シロシモフリエダシャク Biston melacron
(シャクガ科エダシャク亜科)

春の夜、シロシモフリエダシャクの雄がひっそりと街灯に飛来していた。

年に一化、春のみに出現するシャクガで、西日本に分布するが局地的で個体数も多くない。

本種の属するBiston属は灯火に飛来するのは雄ばかりで、雌はのきなみ珍品であるが、本種の雌はとりわけ得難いようで、寄主植物を含め幼生期は一切判明していない。山陰地方は本種が比較的多産し、筆者もこれまで多数の雄を見てきたが、雌には未だに謁見できていない。いつか雌を採集して飼育してみたい蛾の一つである。

撮影データ: 2021年4月14日 鳥取県鳥取市
撮影・文章: 松井 悠樹

閉じる

日本鱗翅学会

日本学術会議公開シンポジウム「昆虫分類学の新たな挑戦」開催のご連絡

2013年6月20日公開

※終了しました。

日本鱗翅学会を含む国内の昆虫学関連の16学協会が所属する日本昆虫科学連合が主催する公開シンポジウムが、以下の日程で開催されますので、ご案内申し上げます。 今回の開催場所は、福岡県(九州大学)とやや遠地になりますが、出席可能な会員の皆様には奮ってご参加いただきますよう、ご連絡申し上げます。(担当理事 岩野秀俊)

シンポジウム案内(PDF)

昆虫分類学は、応用昆虫学また生物多様性科学の基礎的分野として、きわめて重要です。 現在のところ国内の昆虫分類学の研究遂行力は決して衰えていないものの、大学研究室の研究勢力は残念ながら後退しており、その一方で、大学博物館を含めた自然史博物館機能の拡充は進んでいないという深刻な状況にあります。 そこで、日本昆虫科学連合では、日本学術会議農学委員会応用昆虫学分科会との主催で、「昆虫分類学の新たな挑戦」と題して公開シンポジウムを開催致します。 昆虫標本やDNAバーコーディングによる情報基盤の構築や人材養成から、分類学が拓くバイオミメティクスまで、Paul D. N. Hebert先生、伊藤元己先生はじめ連合の先生方にご講演頂き、昆虫分類学の現状と将来を議論し、将来展望を図ることが、本シンポジウムの趣旨です。奮ってご参加下さい。

日本鱗翅学会

〒113-0001
東京都文京区白山 1-13-7
アクア白山ビル5F
勝美印刷株式会社内 日本鱗翅学会事務局
※ お問い合わせフォームより御連絡下さい。

鱗翅(りんし)というのは鱗翅目(チョウ目)Lepidopteraのことで、鱗粉のある翅を持った昆虫すなわちチョウやガの仲間です。この小さな生き物はその素晴しい魅力で古い時代から私たちをひきつけてきました。日本鱗翅学会はこのチョウやガを研究対象とする学術団体で、アマチュアから専門家まで幅広い層のメンバーが協力しながら活動しており、興味のある人は誰でも入会できる開かれた学会です。