ヒメクロオビフユナミシャク Operophtera crispifascia
(シャクガ科ナミシャク亜科)

寒冷期に活動するシャクガの仲間、いわゆる冬尺蛾のひとつ。山深いブナ林に生息する。木々の葉が黄色く色付きそして落葉する直前のひと時に限って出現し、同所的に見られる他の冬尺蛾よりも出現時期はやや早い。

冬尺蛾のメスはいずれも翅が縮小あるいは消失しており飛翔能力を持たないが、その中にあって本種のメスは相対的にかなり大きな翅をもつ。オスは低地~山地でよく見られるクロオビフユナミシャクに似る。しかし触角の櫛歯は本種の方がはるかに長く、識別は容易。

ブナの幹に本種のメスがとまっていると、中途半端な大きさの翅が幹表面に接して周囲に馴染み、小さなコブのように見える。コーリング(雌性フェロモンの放出)は午後7時頃に行われ、その時間帯には多数のオスがブナ林内を飛び交う。

撮影データ: 2015年10月17日 八甲田山(青森県)
撮影・文章: 工藤 誠也

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日本鱗翅学会

2021年度日本鱗翅学会学会賞および奨励賞の推薦募集について

2021年6月16日公開

本学会では、2018年3月の評議員会にて日本鱗翅学会表彰規定を積極的に活用し、「学会賞」と「奨励賞」を制定することが決まりました。

「学会賞」は、研究成果の発表・出版等、鱗翅学の発展普及に資する業績、鱗翅類やそれにかかわる事柄に関する社会的関心の増進のための活動、会務に関する貢献等に優れた功績をあげた本会の正会員、名誉会員を対象とします。物故会員は対象としません。

「奨励賞」は、鱗翅学の分野において優れた研究を行い、また鱗翅学の進歩に寄与できることが期待される40歳未満の本会の正会員とします。

2019年に1回目の推薦募集を行い、2020年の大会で授賞式等を予定していましたが、大会は延期となり2回目の推薦募集も中止していました。

本年からは推薦募集を再開いたします。2021年11月末日を締切日とし、2022年の大会で授賞式等を予定しています。学会賞ならびに奨励賞候補者業績書及び推薦書はウェブサイト内の書式[ここをクリック]を利用するか総務担当理事に請求してください。応募に際しては、受賞候補者選考要項を参考にしてください。

送付先住所

〒980-0011

仙台市青葉区上杉 2-5-1-301

保坂 満(総務担当)

TEL:090-4669-1726
E-mail:himegifutefumiyagi.email.ne.jp

保坂 満 (総務担当)

日本鱗翅学会

〒113-0001
東京都文京区白山 1-13-7
アクア白山ビル5F
勝美印刷株式会社内 日本鱗翅学会事務局
※ お問い合わせフォームより御連絡下さい。

鱗翅(りんし)というのは鱗翅目(チョウ目)Lepidopteraのことで、鱗粉のある翅を持った昆虫すなわちチョウやガの仲間です。この小さな生き物はその素晴しい魅力で古い時代から私たちをひきつけてきました。日本鱗翅学会はこのチョウやガを研究対象とする学術団体で、アマチュアから専門家まで幅広い層のメンバーが協力しながら活動しており、興味のある人は誰でも入会できる開かれた学会です。