ヒメクロオビフユナミシャク Operophtera crispifascia
(シャクガ科ナミシャク亜科)

寒冷期に活動するシャクガの仲間、いわゆる冬尺蛾のひとつ。山深いブナ林に生息する。木々の葉が黄色く色付きそして落葉する直前のひと時に限って出現し、同所的に見られる他の冬尺蛾よりも出現時期はやや早い。

冬尺蛾のメスはいずれも翅が縮小あるいは消失しており飛翔能力を持たないが、その中にあって本種のメスは相対的にかなり大きな翅をもつ。オスは低地~山地でよく見られるクロオビフユナミシャクに似る。しかし触角の櫛歯は本種の方がはるかに長く、識別は容易。

ブナの幹に本種のメスがとまっていると、中途半端な大きさの翅が幹表面に接して周囲に馴染み、小さなコブのように見える。コーリング(雌性フェロモンの放出)は午後7時頃に行われ、その時間帯には多数のオスがブナ林内を飛び交う。

撮影データ: 2015年10月17日 八甲田山(青森県)
撮影・文章: 工藤 誠也

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日本鱗翅学会

日本昆虫科学連合公開シンポジウム「新時代の昆虫科学を拓く 3」

2012年7月14日公開

※終了しました。

日本鱗翅学会 会員各位

日本鱗翅学会も加盟している昆虫科学連合より公開シンポジウムの連絡がありましたのでお知らせ致します。どなたでも無料でご参加いただけますので多くの方にご参加いただきたいと存じます。

日本鱗翅学会本部幹事:岩野秀俊

主催・日時・場所・参加費

主催
日本学術会議農学委員会応用昆虫学分科会、日本昆虫科学連合
日時
2012年7月14日(土)13:00-17:20
場所
東京大学弥生講堂 一条ホール(東京都文京区弥生1-1-1)
参加費
無料、事前登録不要

開催趣旨

わが国における昆虫科学研究者の連携とコミュニティーの再構築を目指し、平成22年7月に「日本昆虫科学連合」が設立された。この連合は、自由で活発な学術情報の交換を通して、昆虫科学の一層の発展を支える基盤となることが期待されている。今回の公開シンポジウムは、昨年・一昨年の公開シンポジウムに引き続き、加盟学協会それぞれの目指す昆虫科学研究の最先端を紹介するとともに、学協会間の相互理解を深めることを目的とする。

プログラム(予定)

開会(13:00)
日本昆虫科学連合活動報告(13:05-13:20)
山下 興亜(日本学術会議連携会員、中部大学学長)
応用昆虫学分科会活動報告(13:20-13:35)
嶋田 透(日本学術会議第二部会員、東京大学大学院農学生命科学研究科教授)
講演(13:35-17:15)
1)昆虫走光性の新たな理解 - 光に誘引される行動メカニズムとその適応的意義
弘中満太郎(浜松医科大学 医学部 特任助教:日本比較生理生化学)
2)クモの円網の形はなぜ真円でないのか?
中田 兼介(京都女子大学 准教授:日本蜘蛛学会)
3)駆除したスズメバチの巣から新シルク素材
亀田 恒徳(農業生物資源研究所 主任研究員:日本野蚕学会)
4)産業害虫としてのチャバネゴキブリの生態と防除
田原 雄一郎((株)フジ環境サービス 学術顧問:日本ペストロジー学会)
5)飛ばないテントウムシを利用した生物的防除
世古 智一(農業・食品産業技術総合研究機構 近畿中国四国農業研究センター 主任研究員:日本応用動物昆虫学会)
閉会(17:20)

*時間・講演者・講演順などは若干変更する可能性があります。

問い合わせ先

日本昆虫科学連合 事務局長
日本 典秀(Norihide HINOMOTO)
独立行政法人 農業・食品産業技術総合研究機構 中央農業総合研究センター 病害虫研究領域
〒305-8666 茨城県つくば市観音台3-1-1
E-mail:nhinomoto@insect-sciences.jp
Tel:029-838-8939
Fax:029-838-8837

日本鱗翅学会

〒113-0001
東京都文京区白山 1-13-7
アクア白山ビル5F
勝美印刷株式会社内 日本鱗翅学会事務局
※ お問い合わせフォームより御連絡下さい。

鱗翅(りんし)というのは鱗翅目(チョウ目)Lepidopteraのことで、鱗粉のある翅を持った昆虫すなわちチョウやガの仲間です。この小さな生き物はその素晴しい魅力で古い時代から私たちをひきつけてきました。日本鱗翅学会はこのチョウやガを研究対象とする学術団体で、アマチュアから専門家まで幅広い層のメンバーが協力しながら活動しており、興味のある人は誰でも入会できる開かれた学会です。