ヒメクロオビフユナミシャク Operophtera crispifascia
(シャクガ科ナミシャク亜科)

寒冷期に活動するシャクガの仲間、いわゆる冬尺蛾のひとつ。山深いブナ林に生息する。木々の葉が黄色く色付きそして落葉する直前のひと時に限って出現し、同所的に見られる他の冬尺蛾よりも出現時期はやや早い。

冬尺蛾のメスはいずれも翅が縮小あるいは消失しており飛翔能力を持たないが、その中にあって本種のメスは相対的にかなり大きな翅をもつ。オスは低地~山地でよく見られるクロオビフユナミシャクに似る。しかし触角の櫛歯は本種の方がはるかに長く、識別は容易。

ブナの幹に本種のメスがとまっていると、中途半端な大きさの翅が幹表面に接して周囲に馴染み、小さなコブのように見える。コーリング(雌性フェロモンの放出)は午後7時頃に行われ、その時間帯には多数のオスがブナ林内を飛び交う。

撮影データ: 2015年10月17日 八甲田山(青森県)
撮影・文章: 工藤 誠也

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日本鱗翅学会

日本鱗翅学会四国支部第21回例会のお知らせ

2016年2月10日公開

※終了しました。

毎年恒例となりました四国支部の例会を開催します。これまで参加されたことのない方、会員外で虫好きの方の参加も歓迎いたします。 そのほかの演題に余裕があるので飛び込みの講演や、標本の持込等もお待ちしております。 皆様お誘い合わせのうえ、是非ご参加ください。

日時・場所

日時
平成28年2月28日(日曜日) 11:00~17:00
場所
愛媛県総合科学博物館(高速いよ西条I.C.より約5分、交通アクセスはこちらを参照)
生涯学習棟 2階 第2研修室

プログラム

講演
「四国産アサマイチモンジの詳細報告」太田 喬三(愛媛)
「ウラナミジャノメの現状」林 弘(愛媛)
「『愛媛県チョウ類観察ガイドブック』の紹介」窪田聖一(愛媛)
※参加者には『愛媛県チョウ類観察ガイドブック』を差し上げます。
「高知県で近年多く発生した蛾の動向」真鍋 泰彦(高知)
「ウメスカシクロバの配偶行動:これまでわかっていることとこれから知りたいこと」小汐 千春(徳島)
「アサギマダラの移動に関する愛媛県の記録(2014年・2015年)」大西 剛(愛媛)
その他の話題
総会
評議員挨拶、評議員会報告、大会報告、自然保護委員会及び自然保護セミナー報告、会計報告、自由意見討論など

お問い合わせ

大西 剛
愛媛県総合科学博物館 学芸課
〒792-0060 愛媛県新居浜市大生院2133-2
TEL:0897-40-4109(代表)
email:ohnishi-tsuyoshi@pref.ehime.jp

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鱗翅(りんし)というのは鱗翅目(チョウ目)Lepidopteraのことで、鱗粉のある翅を持った昆虫すなわちチョウやガの仲間です。この小さな生き物はその素晴しい魅力で古い時代から私たちをひきつけてきました。日本鱗翅学会はこのチョウやガを研究対象とする学術団体で、アマチュアから専門家まで幅広い層のメンバーが協力しながら活動しており、興味のある人は誰でも入会できる開かれた学会です。