シロシモフリエダシャク Biston melacron
(シャクガ科エダシャク亜科)

春の夜、シロシモフリエダシャクの雄がひっそりと街灯に飛来していた。

年に一化、春のみに出現するシャクガで、西日本に分布するが局地的で個体数も多くない。

本種の属するBiston属は灯火に飛来するのは雄ばかりで、雌はのきなみ珍品であるが、本種の雌はとりわけ得難いようで、寄主植物を含め幼生期は一切判明していない。山陰地方は本種が比較的多産し、筆者もこれまで多数の雄を見てきたが、雌には未だに謁見できていない。いつか雌を採集して飼育してみたい蛾の一つである。

撮影データ: 2021年4月14日 鳥取県鳥取市
撮影・文章: 松井 悠樹

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日本鱗翅学会

群馬県天然記念物 ヒメギフチョウ保全推進のお願い

2023年7月25日公開

赤城山に隔離分布する貴重なヒメギフチョウ個体群は群馬県の天然記念物に指定されていますが、近年、主にシカ食害により急激に減少していることから、これを保全する団体「赤城姫を愛する集まり」が早急な保全対策を群馬県内の関連機関に要望することとなりました。

そこで本学会は、群馬県知事の山本一太氏、群馬県議会議長の安孫子哲氏、自民党群馬県支部連合会会長の小渕優子氏と同会幹事長の井下恭伸氏、渋川市長の高木勉氏、渋川市教育委員会教育長の中沢守氏に宛てて、「赤城姫を愛する集まり」が要請したい防鹿柵設置や累代飼育・系統保存等の保全活動に関する推薦状を2023年7月6日に提出しました。

矢後 勝也 (自然保護委員長)

日本鱗翅学会

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鱗翅(りんし)というのは鱗翅目(チョウ目)Lepidopteraのことで、鱗粉のある翅を持った昆虫すなわちチョウやガの仲間です。この小さな生き物はその素晴しい魅力で古い時代から私たちをひきつけてきました。日本鱗翅学会はこのチョウやガを研究対象とする学術団体で、アマチュアから専門家まで幅広い層のメンバーが協力しながら活動しており、興味のある人は誰でも入会できる開かれた学会です。