ヒメクロオビフユナミシャク Operophtera crispifascia
(シャクガ科ナミシャク亜科)

寒冷期に活動するシャクガの仲間、いわゆる冬尺蛾のひとつ。山深いブナ林に生息する。木々の葉が黄色く色付きそして落葉する直前のひと時に限って出現し、同所的に見られる他の冬尺蛾よりも出現時期はやや早い。

冬尺蛾のメスはいずれも翅が縮小あるいは消失しており飛翔能力を持たないが、その中にあって本種のメスは相対的にかなり大きな翅をもつ。オスは低地~山地でよく見られるクロオビフユナミシャクに似る。しかし触角の櫛歯は本種の方がはるかに長く、識別は容易。

ブナの幹に本種のメスがとまっていると、中途半端な大きさの翅が幹表面に接して周囲に馴染み、小さなコブのように見える。コーリング(雌性フェロモンの放出)は午後7時頃に行われ、その時間帯には多数のオスがブナ林内を飛び交う。

撮影データ: 2015年10月17日 八甲田山(青森県)
撮影・文章: 工藤 誠也

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日本鱗翅学会

九州支部平成29年春の例会のお知らせ

2017年2月23日公開

この度、九州支部で日本鱗翅学会単独の例会を開催することになりました。これまで日本昆虫学会九州支部との合同大会に参加されたことのない方、高校生など会員外の方の参加も歓迎します。皆様お誘い合わせの上、お気軽にご参加ください。

日時・場所

日時:
2017年3月12日(日) 13:00~17:00
会場:
九州大学農学部1号館307号室
アクセス:
地下鉄貝塚駅より徒歩5分
参加費:
無料

プログラム

  • 末藤 清一: インドネシア、スラウェシ島のチョウ最新事情
  • 山口 諒: メナドヒメワモンの分類学的再検討とスラウェシの生物地理
  • 河野 晃太郎・板並 優佳・佐々木 公隆: 天拝公園とトラストの森の環境調査
  • 佐々木公隆: 福岡県のカトカラの記録
  • (休憩)
  • 屋宜 禎央: 日本産潜葉性小蛾類に関する新知見
  • 千葉 秀幸: 「所族未定」のセセリを仕分ける
  • 二町 一成: キオビエダシャク・イエローバンド型の出現状況について
  • 広渡 俊哉: 「白昼の妖精」ヒゲナガガに関する最近の話題
  • その他の話題

※ 例会終了後、簡単な懇親会の開催を予定しています。

お問い合わせ

〒812-8581 福岡市東区箱崎 6-10-1
九州大学農学部昆虫学教室
Tel: 092-642-2837
e-mail: hirowat_t@agr.kyushu-u.ac.jp

広渡 俊哉 (九州大学農学部)

日本鱗翅学会

〒113-0001
東京都文京区白山 1-13-7
アクア白山ビル5F
勝美印刷株式会社内 日本鱗翅学会事務局
※ お問い合わせフォームより御連絡下さい。

鱗翅(りんし)というのは鱗翅目(チョウ目)Lepidopteraのことで、鱗粉のある翅を持った昆虫すなわちチョウやガの仲間です。この小さな生き物はその素晴しい魅力で古い時代から私たちをひきつけてきました。日本鱗翅学会はこのチョウやガを研究対象とする学術団体で、アマチュアから専門家まで幅広い層のメンバーが協力しながら活動しており、興味のある人は誰でも入会できる開かれた学会です。