マエアカスカシノメイガ Palpita nigropunctalis
(ツトガ科ヒゲナガノメイガ亜科)

夏の暑さが過ぎ、本格的な秋の訪れを感じはじめる9月の早朝に、アベリアの花を訪れたマエアカスカシノメイガを見つけた。

半透明の白い翅と橙色の差し色が美しいガで、早春のまだ寒い時期から灯火やコンビニの灯りに成虫が集まる。幼虫が公園の生け垣や人家に植栽されるネズミモチやライラック、オリーブなど様々なモクセイ科植物を餌としているため、都市から山間部まで広い地域で成虫を目にする。

本種の成虫は真冬以外いつでも見られるような気がするのだが、実は複雑な生活史を持っており、成虫が見られる時期は意外に限られている。幼虫が暑さにも寒さにも弱いのか、あるいは春と秋だけ餌の状態がよいのか、幼虫の生育に適さない時期を休眠してやり過ごすようだ。夏は成虫で、冬は蛹でそれぞれ休眠するらしい(Gotoh et al. 2011, 後藤 2012)。

撮影データ: 2022年9月23日 鳥取県鳥取市
撮影・文章: 中 秀司

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日本鱗翅学会

近畿支部第150回例会・日本昆虫学会近畿支部2014年度大会開催のご案内

2014年12月 4日公開

※終了しました。

以下の通り、12月14日(日)の近畿支部例会プログラムが確定いたしましたので、ご案内いたします。会員以外の方のご参加も歓迎します。

日時・場所

主催
日本鱗翅学会近畿支部・日本昆虫学会近畿支部
共催
大阪市立自然史博物館
日時
2014年12月14日(日)10:30~17:55(10:00受付開始)
会場
大阪市立自然史博物館講堂(大阪市東住吉区)
http://www.mus-nh.city.osaka.jp/
参加費
1人100円

