マエアカスカシノメイガ Palpita nigropunctalis
(ツトガ科ヒゲナガノメイガ亜科)

夏の暑さが過ぎ、本格的な秋の訪れを感じはじめる9月の早朝に、アベリアの花を訪れたマエアカスカシノメイガを見つけた。

半透明の白い翅と橙色の差し色が美しいガで、早春のまだ寒い時期から灯火やコンビニの灯りに成虫が集まる。幼虫が公園の生け垣や人家に植栽されるネズミモチやライラック、オリーブなど様々なモクセイ科植物を餌としているため、都市から山間部まで広い地域で成虫を目にする。

本種の成虫は真冬以外いつでも見られるような気がするのだが、実は複雑な生活史を持っており、成虫が見られる時期は意外に限られている。幼虫が暑さにも寒さにも弱いのか、あるいは春と秋だけ餌の状態がよいのか、幼虫の生育に適さない時期を休眠してやり過ごすようだ。夏は成虫で、冬は蛹でそれぞれ休眠するらしい(Gotoh et al. 2011, 後藤 2012)。

撮影データ: 2022年9月23日 鳥取県鳥取市
撮影・文章: 中 秀司

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日本鱗翅学会

『蝶と蛾』vol. 57, no. 1, p. 52 の訂正

2017年2月26日公開

『蝶と蛾』vol.57, no.1に校正落ちによるミスがありました。謹んでお詫び申し上げます。

p.52のカラー写真の中のFigs. 9-10が誤ってスキャニングされ、Fig. 9のところにFig. 8と同一の図が、また正しいFig. 9がFig. 10の位置に入ってしまいました。このため、Figs. 9-10がキャプションと合致しないうえ、正しいFig. 10は図示されていない状態です。

差替え用の正しい図版は、次号『蝶と蛾』57(2)に同封しましたが、同じものをJPEGとPDFで用意しましたので、ダウンロードしてご利用下さい。

    Kuroko H, Gaedike R (2006)  Epermeniidae of Japan (Lepidoptera, Epermenioidea*), with descriptions of six new species.  Trans. lepid. Soc. Japan 57(1): 49-69. [黒子 浩, Reinhard Gaedike (2006)  6新種の記載を含む日本のササベリガ科(鱗翅目, ササベリガ上科).  蝶と蛾 57(1): 49-69] の修正

  • 52ページ: 図版JPEG (JPEG|164KB)
  • 52ページ: 図版PDF (PDF|288KB)

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