シロシモフリエダシャク Biston melacron
(シャクガ科エダシャク亜科)

春の夜、シロシモフリエダシャクの雄がひっそりと街灯に飛来していた。

年に一化、春のみに出現するシャクガで、西日本に分布するが局地的で個体数も多くない。

本種の属するBiston属は灯火に飛来するのは雄ばかりで、雌はのきなみ珍品であるが、本種の雌はとりわけ得難いようで、寄主植物を含め幼生期は一切判明していない。山陰地方は本種が比較的多産し、筆者もこれまで多数の雄を見てきたが、雌には未だに謁見できていない。いつか雌を採集して飼育してみたい蛾の一つである。

撮影データ: 2021年4月14日 鳥取県鳥取市
撮影・文章: 松井 悠樹

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日本鱗翅学会

日本鱗翅学会 チョウとガ フォトコンテスト2022【結果発表】

2023年1月17日公開

「日本鱗翅学会 チョウとガ フォトコンテスト2022」として、会員外も含めた皆様から「チョウとガの不思議な世界」をテーマとした写真を公募いたしましたが、全国から一般の部に47作品(組写真も含む全54点)、学生の部に10作品のご応募を頂きました。誠に有難うございました。

プロ写真家2名による一次審査で一般の部を上位20作品に絞らせて頂き、二次審査では日本鱗翅学会の理事・評議員の21名の方々にも審査して頂き、その評価点も加味して総合的に入賞者を選考させて頂きました。 このような審査により、ご応募頂いた57作品の中から、「一般の部」と「学生の部」の2部門で、一覧表のとおり入賞者を決定いたしました。

今年も、チョウとガ フォトコンテスト2023を開催予定ですので、今回入賞された方や残念ながら入賞されなかった方々も含め、さらに多くの方々からのご応募を期待いたします。

なお、入賞作品は、今後日本鱗翅学会ウェブサイトおよび日本鱗翅学会会誌「やどりが」誌上で発表させて頂く予定です。

2023/1/17 日本鱗翅学会フォトコンテスト事務局

入賞作品

一般の部

グランプリ
佐藤 伸一『アリと共に生きる』
特選
西嶋 信夫『フチグロトゲエダシャク雄飛来』
成田 徹『卍どもえ飛翔』
準特選
藤本 徹哉『緋縅の春』
後藤 仁『おしっこ』
松田 陽二『晩夏の営み』
山本 卓司『コロナ禍の「密」』
入選
熊田 聖三『肖像写真 蝶と蛾』
太田 明男『アゲハの吸水行動~放水の瞬間(5枚組写真)』
玉嶋 勝範『アリの巣から脱出したクロシジミの運命』
青木 稔『スケカバマダラ』
長谷川 匠『雪に咲く燻銀の華』
小田桐 啓太『スギタニルリシジミの春』
川田 澄男『手はオシッコだらけ』
立岩 幸雄『沖縄の青い空と海を背景に占有行動中のフタオチョウ♂』

学生の部

特選
西 雅刀『クリとキマルリ』
準特選
白井 建『アサマイチモンジの交尾』
関 理紗『どこまでも遠くへ』
入選
清水 美京『森の妖精との邂逅』
上辻 愛織『カノコガの羽化』
仁地 悠人『アリに守られたチョウセンアカシジミ』

入賞作品はこちらからご覧下さい。

日本鱗翅学会

〒113-0001
東京都文京区白山 1-13-7
アクア白山ビル5F
勝美印刷株式会社内 日本鱗翅学会事務局
※ お問い合わせフォームより御連絡下さい。

鱗翅(りんし)というのは鱗翅目(チョウ目)Lepidopteraのことで、鱗粉のある翅を持った昆虫すなわちチョウやガの仲間です。この小さな生き物はその素晴しい魅力で古い時代から私たちをひきつけてきました。日本鱗翅学会はこのチョウやガを研究対象とする学術団体で、アマチュアから専門家まで幅広い層のメンバーが協力しながら活動しており、興味のある人は誰でも入会できる開かれた学会です。