プログラム

日本昆虫学会近畿支部大会のページ(https://sites.google.com/site/entsockinki/)から要旨をダウンロードできます。

★◎のマークが付いている講演は、若手発表賞対象講演です。

10:30-10:35
挨拶
10:35-12:05
研究発表
1.★絶滅危惧種ウスイロヒョウモンモドキの遺伝的多様性の過去と今 標本の解析から明らかになったこと
○中浜直之*1・内田圭*2・丑丸敦史*2・井鷺裕司*1(*1 京都大院・農、*2神戸大院・人間発達環境)
2.★チョウ目昆虫幼虫の農薬感受性リズムの解析
○江木雄一・坂本克彦(神戸大・農)
3.★野外のナミニクバエの体温と熱ショックタンパク質の発現
○原田惠理・後藤慎介(大阪市大・理・情報生物)
4.★外部形態および分子マーカーを用いたミヤマアカネ幼虫の同定手法の開発
○東川航*1・吉村真由美*2・八木剛*3・前藤薫*4(*1神戸大・農、*2森林総研、*3人と自然の博物館、*4神戸大院・農)
5.★ギンケハラボソコマユバチに対するスジコナマダラメイガの寄主適合性の評価
-仲野想子・前藤薫(神戸大院・農)
6.★鱗翅目幼虫の発育に伴う糸登り行動の変化
-花谷郁美・前藤薫(神戸大院・農)
12:05-13:00
昼食休憩 、昆虫学会近畿支部・鱗翅学会近畿支部役員会
13:00-13:40
招待講演「昆虫の観察から生態学へ:森林における昆虫の役割を調べる」
杉浦真治(神戸大学大学院 農学研究科 生命機能科学専攻 農環境生物学 昆虫多様性生態学研究室)
13:40-14:25
研究発表
7.橿原市におけるムラサキツバメとテングチョウの発生状況
林太郎(鱗翅学会・近畿))
8.ミャンマー・ナガヒルの最高峰サラマティ山(標高3826m)の自然
渡辺康之((有)NRC、鱗翅学会・近畿)
9.A taxonomic revision of the genus Conogethes (Crambidae, Pyraustinae) in Thailand (タイ産Conogethes 属(ツトガ科、ノメイガ亜科)の分類学的再検討)
Sunadda Chaovalit・吉安 裕・平井規央・石井 実 (大阪府大院・生命)
14:25-14:45
休憩(ポスター発表コアタイム)
14:45-16:15
研究発表
10.★産卵選好性遺伝子座は成育適性遺伝子座と連鎖しているか:クルミホソガを用いたアプローチ
-小林正幸(京都府大・生命環境),大島一正 (京都府大・院生命環境)
11.★ワタナベコマユバチ(膜翅目:コマユバチ科) の寄主範囲を規定する至近要因の探索
-有吉恵子(京都府大・生命環境),河村友祐,大島一正 (京都府大・院生命環境)
12.★対馬における外来種ツマアカスズメバチの帰化状況とミツバチの捕食行動調査
-高橋稜一*1・清拓哉*2・高橋純一*1(*1京産大・総合生命、*2国立科学博物館)
13.★都市公園と森林公園の節足動物相比較 ―ゴキブリは都市に多いのか―
-大塩拓美・杉浦真治(神戸大・農)
14.★南西諸島におけるセスジアメンボの集団構造に関する予備的解析
-広岡佑太・大島一正(京都府大・院生命環境)
15.★大阪府から発見されたコウラコマユバチAscogaster属の1新種
-藤江隼平(大阪市博・外来研)・前藤 薫(神戸大院・農)
16:15-16:25
休憩
16:25-17:55
研究発表
16.◎鴻応山におけるギフチョウ個体群の補強の効果と飼育系統保存の課題
吉村忠浩*1・竹内剛*1・森地重博*1・Anja Sliwa*2・石井実*1(*1鱗翅学会・近畿、*2吹田市)
17.ダンダラテントウの分布北上と分布を規定する気候要因
河上康子(大阪市博・外来研)・山崎一夫(大阪市環科研)・大橋和典(豊中市)
18.西表島と宮古島のリュウキュウアカショウビンの巣に発生するヒロズコガ
那須義次*1*2・村濱史郎*3・松室裕之*3・上田恵介*4(*1鱗翅学会・近畿、*2大阪府農政室、*3日本バードレスキュー協会、*4立教大学)
19.エゾオオマルハナバチの室内飼育コロニーによるトマト訪花試験
高橋純一*1・竹内剛*2・中川修一郎*3・手塚俊行*3・野村哲郎*1(*1京産大・総合生命、*2大阪府大院・生命、*3(株)アグリ総研)
20.ホソガ科(鱗翅目)の繭上に見られる顆粒について
大島一正(京都府大・院生命環境)
21.沿海州と北海道のエゾスジグロシロチョウの発香鱗の個体差について(おもに渡辺康之氏からの提供標本から)
松田真平(鱗翅学会・近畿)
17:55
閉会
ポスター発表
P1.インドネシア・スラウェシ島から得られたオオナガケシデオキノコムシ属Scaphicoma (コウチュウ目, ハネカクシ科, デオキノコムシ亜科) の生物地理
小川 遼(神戸大院・農・昆虫)
P2.カシノナガキクイムシの効果的防除方法の一例
今城香代子(池田・人と自然の会)・金沢 至(大阪市自然史博)
P3.アサギマダラの南下移動コースに関する仮説
金沢 至・伊藤雅男・福村拓己(アサギマダラの会)
P4.近畿地方におけるアカハネオンブバッタ移入個体群の分布拡大と由来
松本吏樹郎(大阪自然史博)
P5.クリオオアブラムシの周年経過について
宮田 彬(琵琶湖博物館研究協力員)
P6.シラカシムネアブラムシの周年経過について
宮田 彬(琵琶湖博物館研究協力員)

発表者の方へのお願い

すべてのプログラムは一般公開です。

1講演あたり 15分(発表12分、質疑3分)を厳守願います。予鈴10分、本鈴12分、終鈴15分で時間をお知らせします。講演取り消しがあった場合は時間を繰り上げず、空き時間とします。

