ヒメクロオビフユナミシャク Operophtera crispifascia
(シャクガ科ナミシャク亜科)

寒冷期に活動するシャクガの仲間、いわゆる冬尺蛾のひとつ。山深いブナ林に生息する。木々の葉が黄色く色付きそして落葉する直前のひと時に限って出現し、同所的に見られる他の冬尺蛾よりも出現時期はやや早い。

冬尺蛾のメスはいずれも翅が縮小あるいは消失しており飛翔能力を持たないが、その中にあって本種のメスは相対的にかなり大きな翅をもつ。オスは低地~山地でよく見られるクロオビフユナミシャクに似る。しかし触角の櫛歯は本種の方がはるかに長く、識別は容易。

ブナの幹に本種のメスがとまっていると、中途半端な大きさの翅が幹表面に接して周囲に馴染み、小さなコブのように見える。コーリング(雌性フェロモンの放出)は午後7時頃に行われ、その時間帯には多数のオスがブナ林内を飛び交う。

撮影データ: 2015年10月17日 八甲田山(青森県)
撮影・文章: 工藤 誠也

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日本鱗翅学会

第166回近畿支部例会のご案内

2023年5月 7日公開

以下の要領で、第166回日本鱗翅学会近畿支部例会を開催します。どなたでも参加できます。

日時・場所

主催:
日本鱗翅学会近畿支部
共催:
関西昆虫学研究会
日時:
2023年5月14日(日) 14:30~17:00頃
会場:
I-siteなんば(大阪公立大学) 2F C1室
大阪市浪速区敷津東 2-1-41 南海なんば第1ビル
地下鉄大国町駅・恵美須町駅より徒歩約7分、なんば駅より徒歩約15分
アクセス

プログラム

一般講演

1. 南西諸島におけるマダラチョウ類の寄主植物利用とマダラヤドリバエの産卵植物の関係
土居 咲貴・上田 昇平・平井 規央(大阪公立大院・農)
2. 学研から出版される「日本の小蛾類」について
那須 義次(大阪公立大)
3. 滋賀県のカイコの絹糸を活用した真綿布団・邦楽器糸の生産
寺本 憲之(滋賀県大/琵琶湖博)
4. 春のチョウを求めてジブラルタル海峡の北と南へ
竹内 剛(近畿支部)

※ 支部例会終了後に、会場周辺で懇親会を予定しています。

お申込・問い合わせ先

〒599-8531

大阪府堺市中区学園町 1-1

大阪公立大学大学院農学研究科
環境動物昆虫学研究グループ

竹内 剛(日本鱗翅学会近畿支部)

TEL:072-254-9413
E-mail:u21162homu.ac.jp

竹内 剛 (近畿支部)

日本鱗翅学会

〒113-0001
東京都文京区白山 1-13-7
アクア白山ビル5F
勝美印刷株式会社内 日本鱗翅学会事務局
※ お問い合わせフォームより御連絡下さい。

鱗翅(りんし)というのは鱗翅目(チョウ目)Lepidopteraのことで、鱗粉のある翅を持った昆虫すなわちチョウやガの仲間です。この小さな生き物はその素晴しい魅力で古い時代から私たちをひきつけてきました。日本鱗翅学会はこのチョウやガを研究対象とする学術団体で、アマチュアから専門家まで幅広い層のメンバーが協力しながら活動しており、興味のある人は誰でも入会できる開かれた学会です。