ヒメクロオビフユナミシャク Operophtera crispifascia
(シャクガ科ナミシャク亜科)

寒冷期に活動するシャクガの仲間、いわゆる冬尺蛾のひとつ。山深いブナ林に生息する。木々の葉が黄色く色付きそして落葉する直前のひと時に限って出現し、同所的に見られる他の冬尺蛾よりも出現時期はやや早い。

冬尺蛾のメスはいずれも翅が縮小あるいは消失しており飛翔能力を持たないが、その中にあって本種のメスは相対的にかなり大きな翅をもつ。オスは低地~山地でよく見られるクロオビフユナミシャクに似る。しかし触角の櫛歯は本種の方がはるかに長く、識別は容易。

ブナの幹に本種のメスがとまっていると、中途半端な大きさの翅が幹表面に接して周囲に馴染み、小さなコブのように見える。コーリング(雌性フェロモンの放出)は午後7時頃に行われ、その時間帯には多数のオスがブナ林内を飛び交う。

撮影データ: 2015年10月17日 八甲田山(青森県)
撮影・文章: 工藤 誠也

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日本鱗翅学会

日本鱗翅学会四国支部第16回例会のお知らせ

2011年2月14日公開

※終了しました。

毎年恒例となりました四国支部の例会を開催します。特に参加申し込みなどは行っていませんので、当日お気軽に御参加下さい。

日時
2011年2月27日(日曜日)11:00-17:00(予定)
場所
愛媛県総合科学博物館生涯学習棟3階会議室
(松山道西条インターより約5分)
交通アクセスはこちらを参照

本年は以下のような演題を予定しています。

テーマ講演「四国におけるジャノメチョウ類の最近の動向」
「愛媛県におけるジャノメチョウ科の発生動向」窪田 聖一(愛媛)
「徳島のジャノメチョウと最近の四国のジャノメチョウ」小川 昌彦(徳島)
「2010年瓶が森林道で観察したツマジロウラジャノメ」荒川 良(高知)
「香川県の現状-ウラナミジャノメ,クロヒカゲを中心にして」出嶋 利明(香川)
そのほかの演題
「かつて松山市にもクロシジミがいた!」太田 喬三(愛媛)
「高知県における2010年のクロマダラソテツシジミの動向」前薗 剛(高知大学)
「2010年に高知県で多く発生した蛾と偶産蛾」真鍋 泰彦(高知)
「第12回国際マダラガシンポジウム(トルコ、アンタキヤ)に参加して」小汐 千春(徳島)

この他にも飛び入りでの情報提供や、標本の持ち込みも大いに歓迎致します。皆様お誘いあわせの上、ぜひご参加ください。

お問い合わせ
大西 剛
〒792-0060
愛媛県総合科学博物館
Tel:0897-40-4109(代表)
Fax:0897-40-4101
email:ohnishi-tsuyoshi@pref.ehime.jp

日本鱗翅学会

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鱗翅(りんし)というのは鱗翅目(チョウ目)Lepidopteraのことで、鱗粉のある翅を持った昆虫すなわちチョウやガの仲間です。この小さな生き物はその素晴しい魅力で古い時代から私たちをひきつけてきました。日本鱗翅学会はこのチョウやガを研究対象とする学術団体で、アマチュアから専門家まで幅広い層のメンバーが協力しながら活動しており、興味のある人は誰でも入会できる開かれた学会です。