ヒメクロオビフユナミシャク Operophtera crispifascia
(シャクガ科ナミシャク亜科)

寒冷期に活動するシャクガの仲間、いわゆる冬尺蛾のひとつ。山深いブナ林に生息する。木々の葉が黄色く色付きそして落葉する直前のひと時に限って出現し、同所的に見られる他の冬尺蛾よりも出現時期はやや早い。

冬尺蛾のメスはいずれも翅が縮小あるいは消失しており飛翔能力を持たないが、その中にあって本種のメスは相対的にかなり大きな翅をもつ。オスは低地~山地でよく見られるクロオビフユナミシャクに似る。しかし触角の櫛歯は本種の方がはるかに長く、識別は容易。

ブナの幹に本種のメスがとまっていると、中途半端な大きさの翅が幹表面に接して周囲に馴染み、小さなコブのように見える。コーリング(雌性フェロモンの放出)は午後7時頃に行われ、その時間帯には多数のオスがブナ林内を飛び交う。

撮影データ: 2015年10月17日 八甲田山(青森県)
撮影・文章: 工藤 誠也

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日本鱗翅学会

近畿支部第155回例会開催のご案内

2017年5月 3日公開

近畿支部第155回例会プログラムが確定いたしましたので、ご案内いたします。

日時・場所

主催:
日本鱗翅学会近畿支部
日時:
2017年5月14日(日) 13:00~14:15
会場:
大阪府立大学I-siteなんば2階会議室
最寄駅: 地下鉄「大国町」「恵美須町」、南海「難波」「今宮戎」
アクセス

プログラム

招待講演: 長田 庸平 (大阪市立自然史博物館)
I. 菌食性小蛾類の分類学的研究およびキノコ害虫の識別法
II. ミカドアゲハの日本産亜種の再検討と本土亜種の分布拡大
一般講演: 寺本 憲之 (滋賀県立大学/琵琶湖博物館)
宇宙ステーションをつくるオドリハマキモドキ(ハマキモドキガ科)の幼生期

アサギマダラプロジェクト公開シンポジウム

支部例会に引き続き最終回となる「アサギマダラプロジェクト公開シンポジウム」を開催しますのでぜひご参加下さい。

お申込・問い合わせ先

〒599-8531

大阪府堺市中区学園町 1-1

大阪府立大学大学院生命環境科学研究科
環境動物昆虫学研究室

竹内 剛(日本鱗翅学会近畿支部)

TEL:072-254-9413
FAX:072-254-9694
E-mail:ttt26715osakafu-u.ac.jp

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鱗翅(りんし)というのは鱗翅目(チョウ目)Lepidopteraのことで、鱗粉のある翅を持った昆虫すなわちチョウやガの仲間です。この小さな生き物はその素晴しい魅力で古い時代から私たちをひきつけてきました。日本鱗翅学会はこのチョウやガを研究対象とする学術団体で、アマチュアから専門家まで幅広い層のメンバーが協力しながら活動しており、興味のある人は誰でも入会できる開かれた学会です。