シロシモフリエダシャク Biston melacron
(シャクガ科エダシャク亜科)

春の夜、シロシモフリエダシャクの雄がひっそりと街灯に飛来していた。

年に一化、春のみに出現するシャクガで、西日本に分布するが局地的で個体数も多くない。

本種の属するBiston属は灯火に飛来するのは雄ばかりで、雌はのきなみ珍品であるが、本種の雌はとりわけ得難いようで、寄主植物を含め幼生期は一切判明していない。山陰地方は本種が比較的多産し、筆者もこれまで多数の雄を見てきたが、雌には未だに謁見できていない。いつか雌を採集して飼育してみたい蛾の一つである。

撮影データ: 2021年4月14日 鳥取県鳥取市
撮影・文章: 松井 悠樹

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日本鱗翅学会

蝶と蛾 69(2)(電子版)発行のお知らせ

2018年12月 2日公開

蝶と蛾 Vol.69 No.2 (電子版)が発行されましたのでお知らせします。閲覧には以下、J-StageのURLにアクセスし、Vol.68 No.3/4に同封されていたログイン名とパスワードを入力してください。

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蝶と蛾 Vol.69 No.2

    • Mitochondrial DNA and cuticular hydrocarbon analyses of Lethe diana (Lepidoptera, Nymphalidae, Satyrinae) inhabiting Mikura Island, Japan.
    • Takao ITOH, Takatoshi NAKATANI, Shinichi USAMI, Haru KUMIJI, Hisashi OMURA
    • 御蔵島に生息するクロヒカゲ(Lethe diana mikuraensis)のミトコンドリアDNAと体表炭化水素分析
    • 伊藤 隆夫・中谷 貴壽・宇佐美 真一・汲地 晴・大村 尚
    • ページ: 49-52
    • 日本産チョウ類における季節変異を有する種の割合とその傾向
    • 檜山 充樹・大瀧 丈二
    • ページ: 53-65
    • A color pattern difference in the fifth instar larva of two subspecies of Faunis menado Hewitson (Lepidoptera, Nymphalidae).
    • Ryo YAMAGUCHI, Seiichi SUEFUJI, Ken-Ichi ODAGIRI, Djunijanti PEGGIE, Osamu YATA
    • メナドヒメワモンFaunis menadoの2亜種における5齢幼虫頭部模様の違い
    • 山口 諒・末藤 清一・小田切 顕一・Djunijanti PEGGIE・矢田 脩
    • ページ: 67-73
    • Discovery of Hypocala australiae Butler stat. rev. from Japan which is shown to be distinct from the persimmon pest H. deflorata (Fabricius) (Erebidae: Hypocalinae).
    • Daisuke WATABIKI, Shin-ichi YOSHIMATSU
    • ページ: 75-83

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鱗翅(りんし)というのは鱗翅目(チョウ目)Lepidopteraのことで、鱗粉のある翅を持った昆虫すなわちチョウやガの仲間です。この小さな生き物はその素晴しい魅力で古い時代から私たちをひきつけてきました。日本鱗翅学会はこのチョウやガを研究対象とする学術団体で、アマチュアから専門家まで幅広い層のメンバーが協力しながら活動しており、興味のある人は誰でも入会できる開かれた学会です。