ヒメクロオビフユナミシャク Operophtera crispifascia
(シャクガ科ナミシャク亜科)

寒冷期に活動するシャクガの仲間、いわゆる冬尺蛾のひとつ。山深いブナ林に生息する。木々の葉が黄色く色付きそして落葉する直前のひと時に限って出現し、同所的に見られる他の冬尺蛾よりも出現時期はやや早い。

冬尺蛾のメスはいずれも翅が縮小あるいは消失しており飛翔能力を持たないが、その中にあって本種のメスは相対的にかなり大きな翅をもつ。オスは低地~山地でよく見られるクロオビフユナミシャクに似る。しかし触角の櫛歯は本種の方がはるかに長く、識別は容易。

ブナの幹に本種のメスがとまっていると、中途半端な大きさの翅が幹表面に接して周囲に馴染み、小さなコブのように見える。コーリング(雌性フェロモンの放出)は午後7時頃に行われ、その時間帯には多数のオスがブナ林内を飛び交う。

撮影データ: 2015年10月17日 八甲田山(青森県)
撮影・文章: 工藤 誠也

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日本鱗翅学会

日本鱗翅学会近畿支部第167回例会・関⻄昆虫学研究会2023年度大会のご案内

2023年12月12日公開

下記の要領で、日本鱗翅学会近畿支部第167回例会(関西昆虫学研究会との共同開催)を開催いたします。奮ってご参加ください。

会場・日時

会場:
神戸大学農学部(B101教室)
会場へのアクセス
日時:
2023年12月17日(日) 13:15~16:45(13:00受付開始)

プログラム(★は関西昆虫学研究会の若手発表賞対象講演、◎は日本鱗翅学会近畿支部会の若手発表賞対象講演)

13:00
受付開始(発表者はスライド等の確認)
13:10~13:15
開会挨拶
13:15~16:15
研究発表(口頭発表)
1. ★カイコにおける暗期光中断を用いた休眠制御関連遺伝子の探索
岩本 彩・坂本 克彦(神戸大・農)
2. ★ヤママユガ科幼虫における発育に伴う発音行動の変化
齋藤 政希1・梶浦 善太2・杉浦 真治1 (1神戸大・農・2信州大・繊維)
3. ★配偶行動の観察からクルミホソガのホストレース間で同系交配が生じるメカニズムに迫る
高野 翔子1・大島 一正1,2,3 (1京都府大・院生命環境・2京都府大・新自然史科学創生センター・3京都府立植物園)
4. ★フジホソガのフジ上集団とアサ/ニレ科上集団間に配偶行動の違いは見られるか
勝部 圭1・大島 一正1,2,3 (1京都府大・院生命環境・2京都府大・新自然史科学創生センター・3京都府立植物園)
5. ★アリ随伴性シジミチョウは寄生により行動が変化するか
門田 悠里1・中林 ゆい2 大島 一正2,3,4 (1京都府大・生命環境・2京都府大・院生命環境・3京都府大・新自然史科学創生センター・4京都府立植物園)
6. シダ植物を食すアカガネエグリタマムシの潜葉性の実態
瑤寺 裕 (京都府立大・院生命環境)

(15分休憩)

7. 鞘翅に斑紋多型をもつダンダラテントウの集団遺伝構造
河上 康子1・中濱 直之2・長太 伸章3 (1大阪市博・外来研・2兵庫県立大・兵庫県博・3国立科博・人類研究部)
8. ◎幼虫期の寄主植物によって翅色が変化したクロツバメシジミ成虫の配偶行動
久井 花恋1・矢後 勝也2・上田 昇平3・平井 規央3 (1大阪府大・2東大総研博・3大阪公大院)
9. 野洲川河辺林のノメイガ亜科とその他の鱗翅類
南 尊演 (日本鱗翅学会近畿支部)
10. 大雪山の高山性昆虫の生態と地球温暖化の影響
渡辺 康之 (日本鱗翅学会近畿支部)
11. 羽ばたき装置を用いたキアゲハの生理活性物質の評価
竹内 剛1,2・秋野 順治3・高崎 浩幸4 (1日本鱗翅学会近畿支部・2大阪公立大・3京都工繊大・4日本蝶類学会)
16:30~
若手発表賞授賞式
16:45
閉会

問い合わせ先

〒599-8531

大阪府堺市中区学園町 1-1

大阪公立大学大学院農学研究科
環境動物昆虫学研究グループ

竹内 剛(日本鱗翅学会近畿支部)

TEL:072-254-9413
E-mail:u21162homu.ac.jp

竹内 剛 (近畿支部)

日本鱗翅学会

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東京都文京区白山 1-13-7
アクア白山ビル5F
勝美印刷株式会社内 日本鱗翅学会事務局
※ お問い合わせフォームより御連絡下さい。

鱗翅(りんし)というのは鱗翅目(チョウ目)Lepidopteraのことで、鱗粉のある翅を持った昆虫すなわちチョウやガの仲間です。この小さな生き物はその素晴しい魅力で古い時代から私たちをひきつけてきました。日本鱗翅学会はこのチョウやガを研究対象とする学術団体で、アマチュアから専門家まで幅広い層のメンバーが協力しながら活動しており、興味のある人は誰でも入会できる開かれた学会です。