シロシモフリエダシャク Biston melacron
(シャクガ科エダシャク亜科)

春の夜、シロシモフリエダシャクの雄がひっそりと街灯に飛来していた。

年に一化、春のみに出現するシャクガで、西日本に分布するが局地的で個体数も多くない。

本種の属するBiston属は灯火に飛来するのは雄ばかりで、雌はのきなみ珍品であるが、本種の雌はとりわけ得難いようで、寄主植物を含め幼生期は一切判明していない。山陰地方は本種が比較的多産し、筆者もこれまで多数の雄を見てきたが、雌には未だに謁見できていない。いつか雌を採集して飼育してみたい蛾の一つである。

撮影データ: 2021年4月14日 鳥取県鳥取市
撮影・文章: 松井 悠樹

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日本鱗翅学会

日本産チョウ類の衰亡と保護 第7集

2016年4月 3日公開

おかげさまで『日本産チョウ類の衰亡と保護第7集』が無事に発行されました。本書には、蝶・蛾類の日本における生息の現状や実践的な保護活動の事例報告など、2013年10月に東京で開催した自然保護セミナーの内容が掲載されています。また、四訂版となる最新の都道府県別蝶類レッドリストでは、初めて全47都道府県の情報を揃えることができました。本書のご購入は下記の案内に従ってお申し込みください。

また、お問い合わせにつきましては、本会事務局(03-3812-5223)までご連絡ください。

発行日:
2016年1月31日出版 A4版/352頁
編者:
矢後勝也・平井規央・神保宇嗣(日本鱗翅学会自然保護委員会)
頒価:
3,500円(外税、送料込)

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鱗翅(りんし)というのは鱗翅目(チョウ目)Lepidopteraのことで、鱗粉のある翅を持った昆虫すなわちチョウやガの仲間です。この小さな生き物はその素晴しい魅力で古い時代から私たちをひきつけてきました。日本鱗翅学会はこのチョウやガを研究対象とする学術団体で、アマチュアから専門家まで幅広い層のメンバーが協力しながら活動しており、興味のある人は誰でも入会できる開かれた学会です。