ヒメクロオビフユナミシャク Operophtera crispifascia
(シャクガ科ナミシャク亜科)

寒冷期に活動するシャクガの仲間、いわゆる冬尺蛾のひとつ。山深いブナ林に生息する。木々の葉が黄色く色付きそして落葉する直前のひと時に限って出現し、同所的に見られる他の冬尺蛾よりも出現時期はやや早い。

冬尺蛾のメスはいずれも翅が縮小あるいは消失しており飛翔能力を持たないが、その中にあって本種のメスは相対的にかなり大きな翅をもつ。オスは低地~山地でよく見られるクロオビフユナミシャクに似る。しかし触角の櫛歯は本種の方がはるかに長く、識別は容易。

ブナの幹に本種のメスがとまっていると、中途半端な大きさの翅が幹表面に接して周囲に馴染み、小さなコブのように見える。コーリング(雌性フェロモンの放出)は午後7時頃に行われ、その時間帯には多数のオスがブナ林内を飛び交う。

撮影データ: 2015年10月17日 八甲田山(青森県)
撮影・文章: 工藤 誠也

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日本鱗翅学会

近畿支部第142回例会・アサギマダラプロジェクト公開シンポジウムのご案内

2011年4月28日公開

※終了しました。

下記のとおり第142回例会・アサギマダラプロジェクト公開シンポジウムを開催しますので、多数の方のご参加をお願い申し上げます。会員以外の方のご参加も歓迎します。

日時・場所

主催
日本鱗翅学会近畿支部、渡りチョウを調べる会、大阪市立自然史博物館
共催
日本昆虫学会近畿支部
日時
2011年5月7日(土)13:00-17:00
会場
大阪市立自然史博物館講堂
(長居公園:長居東バス停近くの南側通用口から入場してください。)
懇親会
例会終了後に懇親会を開催します。参加ご希望の方は5月4日までに伊藤までご連絡ください。
会費4,000円の予定。

プログラム

講演題目
コウノトリの巣に生息する昆虫類とアカマダラハナムグリの生態
那須義次・村濱史郎・三橋陽子・大迫義人・上田恵介(和歌山県他)
ウスバシロエダシャクの黒化型と日周活動性
○竹内啓一(大阪府大・緑地環境)・金沢 至(大阪市立自然史博物館)
大和葛城山付近のヤマトスジグロシロチョウの標本
松田真平(大阪市)
マーキングによるキタキチョウ越冬調査
伊藤ふくお(奈良県)
山口県西部のアサギマダラ調査
福村拓己(長州アサギマダラの会)
訂正! びわ湖バレイのアサギマダラ 復活の試み
○金田 忍・藤野適宏(BVアサギマダラの会)
アサギマダラプロジェクト公開シンポジウム(15:00から)
屋久島におけるアサギマダラの移動調査
久保田義則(鹿児島昆虫同好会)
石川県におけるアサギマダラの移動調査-能登半島を中心に
松井正人(百万石蝶談会)
2010年のアサギマダラの調査成果報告
金沢 至(大阪市立自然史博物館)
総合討論

お問い合わせ先

日本鱗翅学会近畿支部幹事 伊藤ふくお
奈良県北葛城郡上牧町片岡台3丁目1-25-101
TEL:0745-51-7626
FAX:0745-51-7627
e-mail:290no64ya@kxa.biglobe.ne.jp

日本鱗翅学会

〒113-0001
東京都文京区白山 1-13-7
アクア白山ビル5F
勝美印刷株式会社内 日本鱗翅学会事務局
※ お問い合わせフォームより御連絡下さい。

鱗翅(りんし)というのは鱗翅目(チョウ目)Lepidopteraのことで、鱗粉のある翅を持った昆虫すなわちチョウやガの仲間です。この小さな生き物はその素晴しい魅力で古い時代から私たちをひきつけてきました。日本鱗翅学会はこのチョウやガを研究対象とする学術団体で、アマチュアから専門家まで幅広い層のメンバーが協力しながら活動しており、興味のある人は誰でも入会できる開かれた学会です。