マエアカスカシノメイガ Palpita nigropunctalis
(ツトガ科ヒゲナガノメイガ亜科)

夏の暑さが過ぎ、本格的な秋の訪れを感じはじめる9月の早朝に、アベリアの花を訪れたマエアカスカシノメイガを見つけた。

半透明の白い翅と橙色の差し色が美しいガで、早春のまだ寒い時期から灯火やコンビニの灯りに成虫が集まる。幼虫が公園の生け垣や人家に植栽されるネズミモチやライラック、オリーブなど様々なモクセイ科植物を餌としているため、都市から山間部まで広い地域で成虫を目にする。

本種の成虫は真冬以外いつでも見られるような気がするのだが、実は複雑な生活史を持っており、成虫が見られる時期は意外に限られている。幼虫が暑さにも寒さにも弱いのか、あるいは春と秋だけ餌の状態がよいのか、幼虫の生育に適さない時期を休眠してやり過ごすようだ。夏は成虫で、冬は蛹でそれぞれ休眠するらしい(Gotoh et al. 2011, 後藤 2012)。

撮影データ: 2022年9月23日 鳥取県鳥取市
撮影・文章: 中 秀司

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日本鱗翅学会

第166回近畿支部例会のご案内

2023年5月 7日公開

以下の要領で、第166回日本鱗翅学会近畿支部例会を開催します。どなたでも参加できます。

日時・場所

主催:
日本鱗翅学会近畿支部
共催:
関西昆虫学研究会
日時:
2023年5月14日(日) 14:30~17:00頃
会場:
I-siteなんば(大阪公立大学) 2F C1室
大阪市浪速区敷津東 2-1-41 南海なんば第1ビル
地下鉄大国町駅・恵美須町駅より徒歩約7分、なんば駅より徒歩約15分
アクセス

プログラム

一般講演

1. 南西諸島におけるマダラチョウ類の寄主植物利用とマダラヤドリバエの産卵植物の関係
土居 咲貴・上田 昇平・平井 規央(大阪公立大院・農)
2. 学研から出版される「日本の小蛾類」について
那須 義次(大阪公立大)
3. 滋賀県のカイコの絹糸を活用した真綿布団・邦楽器糸の生産
寺本 憲之(滋賀県大/琵琶湖博)
4. 春のチョウを求めてジブラルタル海峡の北と南へ
竹内 剛(近畿支部)

※ 支部例会終了後に、会場周辺で懇親会を予定しています。

お申込・問い合わせ先

〒599-8531

大阪府堺市中区学園町 1-1

大阪公立大学大学院農学研究科
環境動物昆虫学研究グループ

竹内 剛(日本鱗翅学会近畿支部)

TEL:072-254-9413
E-mail:u21162homu.ac.jp

竹内 剛 (近畿支部)

日本鱗翅学会

〒113-0001
東京都文京区白山 1-13-7
アクア白山ビル5F
勝美印刷株式会社内 日本鱗翅学会事務局
※ お問い合わせフォームより御連絡下さい。

鱗翅(りんし)というのは鱗翅目(チョウ目)Lepidopteraのことで、鱗粉のある翅を持った昆虫すなわちチョウやガの仲間です。この小さな生き物はその素晴しい魅力で古い時代から私たちをひきつけてきました。日本鱗翅学会はこのチョウやガを研究対象とする学術団体で、アマチュアから専門家まで幅広い層のメンバーが協力しながら活動しており、興味のある人は誰でも入会できる開かれた学会です。