シロシモフリエダシャク Biston melacron
(シャクガ科エダシャク亜科)

春の夜、シロシモフリエダシャクの雄がひっそりと街灯に飛来していた。

年に一化、春のみに出現するシャクガで、西日本に分布するが局地的で個体数も多くない。

本種の属するBiston属は灯火に飛来するのは雄ばかりで、雌はのきなみ珍品であるが、本種の雌はとりわけ得難いようで、寄主植物を含め幼生期は一切判明していない。山陰地方は本種が比較的多産し、筆者もこれまで多数の雄を見てきたが、雌には未だに謁見できていない。いつか雌を採集して飼育してみたい蛾の一つである。

撮影データ: 2021年4月14日 鳥取県鳥取市
撮影・文章: 松井 悠樹

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日本鱗翅学会

蝶と蛾 73(1)(電子版)発行のお知らせ

2022年5月24日公開

蝶と蛾 Vol.73 No.1 (電子版)が発行されましたのでお知らせします。閲覧には以下、J-StageのURLにアクセスし、やどりが270に同封されていたログイン名とパスワードを入力してください。

ログイン名とパスワードは、2021年11月から変更となっています。ログイン名とパスワードが分からない場合は、学会事務局にお問い合わせください。

蝶と蛾 Vol. 73 No. 1

    • Discovery of Psyche casta (Pallas, 1767) (Psychidae, Psychinae) in Japan
    • Shuhei NIITSU, Daisuke MAEDA
    • 日本からのPsyche casta (Pallas, 1776)(ミノガ科, Psychinae亜科)の発見
    • 新津 修平, 前田 大輔
    • ページ: 7-11
    • DOI: https://doi.org/10.18984/lepid.73.1_7
    • The first occurrence of a cochyline moth, Eupoecilia ingens Sun & Li (Lepidoptera: Tortricidae: Tortricinae) in Japan
    • Shinya SUZUKI, Utsugi JINBO
    • ツマボシホソハマキ(新称)(鱗翅目: ハマキガ科: ハマキガ亜科)の日本からの初記録
    • 鈴木 信也, 神保 宇嗣
    • ページ: 13-17
    • DOI: https://doi.org/10.18984/lepid.72.3-4_59
    • A new species of the genus Tituacia from Japan (Lepidoptera, Gelechiidae, Anacampsinae, Chelariini)
    • Tatsuya UEDA
    • Tituacia属の日本からの1新種記載(鱗翅目, キバガ科)
    • 上田 達也
    • ページ: 19-25
    • DOI: https://doi.org/10.18984/lepid.73.1_19

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鱗翅(りんし)というのは鱗翅目(チョウ目)Lepidopteraのことで、鱗粉のある翅を持った昆虫すなわちチョウやガの仲間です。この小さな生き物はその素晴しい魅力で古い時代から私たちをひきつけてきました。日本鱗翅学会はこのチョウやガを研究対象とする学術団体で、アマチュアから専門家まで幅広い層のメンバーが協力しながら活動しており、興味のある人は誰でも入会できる開かれた学会です。