シロシモフリエダシャク Biston melacron
(シャクガ科エダシャク亜科)

春の夜、シロシモフリエダシャクの雄がひっそりと街灯に飛来していた。

年に一化、春のみに出現するシャクガで、西日本に分布するが局地的で個体数も多くない。

本種の属するBiston属は灯火に飛来するのは雄ばかりで、雌はのきなみ珍品であるが、本種の雌はとりわけ得難いようで、寄主植物を含め幼生期は一切判明していない。山陰地方は本種が比較的多産し、筆者もこれまで多数の雄を見てきたが、雌には未だに謁見できていない。いつか雌を採集して飼育してみたい蛾の一つである。

撮影データ: 2021年4月14日 鳥取県鳥取市
撮影・文章: 松井 悠樹

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日本鱗翅学会

与那国島への自衛隊配備計画に関わる要望書

2012年1月10日公開

与那国島には、2011年2月に「種の保存法」における国内希少野生動植物種に指定されたばかりのヨナグニマルバネクワガタやフチトリゲンゴロウをはじめ、多くの固有種・固有亜種の昆虫が生息していますが、陸上自衛隊の配備計画が進んでおり、危機にさらされる恐れがあります。そこで、日本鱗翅学会は、日本昆虫学会と連携し、日本甲虫学会、日本昆虫分類学会、日本トンボ学会とともに、同島の生態系に対する影響を最小限におさえるよう、環境大臣、防衛大臣、沖縄県知事、与那国町長に要望書を提出しました。

2012年1月4日
自然保護委員長 石井 実

日本鱗翅学会

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鱗翅(りんし)というのは鱗翅目(チョウ目)Lepidopteraのことで、鱗粉のある翅を持った昆虫すなわちチョウやガの仲間です。この小さな生き物はその素晴しい魅力で古い時代から私たちをひきつけてきました。日本鱗翅学会はこのチョウやガを研究対象とする学術団体で、アマチュアから専門家まで幅広い層のメンバーが協力しながら活動しており、興味のある人は誰でも入会できる開かれた学会です。