ヒメクロオビフユナミシャク Operophtera crispifascia
(シャクガ科ナミシャク亜科)

寒冷期に活動するシャクガの仲間、いわゆる冬尺蛾のひとつ。山深いブナ林に生息する。木々の葉が黄色く色付きそして落葉する直前のひと時に限って出現し、同所的に見られる他の冬尺蛾よりも出現時期はやや早い。

冬尺蛾のメスはいずれも翅が縮小あるいは消失しており飛翔能力を持たないが、その中にあって本種のメスは相対的にかなり大きな翅をもつ。オスは低地~山地でよく見られるクロオビフユナミシャクに似る。しかし触角の櫛歯は本種の方がはるかに長く、識別は容易。

ブナの幹に本種のメスがとまっていると、中途半端な大きさの翅が幹表面に接して周囲に馴染み、小さなコブのように見える。コーリング(雌性フェロモンの放出)は午後7時頃に行われ、その時間帯には多数のオスがブナ林内を飛び交う。

撮影データ: 2015年10月17日 八甲田山(青森県)
撮影・文章: 工藤 誠也

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日本鱗翅学会

近畿支部第151回例会開催のご案内

2015年5月 4日公開

※終了しました。

近畿支部第151回例会プログラムが確定いたしましたので、ご案内いたします。14時開始ですが、役員の皆様は13時半からお願いします。 今回は、関東支部の井上孝美さまを招き、ヒサマツミドリシジミの生態について講演していただきます。皆様ふるってご参加ください。会員以外の方のご参加も歓迎します。

日時・場所

日時
2015年5月9日(土)14:00~16:00
会場
I-siteなんば(大阪府立大学)
大阪市浪速区敷津東2丁目1番41
南海なんば第1ビル 2F S1室
地下鉄大国町駅・恵美須町駅より徒歩約7分、なんば駅より徒歩約15分

プログラム

招待講演(14:00~14:30)
「ヒサマツミドリ 生態解明の文化史と♀の繁殖戦略」井上孝美(関東支部)
連絡事項・休憩・I-siteなんば見学 (14:30~15:00)
一般講演(15:00~16:00)
1.「日本産メスハリオガ科Urodidaeについて」那須義次・宮野昭彦
2.「森林に生息する多様な鱗翅類の保護のための野生動物管理」寺本憲之(びわ湖の森の生き物研究会)
3.「博物画による江戸期京都周辺のチョウ相の推定-円山応挙の写生帖の解析-」吉田周
4.「CT撮影によるアサギマダラの飛翔筋と胸部外骨格の構造」平井規央・泉田啓・飯間信・横山直人

※13:30から近畿支部役員会を開催しますので、関係者の方はお集まり下さい。

※終了後に難波周辺で懇親会を予定しています。

お申込・問合せ先

日本鱗翅学会近畿支部
平井 規央
〒599-8531 大阪府堺市中区学園町1-1
大阪府立大学大学院 生命環境科学研究科
緑地環境科学専攻 環境動物昆虫学研究グループ
Tel:072-254-9413
Fax:072-254-9694
e-mail:n_hirai@envi.osakafu-u.ac.jp

日本鱗翅学会

〒113-0001
東京都文京区白山 1-13-7
アクア白山ビル5F
勝美印刷株式会社内 日本鱗翅学会事務局
※ お問い合わせフォームより御連絡下さい。

鱗翅(りんし)というのは鱗翅目(チョウ目)Lepidopteraのことで、鱗粉のある翅を持った昆虫すなわちチョウやガの仲間です。この小さな生き物はその素晴しい魅力で古い時代から私たちをひきつけてきました。日本鱗翅学会はこのチョウやガを研究対象とする学術団体で、アマチュアから専門家まで幅広い層のメンバーが協力しながら活動しており、興味のある人は誰でも入会できる開かれた学会です。