ミノウスバ Pryeria sinica
(マダラガ科)

半透明の翅をもつ昼飛性のマダラガ。日本では北海道から九州まで分布し、マサキ、ツルウメモドキなどのニシキギ科を食樹とする。首都圏では晩秋11月頃に成虫が見られるが、寒冷地ほど早く出現する傾向にあるようで、青森県の山地では9月下旬に発生の盛期を迎える。

食樹のマサキが生垣として植栽されることから、市街地に多く生息する。多数の卵を並べて産み付ける習性があり、幼虫は群れて生活するため、植栽のマサキの葉を食べ尽くす害虫としても知られている。しかし、こと青森県においては市街地で発生した例が知られておらず、自然度の高い山林で偶然的に採集されるばかりの稀種である。市街地への進出程度に顕著な地域差が見られることは興味深い。

撮影データ: 2017年9月24日 青森県平川市
撮影・文章: 工藤 誠也

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日本鱗翅学会

国際シンポジウム(ICOM Kyoto 2019 サテライト・イベント)

2019年5月19日公開

今年9月に京都にて「国際博物館会議京都大会(ICOM Kyoto 2019)」が開催されます。世界中の博物館関係者が集う大きな大会ですが、この度自然史学会連合はそのサテライト・イベントとして、国際シンポジウムを開催することになりました。

国際シンポジウム『研究活動,資料収集,普及教育,アウトリーチを推進するツールとしての自然史博物館ネットワーク: アジアの事例研究』

日時・場所

シンポジウム
2019年9月4日(水)午後
京都大学医学部創立百周年記念施設 芝蘭会館稲盛ホール
ポスター発表
2019年9月4日(水)夕刻~9月5日(木)
京都大学総合博物館

ICOM本大会とは会場が異なりますが、こちらのイベントは参加・発表とも無料となっております。6/10よりポスター発表登録の受け付けが開始される予定となっていますので、みなさま奮ってご参加ください。

  • ポスター発表の内容は自然史に関わる幅広い領域から募集しますが、シンポジウムのテーマに沿った、ネットワーク活動を意識した内容のものを優先いたします。
  • ポスター会場の規模の関係で、申し込みが40件に達した場合はその時点で締め切りますので,お早めに申し込みください。
  • 申込みが〆切に達した場合でも、参加・閲覧は自由にしていただけます。

以下にシンポジウムの概要を掲載いたしました。6/10以降に2nd Circularとして更新予定ですので、引き続きご確認いただければと思います。連合事務局および国際シンポジウム準備委員会ともに、みなさまの奮ってのご参加をお待ちしております。

【8/18追記】下記の大会サイトから、ポスター・ちらしをダウンロードいただけるようになりました。

保坂 健太郎 (自然史学会連合事務局)

日本鱗翅学会

〒113-0001
東京都文京区白山 1-13-7
アクア白山ビル5F
勝美印刷株式会社内 日本鱗翅学会事務局
※ お問い合わせフォームより御連絡下さい。

鱗翅(りんし)というのは鱗翅目(チョウ目)Lepidopteraのことで、鱗粉のある翅を持った昆虫すなわちチョウやガの仲間です。この小さな生き物はその素晴しい魅力で古い時代から私たちをひきつけてきました。日本鱗翅学会はこのチョウやガを研究対象とする学術団体で、アマチュアから専門家まで幅広い層のメンバーが協力しながら活動しており、興味のある人は誰でも入会できる開かれた学会です。