シロシモフリエダシャク Biston melacron
(シャクガ科エダシャク亜科)

春の夜、シロシモフリエダシャクの雄がひっそりと街灯に飛来していた。

年に一化、春のみに出現するシャクガで、西日本に分布するが局地的で個体数も多くない。

本種の属するBiston属は灯火に飛来するのは雄ばかりで、雌はのきなみ珍品であるが、本種の雌はとりわけ得難いようで、寄主植物を含め幼生期は一切判明していない。山陰地方は本種が比較的多産し、筆者もこれまで多数の雄を見てきたが、雌には未だに謁見できていない。いつか雌を採集して飼育してみたい蛾の一つである。

撮影データ: 2021年4月14日 鳥取県鳥取市
撮影・文章: 松井 悠樹

閉じる

日本鱗翅学会

公開シンポジウム「インセクトワールド -多様な昆虫の世界-」

2019年6月16日公開

公開シンポジウム「インセクトワールド -多様な昆虫の世界-」の概要

プログラム

13:00 日本学術会議農学委員会応用昆虫学分科会活動報告
小野 正人 (日本学術会議連携会員・玉川大学学術研究所)
13:20 日本昆虫科学連合活動報告
伴戸 久徳 (日本昆虫科学連合代表・北海道大学大学院農学研究院)
講演 (座長) 辻 和希 (日本学術会議連携会員・琉球大学農学部亜熱帯農林環境科学科)
13:35 「非社会性昆虫コメツキモドキと菌の栽培共生」
土岐 和多瑠 (名古屋大学大学院生命農学研究科)
14:05 「ユスリカの世界」
平林 公男 (信州大学学術研究院繊維学系)
14:35 「加工食品で発育するノシメマダラメイガ」
宮ノ下 明大 (国立研究開発法人農研機構食品安全研究領域)
15:05-15:20 (休憩)
15:20 「シロアリにおけるオスのいない社会の進化」
矢代 敏久 (国立研究開発法人農研機構九州沖縄農業研究センター)
15:50 「昆虫社会の化学感覚と好き嫌い」
尾崎 まみこ (神戸大学大学院理学研究科)
16:20 総合討論 (座長) 辻 和希
16:45 閉会

伊藤 雅信 (日本昆虫科学連合事務局)

日本鱗翅学会

〒113-0001
東京都文京区白山 1-13-7
アクア白山ビル5F
勝美印刷株式会社内 日本鱗翅学会事務局
※ お問い合わせフォームより御連絡下さい。

鱗翅(りんし)というのは鱗翅目(チョウ目)Lepidopteraのことで、鱗粉のある翅を持った昆虫すなわちチョウやガの仲間です。この小さな生き物はその素晴しい魅力で古い時代から私たちをひきつけてきました。日本鱗翅学会はこのチョウやガを研究対象とする学術団体で、アマチュアから専門家まで幅広い層のメンバーが協力しながら活動しており、興味のある人は誰でも入会できる開かれた学会です。