ミノウスバ Pryeria sinica
(マダラガ科)

半透明の翅をもつ昼飛性のマダラガ。日本では北海道から九州まで分布し、マサキ、ツルウメモドキなどのニシキギ科を食樹とする。首都圏では晩秋11月頃に成虫が見られるが、寒冷地ほど早く出現する傾向にあるようで、青森県の山地では9月下旬に発生の盛期を迎える。

食樹のマサキが生垣として植栽されることから、市街地に多く生息する。多数の卵を並べて産み付ける習性があり、幼虫は群れて生活するため、植栽のマサキの葉を食べ尽くす害虫としても知られている。しかし、こと青森県においては市街地で発生した例が知られておらず、自然度の高い山林で偶然的に採集されるばかりの稀種である。市街地への進出程度に顕著な地域差が見られることは興味深い。

撮影データ: 2017年9月24日 青森県平川市
撮影・文章: 工藤 誠也

閉じる

日本鱗翅学会

第3回ツシマウラボシシジミ保全シンポジウム

2023年2月12日公開

第3回ツシマウラボシシジミ保全シンポジウム「ツシマウラボシシジミを救った生息域外保全と昆虫館」

本種の保全活動に取り組む様々な主体(行政、保全団体、動物園、大学、学会、企業など)が、活動や研究成果を報告し、この蝶を守るための取り組みについて、参加者の皆さんと一緒に考える公開型のシンポジウムです。今回は対馬市長から足立区長への感謝状授与式も行われます。

日時:
2023年3月21日(火祝) 13:00~16:30
(2/10受付開始)
会場:
竹の塚地域学習センター 4F ホール
〒121-0813 足立区竹の塚 2-25-17
費用:
無料
定員:
100名程度(オンライン視聴は定員なし)
共催:
足立区・対馬市・日本鱗翅学会自然保護委員会
協賛:
(公財)自然保護助成基金

プログラム

13:00~
感謝状授与式 比田勝 尚喜(対馬市長)/近藤 やよい(足立区長)
本種の生息域外保全への貢献を称え、生息地である対馬市の市長より感謝状の授与が行われます。
13:40~
基調講演「ツシマウラボシシジミの現状と持続的保全をめざして」 矢後 勝也 (日本鱗翅学会/東京大学総合研究博物館)
14:00~
講演「最後に残った生息地でのツシマウラボシシジミの再発見! 緊急の保全活動へ」 中村 康弘 (特定非営利活動法人 日本チョウ類保全協会)
14:20~
休憩(10分間)
14:30~
講演「生物園にきたツシマウラボシシジミの飼育下繁殖への挑戦」 水落 渚 (足立区生物園)
14:50~
講演「ツシマウラボシシジミの再導入と域内保全への貢献」 神宮 周作 (対馬市農林水産部自然共生課)
15:10~
総合討論「ツシマウラボシシジミ保全に向けた未来への展望」 進行: 矢後 勝也 (日本鱗翅学会/東京大学総合研究博物館)

【申し込み方法】(2月10日 8:00- 受付開始)

会場参加: 申し込みフォームまたは電話
会場参加申込フォーム
TEL: 03-3884-5577 (足立区生物園)
オンライン参加: 申し込みフォームのみ
オンライン参加申込フォーム

日本鱗翅学会

〒113-0001
東京都文京区白山 1-13-7
アクア白山ビル5F
勝美印刷株式会社内 日本鱗翅学会事務局
※ お問い合わせフォームより御連絡下さい。

鱗翅(りんし)というのは鱗翅目(チョウ目)Lepidopteraのことで、鱗粉のある翅を持った昆虫すなわちチョウやガの仲間です。この小さな生き物はその素晴しい魅力で古い時代から私たちをひきつけてきました。日本鱗翅学会はこのチョウやガを研究対象とする学術団体で、アマチュアから専門家まで幅広い層のメンバーが協力しながら活動しており、興味のある人は誰でも入会できる開かれた学会です。