ヒメクロオビフユナミシャク Operophtera crispifascia
(シャクガ科ナミシャク亜科)

寒冷期に活動するシャクガの仲間、いわゆる冬尺蛾のひとつ。山深いブナ林に生息する。木々の葉が黄色く色付きそして落葉する直前のひと時に限って出現し、同所的に見られる他の冬尺蛾よりも出現時期はやや早い。

冬尺蛾のメスはいずれも翅が縮小あるいは消失しており飛翔能力を持たないが、その中にあって本種のメスは相対的にかなり大きな翅をもつ。オスは低地~山地でよく見られるクロオビフユナミシャクに似る。しかし触角の櫛歯は本種の方がはるかに長く、識別は容易。

ブナの幹に本種のメスがとまっていると、中途半端な大きさの翅が幹表面に接して周囲に馴染み、小さなコブのように見える。コーリング(雌性フェロモンの放出)は午後7時頃に行われ、その時間帯には多数のオスがブナ林内を飛び交う。

撮影データ: 2015年10月17日 八甲田山(青森県)
撮影・文章: 工藤 誠也

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日本鱗翅学会

関東支部 2018「秋のつどい」

2018年9月19日公開

関東支部主催「秋のつどい」を下記の要領で開催いたします。ふるってご参加下さい。

日時
2018年10月6日(土) 13:00~17:15
場所
東京大学本郷キャンパス 理学部2号館4F大講堂
(東京都文京区本郷 7-3-1 | TEL: 03-3812-2111[大学事務局])
理学部2号館
周辺地図
参加費
1,000円 (会場費・講演要旨代を含む/学生無料)
懇親会
18:00~20:00
ユーティー・カフェ・ベルトレ・ルージュ (東大本郷キャンパス内)
会費5,000円 (大学生3,000円、高校生以下1,000円)

プログラム

一般講演(1)
加藤 義臣・吉田 昭広・高橋 啓暢: オオスカシバの鱗粉脱落
新津 修平・杉本 貴史・五島 正幸・上遠 岳彦: フチグロトゲエダシャクの雌特異的な翅退縮に関わる分子基盤の解明に向けて
小田 康弘: キタテハ,アカタテハなどの雌雄差について
石塚 正彦: 平地における大型ヒョウモンの夏眠について
休憩
一般講演(2)
黒田 亜富: ミスジチョウ(Neptis philyra)幼虫の吐糸行動について
真田 豊誠: 神奈川,東京のウラミスジシジミの新産地と分布について
佐々木 幹夫: コウトウキシタアゲハの幻光を求めて--台湾・蘭嶼島撮影行--
招待講演
横地 隆: 東南アジアに分布するTanaecia属(タテハチョウ科)に関するいくつかの事柄
企画・運営
日本鱗翅学会関東支部幹事会

お問い合わせ

〒368-0035

埼玉県秩父市上町 1-1-17

石塚 正彦

E-mail:fd32ptbma.biglobe.ne.jp

関東支部における「春」と「秋」のつどい、等の葉書での案内をe-mailへ切り替えることにつきまして、ご協力頂ける方はアドレスを小沢(e-mail: uts2_ozawayahoo.co.jp)までお知らせ下さい。

石塚 正彦 (日本鱗翅学会関東支部幹事会)

日本鱗翅学会

〒113-0001
東京都文京区白山 1-13-7
アクア白山ビル5F
勝美印刷株式会社内 日本鱗翅学会事務局
※ お問い合わせフォームより御連絡下さい。

鱗翅(りんし)というのは鱗翅目(チョウ目)Lepidopteraのことで、鱗粉のある翅を持った昆虫すなわちチョウやガの仲間です。この小さな生き物はその素晴しい魅力で古い時代から私たちをひきつけてきました。日本鱗翅学会はこのチョウやガを研究対象とする学術団体で、アマチュアから専門家まで幅広い層のメンバーが協力しながら活動しており、興味のある人は誰でも入会できる開かれた学会です。