マエアカスカシノメイガ Palpita nigropunctalis
(ツトガ科ヒゲナガノメイガ亜科)

夏の暑さが過ぎ、本格的な秋の訪れを感じはじめる9月の早朝に、アベリアの花を訪れたマエアカスカシノメイガを見つけた。

半透明の白い翅と橙色の差し色が美しいガで、早春のまだ寒い時期から灯火やコンビニの灯りに成虫が集まる。幼虫が公園の生け垣や人家に植栽されるネズミモチやライラック、オリーブなど様々なモクセイ科植物を餌としているため、都市から山間部まで広い地域で成虫を目にする。

本種の成虫は真冬以外いつでも見られるような気がするのだが、実は複雑な生活史を持っており、成虫が見られる時期は意外に限られている。幼虫が暑さにも寒さにも弱いのか、あるいは春と秋だけ餌の状態がよいのか、幼虫の生育に適さない時期を休眠してやり過ごすようだ。夏は成虫で、冬は蛹でそれぞれ休眠するらしい(Gotoh et al. 2011, 後藤 2012)。

撮影データ: 2022年9月23日 鳥取県鳥取市
撮影・文章: 中 秀司

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日本鱗翅学会

近畿支部第142回例会・アサギマダラプロジェクト公開シンポジウムのご案内

2011年4月28日公開

※終了しました。

下記のとおり第142回例会・アサギマダラプロジェクト公開シンポジウムを開催しますので、多数の方のご参加をお願い申し上げます。会員以外の方のご参加も歓迎します。

日時・場所

主催
日本鱗翅学会近畿支部、渡りチョウを調べる会、大阪市立自然史博物館
共催
日本昆虫学会近畿支部
日時
2011年5月7日(土)13:00-17:00
会場
大阪市立自然史博物館講堂
(長居公園:長居東バス停近くの南側通用口から入場してください。)
懇親会
例会終了後に懇親会を開催します。参加ご希望の方は5月4日までに伊藤までご連絡ください。
会費4,000円の予定。

プログラム

講演題目
コウノトリの巣に生息する昆虫類とアカマダラハナムグリの生態
那須義次・村濱史郎・三橋陽子・大迫義人・上田恵介(和歌山県他)
ウスバシロエダシャクの黒化型と日周活動性
○竹内啓一(大阪府大・緑地環境)・金沢 至(大阪市立自然史博物館)
大和葛城山付近のヤマトスジグロシロチョウの標本
松田真平(大阪市)
マーキングによるキタキチョウ越冬調査
伊藤ふくお(奈良県)
山口県西部のアサギマダラ調査
福村拓己(長州アサギマダラの会)
訂正! びわ湖バレイのアサギマダラ 復活の試み
○金田 忍・藤野適宏(BVアサギマダラの会)
アサギマダラプロジェクト公開シンポジウム(15:00から)
屋久島におけるアサギマダラの移動調査
久保田義則(鹿児島昆虫同好会)
石川県におけるアサギマダラの移動調査-能登半島を中心に
松井正人(百万石蝶談会)
2010年のアサギマダラの調査成果報告
金沢 至(大阪市立自然史博物館)
総合討論

お問い合わせ先

日本鱗翅学会近畿支部幹事 伊藤ふくお
奈良県北葛城郡上牧町片岡台3丁目1-25-101
TEL:0745-51-7626
FAX:0745-51-7627
e-mail:290no64ya@kxa.biglobe.ne.jp

日本鱗翅学会

〒113-0001
東京都文京区白山 1-13-7
アクア白山ビル5F
勝美印刷株式会社内 日本鱗翅学会事務局
※ お問い合わせフォームより御連絡下さい。

鱗翅(りんし)というのは鱗翅目(チョウ目)Lepidopteraのことで、鱗粉のある翅を持った昆虫すなわちチョウやガの仲間です。この小さな生き物はその素晴しい魅力で古い時代から私たちをひきつけてきました。日本鱗翅学会はこのチョウやガを研究対象とする学術団体で、アマチュアから専門家まで幅広い層のメンバーが協力しながら活動しており、興味のある人は誰でも入会できる開かれた学会です。