ヒメクロオビフユナミシャク Operophtera crispifascia
(シャクガ科ナミシャク亜科)

寒冷期に活動するシャクガの仲間、いわゆる冬尺蛾のひとつ。山深いブナ林に生息する。木々の葉が黄色く色付きそして落葉する直前のひと時に限って出現し、同所的に見られる他の冬尺蛾よりも出現時期はやや早い。

冬尺蛾のメスはいずれも翅が縮小あるいは消失しており飛翔能力を持たないが、その中にあって本種のメスは相対的にかなり大きな翅をもつ。オスは低地~山地でよく見られるクロオビフユナミシャクに似る。しかし触角の櫛歯は本種の方がはるかに長く、識別は容易。

ブナの幹に本種のメスがとまっていると、中途半端な大きさの翅が幹表面に接して周囲に馴染み、小さなコブのように見える。コーリング(雌性フェロモンの放出)は午後7時頃に行われ、その時間帯には多数のオスがブナ林内を飛び交う。

撮影データ: 2015年10月17日 八甲田山(青森県)
撮影・文章: 工藤 誠也

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日本鱗翅学会

ムシャクロツバメシジミ駆除大作戦募集

2014年3月 3日公開

※終了しました。

皆さま

NHKで報道されましたので、ご存知の方がみえるかもしれませんが、添付、下記の通り外来のチョウ「ムシャクロツバメシジミ」の駆除大作戦を実施します(添付資料参照)。このムシャクロツバメシジミは、日本で初めて名古屋市で見つかった外来のチョウで、広がると在来種クロツバメシジミに問題を起こす可能性のあるチョウです。しかも現在屋上緑化として広く使われようとしている外来のセダム(ツルマンネングサなど)を食べるため、今後人為的に広がる可能性が心配されます。しかし今でしたら、確認されている発生地区が限られており、日本で初めての外来種の根絶も夢ではない状況です。もし根絶できましたら、これは極めて画期的なことです。当日は「楽しく、ちょっぴり学び、しっかり駆除を」を目指しており、東大の矢後勝也博士をはじめ、小笠原グリーンアノール、アメリカザリガニ駆除などに活躍されている神奈川県立生命の星・地球博物館の苅部治紀主任学芸員、植物図鑑の著者など多彩な方からお話をいただくことになっています。個人でも団体でも、お子様も(小学生以下は保護者要同伴)ご参加できます。根絶の一翼を担っていただけるよう、ぜひご参加ください。

外来のチョウ駆除大作戦(添付資料)

東海支部 間野隆裕(ムシャクロツバメシジミ問題検討会委員長)

日本鱗翅学会

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鱗翅(りんし)というのは鱗翅目(チョウ目)Lepidopteraのことで、鱗粉のある翅を持った昆虫すなわちチョウやガの仲間です。この小さな生き物はその素晴しい魅力で古い時代から私たちをひきつけてきました。日本鱗翅学会はこのチョウやガを研究対象とする学術団体で、アマチュアから専門家まで幅広い層のメンバーが協力しながら活動しており、興味のある人は誰でも入会できる開かれた学会です。