枚方生きもの調査会)
6. ヒサマツミドリシジミ雌雄の交尾戦略
大東 康人(近畿)
7. 春のチョウを求めてジブラルタル海峡を渡ってモロッコへ
竹内 剛(近畿)

※ 支部例会終了後に、会場周辺で懇親会を予定しています。

問い合わせ先

〒599-8531

大阪府堺市中区学園町 1-1

大阪公立大学大学院農学研究科
環境動物昆虫学研究グループ

竹内 剛(日本鱗翅学会近畿支部)

TEL:072-254-9413
E-mail:u21162homu.ac.jp

竹内 剛 (近畿支部)

日本鱗翅学会

〒113-0001
東京都文京区白山 1-13-7
アクア白山ビル5F
勝美印刷株式会社内 日本鱗翅学会事務局
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鱗翅(りんし)というのは鱗翅目(チョウ目)Lepidopteraのことで、鱗粉のある翅を持った昆虫すなわちチョウやガの仲間です。この小さな生き物はその素晴しい魅力で古い時代から私たちをひきつけてきました。日本鱗翅学会はこのチョウやガを研究対象とする学術団体で、アマチュアから専門家まで幅広い層のメンバーが協力しながら活動しており、興味のある人は誰でも入会できる開かれた学会です。