シロシモフリエダシャク Biston melacron
(シャクガ科エダシャク亜科)

春の夜、シロシモフリエダシャクの雄がひっそりと街灯に飛来していた。

年に一化、春のみに出現するシャクガで、西日本に分布するが局地的で個体数も多くない。

本種の属するBiston属は灯火に飛来するのは雄ばかりで、雌はのきなみ珍品であるが、本種の雌はとりわけ得難いようで、寄主植物を含め幼生期は一切判明していない。山陰地方は本種が比較的多産し、筆者もこれまで多数の雄を見てきたが、雌には未だに謁見できていない。いつか雌を採集して飼育してみたい蛾の一つである。

撮影データ: 2021年4月14日 鳥取県鳥取市
撮影・文章: 松井 悠樹

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日本鱗翅学会

蝶と蛾 70(3/4)(電子版)発行のお知らせ

2019年12月22日公開

蝶と蛾 Vol.70 No.3/4 (電子版)が発行されましたのでお知らせします。閲覧には以下、J-StageのURLにアクセスし、やどりが261に同封されていたログイン名とパスワードを入力してください。

ログイン名とパスワードは、2019年9月から変更となっています。ログイン名とパスワードが分からない場合は、学会事務局にお問い合わせください。

蝶と蛾 Vol.70 No.3/4

    • A survey of haploid chromosome numbers of 5 Euselasiinae and 27 Riodininae species from the Neotropical region (Lepidoptera, Nymphalidae, Riodinidae).
    • Azuma ABE, Kohji KUDOH, Mutsuo KUSHIBIKI
    • 新熱帯区のベニモンシジミタテハ亜科(Euselasiinae)5種とシジミタテハ亜科(Riodininae)27種の染色体数
    • 阿部 東, 工藤 貢次, 櫛引 陸奥男
    • ページ: 89-94
    • Discovery of Favonius yuasai Shirozu (Lepidoptera, Lycaenidae) from the Kinki district, Japan.
    • Shotaro TSUDA, Motoaki TSUDA, Masaya YAGO
    • クロミドリシジミ(鱗翅目, シジミチョウ科)の近畿地方からの発見
    • 津田 正太郎, 津田 元章, 矢後 勝也
    • ページ: 95-97
    • A new species of the genus Lyonetia (Lepidoptera: Lyonetiidae) associated with Alnus japonica and Betula platyphylla from Japan.
    • Shigeki KOBAYASHI, Toshitami KOMATSU
    • ハンノキとシラカンバの葉に潜るハモグリガ科の新種
    • 小林 茂樹, 小松 利民
    • ページ: 99-108
    • Butterfly fauna in and around Kyoto City in the early Showa period inferred from the butterfly specimens collected by Dr Tadachika Minoura.
    • Shu YOSHIDA, Norio HIRAI, Shouhei UEDA, Minoru ISHII
    • 箕浦忠愛コレクションから見た昭和前期の京都市周辺のチョウ相
    • 吉田 周, 平井 規央, 上田 昇平, 石井 実
    • ページ: 109-136

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鱗翅(りんし)というのは鱗翅目(チョウ目)Lepidopteraのことで、鱗粉のある翅を持った昆虫すなわちチョウやガの仲間です。この小さな生き物はその素晴しい魅力で古い時代から私たちをひきつけてきました。日本鱗翅学会はこのチョウやガを研究対象とする学術団体で、アマチュアから専門家まで幅広い層のメンバーが協力しながら活動しており、興味のある人は誰でも入会できる開かれた学会です。