ヒメクロオビフユナミシャク Operophtera crispifascia
(シャクガ科ナミシャク亜科)

寒冷期に活動するシャクガの仲間、いわゆる冬尺蛾のひとつ。山深いブナ林に生息する。木々の葉が黄色く色付きそして落葉する直前のひと時に限って出現し、同所的に見られる他の冬尺蛾よりも出現時期はやや早い。

冬尺蛾のメスはいずれも翅が縮小あるいは消失しており飛翔能力を持たないが、その中にあって本種のメスは相対的にかなり大きな翅をもつ。オスは低地~山地でよく見られるクロオビフユナミシャクに似る。しかし触角の櫛歯は本種の方がはるかに長く、識別は容易。

ブナの幹に本種のメスがとまっていると、中途半端な大きさの翅が幹表面に接して周囲に馴染み、小さなコブのように見える。コーリング(雌性フェロモンの放出)は午後7時頃に行われ、その時間帯には多数のオスがブナ林内を飛び交う。

撮影データ: 2015年10月17日 八甲田山(青森県)
撮影・文章: 工藤 誠也

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日本鱗翅学会

2023年度 日本鱗翅学会九州支部/九州・沖縄昆虫研究会合同大会プログラム

2023年12月10日公開

今年度の日本鱗翅学会九州支部大会のプログラムが確定しましたので案内いたします。

大会概要

日時:
2023年12月10日(日)
会場:
九州大学伊都キャンパス(〒819-0395 福岡市西区元岡744番地)ウエスト5号館226講義室 および Zoom配信

大会スケジュール

12月10日(日)
  • 12:00~
    受付開始・試写(画面共有等の確認)
    13:00~13:15
    九州・沖縄昆虫研究会総会・日本鱗翅学会九州支部総会
    13:15~14:15
    特別講演「国立科学博物館における昆虫コレクションの収集・保管と利用」
    野村 周平 (国立科学博物館)
    14:15~14:25
    休憩
  •  
  • 14:25~16:25 一般講演 (発表者に下線が引かれている場合はオンライン発表)
    14:25~14:40
    隠蔽環境に置かれたナナフシ卵に対するアリ・捕食者の応答
    大片 智裕(九州大・農)・三田 敏治(九州大院・農)
    14:40~14:55
    ハヤシケアリとともに得られた日本未記録属Acanosema Kieffer, 1908(ハチ目: ハエヤドリクロバチ科)の一種
    河合 諒人(九州大・農)・三田 敏治(九州大院・農)
    14:55~15:10
    Carebara pygmaea種群(アリ科: フタフシアリ亜科)の分類学的再検討
    松浦 公平(九州大・農)・三田 敏治(九州大院・農)・細石 真吾(九州大・熱研セ)
    15:10~15:25
    小笠原諸島で発見されたStathmopoda属(チョウ目: ニセマイコガ科)の不明種について
    浜口 純平(九大・農)・屋宜 禎央・広渡 俊哉(九大院・農)
    15:25~15:40
    休憩
    15:40~15:55
    九州・南西諸島から採集されたスダジイを利用する2種のStenolechia属(鱗翅目・キバガ科)
    酒井 大輔・坂巻 祥孝(鹿児島大院・農)・屋宜 禎央(九州大院・農)
    15:55~16:10
    鱗翅目に対する微生物農薬がシロヘリクチブトカメムシに与える生理的影響
    小林 太樹・坂巻 祥孝(鹿児島大院・農)
    16:10~16:25
    チャ圃場で採集したアザミウマタマゴバチ類(Megaphragma spp.)の比較
    中田 誠人・坂巻 祥孝(鹿児島大院・農)

  • 16:25~ 閉会の辞

講演者の注意事項

  • 1) 12月10日(日) 12:00~13:00に試写の時間を設けます。発表者は、この時間中に、音声確認・画面共有ができることを確認してください。
  • 2) 一般講演は、Zoomの画面共有で行います。
  • 3) 講演時間は、質疑を含めて15分です(12分発表+3分質疑)。
  • 4) パワーポイント等の資料は、フルスクリーン・モード等にして、参加者が見やすいようにご配慮ください。
  • 5) 発表するときは、可能であればビデオをオンにします。対面で発表する方は音声は、会場のスクリーン投影用パソコンに接続したスピーカーから出入力するので、ミュートにしてください。
  • 6) 学会のオンラインでの発表は、自動公衆送信による再送信とみなされますので、著作権への配慮が必要です。画像や文献の出典を明記してください。

参加者の注意事項

  • 1) 12月10日(日)は12:00から受付開始しております。時間に余裕を持ってご参加ください。
  • 2) 前日に参加URL等がメールで届かない場合、参加登録が上手くできていないか、登録したメールアドレスに間違いがあると思われますので、屋宜(yagi.sadahisaagr.kyushu-u.ac.jp)までご連絡いただきますようよろしくお願いいたします。
  • 3) オンライン参加者は、質疑の際以外はマイクをミュート(消音)に設定してください。
  • 4) 質疑は、音声による質疑の他に、チャットによる質問も受け付けます。ただし、質疑時間の制約上、口頭での質問を優先させることもありますので、ご了承ください。
  • 5) 発表者の許可がない限り、受信映像や発表資料の保存(画面キャプチャーを含む)、録音、再配布を禁じます。
  • 6) 誹謗中傷などの迷惑行為はしないでください。
  • 7) 参加者用のリンクを他者には教えないでください。

大会事務局

大会長: 広渡 俊哉

 E-mail:hirowat_tagr.kyushu-u.ac.jp

事務局:

 紙谷 聡志 E-mail:kamitaniagr.kyushu-u.ac.jp

 屋宜 禎央 E-mail:yagi.sadahisaagr.kyushu-u.ac.jp

日本鱗翅学会

〒113-0001
東京都文京区白山 1-13-7
アクア白山ビル5F
勝美印刷株式会社内 日本鱗翅学会事務局
※ お問い合わせフォームより御連絡下さい。

鱗翅(りんし)というのは鱗翅目(チョウ目)Lepidopteraのことで、鱗粉のある翅を持った昆虫すなわちチョウやガの仲間です。この小さな生き物はその素晴しい魅力で古い時代から私たちをひきつけてきました。日本鱗翅学会はこのチョウやガを研究対象とする学術団体で、アマチュアから専門家まで幅広い層のメンバーが協力しながら活動しており、興味のある人は誰でも入会できる開かれた学会です。