マエアカスカシノメイガ Palpita nigropunctalis
(ツトガ科ヒゲナガノメイガ亜科)

夏の暑さが過ぎ、本格的な秋の訪れを感じはじめる9月の早朝に、アベリアの花を訪れたマエアカスカシノメイガを見つけた。

半透明の白い翅と橙色の差し色が美しいガで、早春のまだ寒い時期から灯火やコンビニの灯りに成虫が集まる。幼虫が公園の生け垣や人家に植栽されるネズミモチやライラック、オリーブなど様々なモクセイ科植物を餌としているため、都市から山間部まで広い地域で成虫を目にする。

本種の成虫は真冬以外いつでも見られるような気がするのだが、実は複雑な生活史を持っており、成虫が見られる時期は意外に限られている。幼虫が暑さにも寒さにも弱いのか、あるいは春と秋だけ餌の状態がよいのか、幼虫の生育に適さない時期を休眠してやり過ごすようだ。夏は成虫で、冬は蛹でそれぞれ休眠するらしい(Gotoh et al. 2011, 後藤 2012)。

撮影データ: 2022年9月23日 鳥取県鳥取市
撮影・文章: 中 秀司

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日本鱗翅学会

近畿支部第151回例会開催のご案内

2015年5月 4日公開

※終了しました。

近畿支部第151回例会プログラムが確定いたしましたので、ご案内いたします。14時開始ですが、役員の皆様は13時半からお願いします。 今回は、関東支部の井上孝美さまを招き、ヒサマツミドリシジミの生態について講演していただきます。皆様ふるってご参加ください。会員以外の方のご参加も歓迎します。

日時・場所

日時
2015年5月9日(土)14:00~16:00
会場
I-siteなんば(大阪府立大学)
大阪市浪速区敷津東2丁目1番41
南海なんば第1ビル 2F S1室
地下鉄大国町駅・恵美須町駅より徒歩約7分、なんば駅より徒歩約15分

プログラム

招待講演(14:00~14:30)
「ヒサマツミドリ 生態解明の文化史と♀の繁殖戦略」井上孝美(関東支部)
連絡事項・休憩・I-siteなんば見学 (14:30~15:00)
一般講演(15:00~16:00)
1.「日本産メスハリオガ科Urodidaeについて」那須義次・宮野昭彦
2.「森林に生息する多様な鱗翅類の保護のための野生動物管理」寺本憲之(びわ湖の森の生き物研究会)
3.「博物画による江戸期京都周辺のチョウ相の推定-円山応挙の写生帖の解析-」吉田周
4.「CT撮影によるアサギマダラの飛翔筋と胸部外骨格の構造」平井規央・泉田啓・飯間信・横山直人

※13:30から近畿支部役員会を開催しますので、関係者の方はお集まり下さい。

※終了後に難波周辺で懇親会を予定しています。

お申込・問合せ先

日本鱗翅学会近畿支部
平井 規央
〒599-8531 大阪府堺市中区学園町1-1
大阪府立大学大学院 生命環境科学研究科
緑地環境科学専攻 環境動物昆虫学研究グループ
Tel:072-254-9413
Fax:072-254-9694
e-mail:n_hirai@envi.osakafu-u.ac.jp

日本鱗翅学会

〒113-0001
東京都文京区白山 1-13-7
アクア白山ビル5F
勝美印刷株式会社内 日本鱗翅学会事務局
※ お問い合わせフォームより御連絡下さい。

鱗翅(りんし)というのは鱗翅目(チョウ目)Lepidopteraのことで、鱗粉のある翅を持った昆虫すなわちチョウやガの仲間です。この小さな生き物はその素晴しい魅力で古い時代から私たちをひきつけてきました。日本鱗翅学会はこのチョウやガを研究対象とする学術団体で、アマチュアから専門家まで幅広い層のメンバーが協力しながら活動しており、興味のある人は誰でも入会できる開かれた学会です。