マエアカスカシノメイガ Palpita nigropunctalis
(ツトガ科ヒゲナガノメイガ亜科)

夏の暑さが過ぎ、本格的な秋の訪れを感じはじめる9月の早朝に、アベリアの花を訪れたマエアカスカシノメイガを見つけた。

半透明の白い翅と橙色の差し色が美しいガで、早春のまだ寒い時期から灯火やコンビニの灯りに成虫が集まる。幼虫が公園の生け垣や人家に植栽されるネズミモチやライラック、オリーブなど様々なモクセイ科植物を餌としているため、都市から山間部まで広い地域で成虫を目にする。

本種の成虫は真冬以外いつでも見られるような気がするのだが、実は複雑な生活史を持っており、成虫が見られる時期は意外に限られている。幼虫が暑さにも寒さにも弱いのか、あるいは春と秋だけ餌の状態がよいのか、幼虫の生育に適さない時期を休眠してやり過ごすようだ。夏は成虫で、冬は蛹でそれぞれ休眠するらしい(Gotoh et al. 2011, 後藤 2012)。

撮影データ: 2022年9月23日 鳥取県鳥取市
撮影・文章: 中 秀司

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日本鱗翅学会

日本鱗翅学会四国支部第17回例会のお知らせ

2012年2月22日公開

※終了しました。

毎年恒例となりました四国支部の例会を開催します。特に参加申し込みなどは行っていませんので、当日お気軽に御参加下さい。

日時
2012年2月26日(日曜日)11:00-17:00(予定)
場所
愛媛県総合科学博物館(高速いよ西条I.C.より約5分)
交通アクセスはこちらを参照
生涯学習棟3階会議室

本年は以下のような演題を予定しています。

テーマ講演「四国におけるタテハチョウ類の最近の動向」

「愛媛県のオオムラサキ」
林 弘(愛媛)
「香川県のタテハチョウ類の現状」
出嶋 利明(香川)
「徳島県のタテハチョウ類の現状」
大原 賢二・○山田 量崇・小川 昌彦(徳島)
総合討論
講演者以外の方からも情報をお寄せ頂き、併せて議論したいと思います

そのほかの演題

「四国のLaelia属はスゲドクガ」
増井 武彦(香川)
「キウイフルーツを加害するキクビスカシバ」
○窪田 聖一(愛媛)・中 秀司(鳥取大学)
「与那国島2011年5月の蛾」
真鍋 泰彦(高知)

この他にも飛び入りでの情報提供や、標本の持ち込み等もお待ちしております。皆様お誘いあわせの上、ぜひご参加ください。

お問い合わせ
大西 剛
〒792-0060
愛媛県総合科学博物館
TEL:0897-40-4109(代表)
Fax:0897-40-4101
email:ohnishi-tsuyoshi@pref.ehime.jp

日本鱗翅学会

〒113-0001
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アクア白山ビル5F
勝美印刷株式会社内 日本鱗翅学会事務局
※ お問い合わせフォームより御連絡下さい。

鱗翅(りんし)というのは鱗翅目(チョウ目)Lepidopteraのことで、鱗粉のある翅を持った昆虫すなわちチョウやガの仲間です。この小さな生き物はその素晴しい魅力で古い時代から私たちをひきつけてきました。日本鱗翅学会はこのチョウやガを研究対象とする学術団体で、アマチュアから専門家まで幅広い層のメンバーが協力しながら活動しており、興味のある人は誰でも入会できる開かれた学会です。