発表終了者には、次の講演の座長をお願いします。午前と午後の最初の講演の座長は、事務局で対応します。

口頭発表は、原則として、Microsoft Power PointまたはPDFファイルによる発表とし、機器の操作はご自身で行っていただきます。講演者の個人パソコンを繋ぐことができますが、必ずお昼休憩時等に動作確認をして下さい。Windows搭載のパソコンを1台用意します(他のOSで作成された場合にはレイアウトが崩れるなどの問題が起こりますのでご注意下さい)。データを当日持参される場合は、USBメモリ、CD-R等で持参し、発表時に、自身でパソコンに接続してください(こちらも事前の動作確認をお願いします)。発表データをあらかじめ事務局宛に送付いただけると、時間の節約とトラブル防止に役立ちます。終了後確実にデータを消去しますので、可能な方は、前々日までに、電子メールの添付ファイル(数メガ以内の場合)または「データ便」などのサービスを利用し、大阪市立自然史博物館・松本まで、データを送信ください。

ポスター発表、標本等展示も、講堂前で行います。ポスター用パネルは90cm幅x180cm長です。発表者ご自身で展示ください。画鋲等はご用意します。

諸連絡

館内に食堂はありませんが、隣接する花と緑と自然の情報センターには軽食コーナーがあります。その他、通用口周辺に、すき家、ほか弁、コンビニがあります。講堂周辺での飲食はできません。集会室(休憩室)での飲食は可能です。

標本、各種配布物、研究室 PR 等も展示いただけます。展示希望の方は、あらかじめご一報いただけると助かります。

受付は10:00から、講堂前で行います。

学会員の方は、博物館南側通用口でこのメールのプリントアウトを呈示して入館ください。入場券の購入は不要です。受付で茶菓代( 1人100円)をお支払い下さい。

展示をご覧になる方はカウンターで入館券をご購入下さい。

館内では受付でお渡しするリボンを見やすい場所に必ずお付け下さい。

学会会員以外の方も聴講できますが通常の入り口から入場(大人300円)ください。

交通案内

公共交通機関ご利用
地下鉄御堂筋線「長居(ながい)」駅
南改札口3号出口から東へ約800m
JR阪和線「長居」駅 東出口から東へ約1km
近鉄南大阪線「矢田」駅 西へ約1.8km
大阪市バス4系統、24系統、40系統「長居東2」停留所
自家用車ご利用
南駐車場(最寄)、地下駐車場、中央駐車場(大型バス・自動二輪可)があります。
長居公園地下駐車場TEL:06-4700-4580

お申込・問合せ先

日本鱗翅学会近畿支部
平井 規央
大阪府立大学大学院 生命環境科学研究科
緑地環境科学専攻 緑地保全・創成学講座
〒599-8531 大阪府堺市中区学園町1-1
Tel: 072-254-9413
Fax: 072-254-9694
e-mail:n_hirai@envi.osakafu-u.ac.jp
日本昆虫学会近畿支部
松本吏樹郎
大阪市立自然史博物館 昆虫研究室
〒546-0034 大阪市東住吉区 長居公園1-23
TEL: 06-6697-6221
FAX: 06-6697-6225
e-mail:rikio@mus-nh.city.osaka.jp

日本鱗翅学会

〒113-0001
東京都文京区白山 1-13-7
アクア白山ビル5F
勝美印刷株式会社内 日本鱗翅学会事務局
※ お問い合わせフォームより御連絡下さい。

鱗翅(りんし)というのは鱗翅目(チョウ目)Lepidopteraのことで、鱗粉のある翅を持った昆虫すなわちチョウやガの仲間です。この小さな生き物はその素晴しい魅力で古い時代から私たちをひきつけてきました。日本鱗翅学会はこのチョウやガを研究対象とする学術団体で、アマチュアから専門家まで幅広い層のメンバーが協力しながら活動しており、興味のある人は誰でも入会できる開かれた学会です。