ヒメクロオビフユナミシャク Operophtera crispifascia
(シャクガ科ナミシャク亜科)

寒冷期に活動するシャクガの仲間、いわゆる冬尺蛾のひとつ。山深いブナ林に生息する。木々の葉が黄色く色付きそして落葉する直前のひと時に限って出現し、同所的に見られる他の冬尺蛾よりも出現時期はやや早い。

冬尺蛾のメスはいずれも翅が縮小あるいは消失しており飛翔能力を持たないが、その中にあって本種のメスは相対的にかなり大きな翅をもつ。オスは低地~山地でよく見られるクロオビフユナミシャクに似る。しかし触角の櫛歯は本種の方がはるかに長く、識別は容易。

ブナの幹に本種のメスがとまっていると、中途半端な大きさの翅が幹表面に接して周囲に馴染み、小さなコブのように見える。コーリング(雌性フェロモンの放出)は午後7時頃に行われ、その時間帯には多数のオスがブナ林内を飛び交う。

撮影データ: 2015年10月17日 八甲田山(青森県)
撮影・文章: 工藤 誠也

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日本鱗翅学会

第147回近畿支部例会と日本鱗翅学会アサギマダラプロジェクト公開シンポジウムのご案内

2013年5月 2日公開

※終了しました。

下記のとおり第142回例会・アサギマダラプロジェクト公開シンポジウムを開催しますので、多数の方のご参加をお願い申し上げます。会員以外の方のご参加も歓迎します。

日時・場所

主催
日本鱗翅学会近畿支部、渡りチョウを調べる会
日時
2013年5月11日(土)13:00~17:00
会場
I-siteなんば(大阪府立大学)
※いつもと会場が違います。長居・中百舌鳥ではありません。
大阪市浪速区敷津東2丁目1番41 南海なんば第1ビル 2F
地下鉄大国町駅・恵美須町駅より徒歩約7分、なんば駅より徒歩約15分

講演(13:00~15:00)

1.橿原市昆虫館の里山の昆虫調査結果-2012年のチョウのルートセンサスから-
宮武頼夫
2.アイチベルガー(Eitschberger)、1983を読む(エゾスジグロシロチョウP. napi発香鱗の形態数量化の試み)
松田真平
3.シジュウカラの巣箱内で共存するヒロズコガとアリ
○那須義次・大門 聖・上田恵介・村濱史郎・松室裕之
4.太陽光によるツマグロキチョウの翅の変色
○棚橋一郎・御船藤志・平井規央・石井 実
5.リュウキュウムラサキの赤斑型の斑紋の変異について
池田比呂志
6.日本産ムモンハモグリガ科数種の分類と生活史
○小林茂樹・広渡俊哉
7.環境省4次リストと大阪府レッドリスト改訂版のチョウ類
石井実・○平井規央

日本鱗翅学会アサギマダラプロジェクト公開シンポジウム(15:00~17:00)

1.真夏の大分・九重山系に集うアサギマダラ
福村拓己(長州アサギマダラの会)
2.2012年のアサギマダラの調査成果報告
金沢 至(大阪市立自然史博物館)
3.総合討論

※10:45から渡りチョウを調べる会総会・運営委員会を、12:00から近畿支部役員会を開催しますので、それぞれの関係者の方はお集まり下さい。

※例会終了後に難波周辺で懇親会を開催します。参加ご希望の方は人数を把握するために事前に平井(e-mail:n_hirai@envi.osakafu-u.ac.jp)までご連絡ください。当日参加もOKです。

お問い合わせ

平井・石井
072-254-9413(大阪府立大学昆虫学研究室)
e-mail:n_hirai@envi.osakafu-u.ac.jp(平井規央)

日本鱗翅学会

〒113-0001
東京都文京区白山 1-13-7
アクア白山ビル5F
勝美印刷株式会社内 日本鱗翅学会事務局
※ お問い合わせフォームより御連絡下さい。

鱗翅(りんし)というのは鱗翅目(チョウ目)Lepidopteraのことで、鱗粉のある翅を持った昆虫すなわちチョウやガの仲間です。この小さな生き物はその素晴しい魅力で古い時代から私たちをひきつけてきました。日本鱗翅学会はこのチョウやガを研究対象とする学術団体で、アマチュアから専門家まで幅広い層のメンバーが協力しながら活動しており、興味のある人は誰でも入会できる開かれた学会です。