ヒメクロオビフユナミシャク Operophtera crispifascia
(シャクガ科ナミシャク亜科)

寒冷期に活動するシャクガの仲間、いわゆる冬尺蛾のひとつ。山深いブナ林に生息する。木々の葉が黄色く色付きそして落葉する直前のひと時に限って出現し、同所的に見られる他の冬尺蛾よりも出現時期はやや早い。

冬尺蛾のメスはいずれも翅が縮小あるいは消失しており飛翔能力を持たないが、その中にあって本種のメスは相対的にかなり大きな翅をもつ。オスは低地~山地でよく見られるクロオビフユナミシャクに似る。しかし触角の櫛歯は本種の方がはるかに長く、識別は容易。

ブナの幹に本種のメスがとまっていると、中途半端な大きさの翅が幹表面に接して周囲に馴染み、小さなコブのように見える。コーリング(雌性フェロモンの放出)は午後7時頃に行われ、その時間帯には多数のオスがブナ林内を飛び交う。

撮影データ: 2015年10月17日 八甲田山(青森県)
撮影・文章: 工藤 誠也

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日本鱗翅学会

近畿支部 2014年度三草山ゼフィルス調査会のご案内

2014年6月10日公開

※終了しました。

さて、今年もゼフィルスの時期となりましたが、例年通り以下の調査会を予定しておりますので、ぜひご参加ください。参加される方は、メール等でご連絡いただけると幸いです。会員以外の方のご参加も歓迎します。

日時
2014年6月21日(土)(予備日6月22日(日))
場所
大阪府豊能郡能勢町三草山
集合
午前9時30分に能勢電鉄「日生中央」駅改札口
持物
採集用具、弁当、飲み物、筆記用具、雨具等。
注意
当日の大阪府北部の降水確率が50%以上の場合は中止。
問合せ先
〒599-8531 堺市中区学園町1-1
大阪府立大学 生命環境科学研究科 平井規央
Tel(大学):072-254-9413
Fax:072-254-9694
e-mail:n_hirai@envi.osakafu-u.ac.jp

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鱗翅(りんし)というのは鱗翅目(チョウ目)Lepidopteraのことで、鱗粉のある翅を持った昆虫すなわちチョウやガの仲間です。この小さな生き物はその素晴しい魅力で古い時代から私たちをひきつけてきました。日本鱗翅学会はこのチョウやガを研究対象とする学術団体で、アマチュアから専門家まで幅広い層のメンバーが協力しながら活動しており、興味のある人は誰でも入会できる開かれた学会です。