マエアカスカシノメイガ Palpita nigropunctalis
(ツトガ科ヒゲナガノメイガ亜科)

夏の暑さが過ぎ、本格的な秋の訪れを感じはじめる9月の早朝に、アベリアの花を訪れたマエアカスカシノメイガを見つけた。

半透明の白い翅と橙色の差し色が美しいガで、早春のまだ寒い時期から灯火やコンビニの灯りに成虫が集まる。幼虫が公園の生け垣や人家に植栽されるネズミモチやライラック、オリーブなど様々なモクセイ科植物を餌としているため、都市から山間部まで広い地域で成虫を目にする。

本種の成虫は真冬以外いつでも見られるような気がするのだが、実は複雑な生活史を持っており、成虫が見られる時期は意外に限られている。幼虫が暑さにも寒さにも弱いのか、あるいは春と秋だけ餌の状態がよいのか、幼虫の生育に適さない時期を休眠してやり過ごすようだ。夏は成虫で、冬は蛹でそれぞれ休眠するらしい(Gotoh et al. 2011, 後藤 2012)。

撮影データ: 2022年9月23日 鳥取県鳥取市
撮影・文章: 中 秀司

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日本鱗翅学会

九州支部平成29年度大会のお知らせ(九州・沖縄昆虫研究会と共催)

2017年11月30日公開

直前になりましたが、日本鱗翅学会九州支部と九州・沖縄昆虫研究会(日本昆虫学会九州支部)の合同大会のプログラムが決まりましたのでご案内いたします。当日参加も可能ですので、お誘い合わせの上ご参加ください。

開催要領

日時
2017年12月2日(土) 13:00~18:00
会場
大分大学 旦野原キャンパス 第一大講義室
(JR大分大学前駅より徒歩10分)
大分大学キャンパスマップ
参加費
無料

プログラム(鱗翅学会関係のみ抜粋)

14:15~14:30
辻 千香子・屋宜 禎央・Khine Mon Mon Kyaw・広渡 俊哉 (九大・農・昆虫)
 九州大学伊都キャンパスにおける潜葉性小蛾類の相調査
14:30~14:45
Khine Mon Mon Kyaw・Sadahisa Yagi・Toshiya Hirowatari (Entomological Laboratory, Kyushu University)
 Taxonomic revision of the genus Cnaphostola Meyrick, 1918 (Lepidoptera, Gelechiidae) in Japan
14:45~15:00
玉嶋 勝範・酒井 彰 (大分昆虫同好会)
 大分県におけるシータテハの季節型決定要因

全体のプログラムやアクセス等の詳細については、九州・沖縄昆虫研究会のウェブサイトをご覧ください。

タイムテーブル

12:00~
受付開始
13:00~13:05
開会の辞
13:05~13:30
九州・沖縄昆虫研究会および日本鱗翅学会九州支部総会
13:30~16:50
一般講演 (口頭発表&ポスター発表)
17:10~18:00
特別講演 (三宅 武/大分昆虫同好会)
18:00
閉会の辞
18:20~
懇親会 (B-Forêt ビ・フォーレ)
懇親会費: 一般5,000円,学生3,000円

申込・お問い合わせ

〒812-8581

福岡市東区箱崎 6-10-1

九州大学農学部昆虫学教室

広渡 俊哉・屋宜 禎央

E-mail:hirowat_tagr.kyushu-u.ac.jp | yagi.sadahisagmail.com

広渡 俊哉・屋宜 禎央

日本鱗翅学会

〒113-0001
東京都文京区白山 1-13-7
アクア白山ビル5F
勝美印刷株式会社内 日本鱗翅学会事務局
※ お問い合わせフォームより御連絡下さい。

鱗翅(りんし)というのは鱗翅目(チョウ目)Lepidopteraのことで、鱗粉のある翅を持った昆虫すなわちチョウやガの仲間です。この小さな生き物はその素晴しい魅力で古い時代から私たちをひきつけてきました。日本鱗翅学会はこのチョウやガを研究対象とする学術団体で、アマチュアから専門家まで幅広い層のメンバーが協力しながら活動しており、興味のある人は誰でも入会できる開かれた学会です。