シロシモフリエダシャク Biston melacron
(シャクガ科エダシャク亜科)

春の夜、シロシモフリエダシャクの雄がひっそりと街灯に飛来していた。

年に一化、春のみに出現するシャクガで、西日本に分布するが局地的で個体数も多くない。

本種の属するBiston属は灯火に飛来するのは雄ばかりで、雌はのきなみ珍品であるが、本種の雌はとりわけ得難いようで、寄主植物を含め幼生期は一切判明していない。山陰地方は本種が比較的多産し、筆者もこれまで多数の雄を見てきたが、雌には未だに謁見できていない。いつか雌を採集して飼育してみたい蛾の一つである。

撮影データ: 2021年4月14日 鳥取県鳥取市
撮影・文章: 松井 悠樹

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日本鱗翅学会

蝶と蛾 74(4)(電子版)発行のお知らせ

2024年1月21日公開

蝶と蛾 Vol.74 No.4 (電子版)が発行されましたのでお知らせします。閲覧には以下、J-StageのURLにアクセスし、やどりが274に同封されていたログイン名とパスワードを入力してください。

ログイン名とパスワードは、2022年11月から変更となっています。ログイン名とパスワードが分からない場合は、学会事務局にお問い合わせください。

蝶と蛾 Vol. 74 No. 4

    • Microlepidoptera collected in the Hiraodai Karst Plateau, Fukuoka Prefecture, Japan.
    • Shinya SUZUKI, Sadahisa YAGI, Shunsuke TOMURA, Hazumu ARASHIMA, Jinhyeong PARK, Kimitaka SASAKI, Kiyoshiro GOTO, Toshiya HIROWATARI
    • 平尾台で得られた小蛾類
    • 鈴木 信也, 屋宜 禎央, 外村 俊輔, 荒島 彈, 朴 鎮亨, 佐々木 公隆, 後藤 聖士郎, 広渡 俊哉
    • ページ: 85-112
    • DOI: https://doi.org/10.18984/lepid.74.4_85
    • Biological notes on two species of Eudemopsis Falkovitsh, 1962 (Lepidoptera: Tortricidae), with records of parasitoid natural enemies (Hymenoptera: Bethylidae, Braconidae, and Ichneumonidae).
    • Kota SAKAGAMI, So SHIMIZU
    • Eudemopsis属(鱗翅目,ハマキガ科)2種における生態的知見および捕食寄生性天敵(ハチ目,アリガタバチ科,コマユバチ科,ヒメバチ科)の記録
    • 阪上 洸多, 清水 壮
    • ページ: 113-117
    • DOI: https://doi.org/10.18984/lepid.74.4_113
    • Distribution and host plants of Eretmocera artemisiae Li, 2019 (Lepidoptera: Scythrididae) in Japan.
    • Kiyoshiro GOTO, Yuuto IMAMURA, Sadahisa YAGI, Shunsuke TOMURA, Takuro TOKUHIRA, Kota SAKAGAMI, Bong-Kyu BYUN, Toshiya HIROWATARI
    • 日本におけるウスモンキヌバコガEretmocera artemisiae Li, 2019(鱗翅目,キヌバコガ科)の分布と寄主植物
    • 後藤 聖士郎, 今村 祐翔, 屋宜 禎央, 外村 俊輔, 徳平 拓郎, 阪上 洸多, BK Byun, 広渡 俊哉
    • ページ: 119-124
    • DOI: https://doi.org/10.18984/lepid.74.4_119
    • A review of the subfamily classification and the phylogenetic relationships among the geometrid subfamilies (Geometridae).
    • Satoshi HASHIMOTO
    • シャクガ科の亜科の分類と系統関係について
    • 橋本 里志
    • ページ: 125-143
    • DOI: https://doi.org/10.18984/lepid.74.4_125
  • A Record of Graphium doson C. & R. Felder, 1864 (Papilionidae, Graphiini) in North Osaka, Japan.
  • Kouta UJIBAYASHI, Takashi YAGI
  • ミカドアゲハ(アゲハチョウ科,アオスジアゲハ族)の大阪府北部からの記録
  • 氏林 恒太, 八木 孝司
  • ページ: 145-148
  • DOI: https://doi.org/10.18984/lepid.74.4_145

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鱗翅(りんし)というのは鱗翅目(チョウ目)Lepidopteraのことで、鱗粉のある翅を持った昆虫すなわちチョウやガの仲間です。この小さな生き物はその素晴しい魅力で古い時代から私たちをひきつけてきました。日本鱗翅学会はこのチョウやガを研究対象とする学術団体で、アマチュアから専門家まで幅広い層のメンバーが協力しながら活動しており、興味のある人は誰でも入会できる開かれた学会です。