竹富町自然環境保護条例改正に係る意見の募集(パブリックコメント)について
2017年2月10日公開
日本鱗翅学会は、「竹富町自然環境保護条例改正に関する『希少野生動植物』、『特別希少野生動植物』及び『指定外来生物』の選定(案)に係る意見の募集(パブリックコメント)について」に関して、本学会の自然保護委員会および理事会の判断により、以下の意見を提出しました。
- 竹富町自然環境保護条例改正に係る意見の募集(パブリックコメント)について (PDF|99KB)
ヒメクロオビフユナミシャク Operophtera crispifascia
(シャクガ科ナミシャク亜科)
寒冷期に活動するシャクガの仲間、いわゆる冬尺蛾のひとつ。山深いブナ林に生息する。木々の葉が黄色く色付きそして落葉する直前のひと時に限って出現し、同所的に見られる他の冬尺蛾よりも出現時期はやや早い。
冬尺蛾のメスはいずれも翅が縮小あるいは消失しており飛翔能力を持たないが、その中にあって本種のメスは相対的にかなり大きな翅をもつ。オスは低地~山地でよく見られるクロオビフユナミシャクに似る。しかし触角の櫛歯は本種の方がはるかに長く、識別は容易。
ブナの幹に本種のメスがとまっていると、中途半端な大きさの翅が幹表面に接して周囲に馴染み、小さなコブのように見える。コーリング(雌性フェロモンの放出)は午後7時頃に行われ、その時間帯には多数のオスがブナ林内を飛び交う。
2017年2月10日公開
日本鱗翅学会は、「竹富町自然環境保護条例改正に関する『希少野生動植物』、『特別希少野生動植物』及び『指定外来生物』の選定(案)に係る意見の募集(パブリックコメント)について」に関して、本学会の自然保護委員会および理事会の判断により、以下の意見を提出しました。
鱗翅(りんし)というのは鱗翅目(チョウ目)Lepidopteraのことで、鱗粉のある翅を持った昆虫すなわちチョウやガの仲間です。この小さな生き物はその素晴しい魅力で古い時代から私たちをひきつけてきました。日本鱗翅学会はこのチョウやガを研究対象とする学術団体で、アマチュアから専門家まで幅広い層のメンバーが協力しながら活動しており、興味のある人は誰でも入会できる開かれた学会です。