ヒメクロオビフユナミシャク Operophtera crispifascia
(シャクガ科ナミシャク亜科)

寒冷期に活動するシャクガの仲間、いわゆる冬尺蛾のひとつ。山深いブナ林に生息する。木々の葉が黄色く色付きそして落葉する直前のひと時に限って出現し、同所的に見られる他の冬尺蛾よりも出現時期はやや早い。

冬尺蛾のメスはいずれも翅が縮小あるいは消失しており飛翔能力を持たないが、その中にあって本種のメスは相対的にかなり大きな翅をもつ。オスは低地~山地でよく見られるクロオビフユナミシャクに似る。しかし触角の櫛歯は本種の方がはるかに長く、識別は容易。

ブナの幹に本種のメスがとまっていると、中途半端な大きさの翅が幹表面に接して周囲に馴染み、小さなコブのように見える。コーリング(雌性フェロモンの放出)は午後7時頃に行われ、その時間帯には多数のオスがブナ林内を飛び交う。

撮影データ: 2015年10月17日 八甲田山(青森県)
撮影・文章: 工藤 誠也

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日本鱗翅学会

関東支部 2019「春のつどい」

2019年2月26日公開

関東支部恒例の「春のつどい」を下記の要領で開催いたします。

今回はイグノーベル賞受賞者の上村佳孝先生による招待講演もありますので、ふるってご参加ください。

開催要領

日時
2019年3月9日(土) 13:00~17:50(開場12:30)
(懇親会18:20~20:20)
会場
東京大学本郷キャンパス 理学部2号館4F大講堂
(東京都文京区本郷 7-3-1)
理学部2号館 | 周辺地図
参加費
1,000円 (会場費・講演要旨代を含む/学生は無料)
懇親会: エ・プロント (東京大学本郷キャンパス構内・中央食堂2階)
会費5,000円 (大学生3,000円、高校生以下1,000円)

プログラム

一般講演 13:05~
美ノ谷 憲久: 房総半島のシルビアシジミの現状と保護
橋本 定雄: アサギマダラの生態観察から 交尾行動への過程
津吹 卓: スジグロカバマダラの活動性、そして石垣島で考えたツマグロヒョウモンの擬態
加藤 義臣・横田 光邦: キハダカノコ(ヒトリガ科: カノコガ亜科)の化性と食性
 (休憩)
小中学生発表 15:00~
松田 せいら(小4)・松田 奈々(母): 蝶と先生と私
大沢 はるか(小4): イモムシ・ケムシの標本作り
原田 剣史郎(中1): フユシャクとともに冬の寒さを耐え抜いた生態調査報告
川畑 春佳(中1): 入れ歯洗浄剤を用いた蛾類の交尾器の観察
 (休憩)
招待講演 16:50~
「イグノーベル賞受賞」
上村 佳孝: 昆虫の交尾器を調べる~その楽しみと見えてくるもの~

発表に関するお願い

講演持ち時間
発表時間は1題あたり20分です。時間厳守でお願いします。
使用可能機材
液晶プロジェクター、ノートパソコン(windows10/office2013対応)を準備してあります。

講演データは事前に提出いただくか、当日ご自分のパソコンでの持ち込みにするのか、選択してください。事前提出の場合は、下記担当者宛てにCD、DVD、USBメモリー、SDカードなどの記録媒体で送付いただくか、無料の宅ふぁいる便、MicrosoftのOneDrive等のweb上からの送付でも結構です。また、要旨集を作成しますので、講演が決定した場合は、講演要旨の提出をお願いします。

申込・お問い合わせ

〒409-0126

山梨県上野原市コモアしおつ 1-27-5

福田 晴男

E-mail:neptistarkme.biglobe.ne.jp

企画・運営
日本鱗翅学会関東支部幹事会
担当評議員
浅香 克彦・朝日 純一・小沢 英之・川田 智子・坂本 佳子・長谷川 大・福田 晴男・矢後 勝也
幹事
伊藤 勇人・小田 康弘・勝山 礼一朗・北川 朝生・久保田 瑛子・杉山 裕美子・寺田 剛・橋本 定雄・原田 一志・渡部 美佳・矢野 高広
顧問
石塚 正彦・長畑 直和・新津 修平・美ノ谷 憲久

石塚 正彦 (日本鱗翅学会関東支部幹事会)

日本鱗翅学会

〒113-0001
東京都文京区白山 1-13-7
アクア白山ビル5F
勝美印刷株式会社内 日本鱗翅学会事務局
※ お問い合わせフォームより御連絡下さい。

鱗翅(りんし)というのは鱗翅目(チョウ目)Lepidopteraのことで、鱗粉のある翅を持った昆虫すなわちチョウやガの仲間です。この小さな生き物はその素晴しい魅力で古い時代から私たちをひきつけてきました。日本鱗翅学会はこのチョウやガを研究対象とする学術団体で、アマチュアから専門家まで幅広い層のメンバーが協力しながら活動しており、興味のある人は誰でも入会できる開かれた学会です。