マエアカスカシノメイガ Palpita nigropunctalis
(ツトガ科ヒゲナガノメイガ亜科)

夏の暑さが過ぎ、本格的な秋の訪れを感じはじめる9月の早朝に、アベリアの花を訪れたマエアカスカシノメイガを見つけた。

半透明の白い翅と橙色の差し色が美しいガで、早春のまだ寒い時期から灯火やコンビニの灯りに成虫が集まる。幼虫が公園の生け垣や人家に植栽されるネズミモチやライラック、オリーブなど様々なモクセイ科植物を餌としているため、都市から山間部まで広い地域で成虫を目にする。

本種の成虫は真冬以外いつでも見られるような気がするのだが、実は複雑な生活史を持っており、成虫が見られる時期は意外に限られている。幼虫が暑さにも寒さにも弱いのか、あるいは春と秋だけ餌の状態がよいのか、幼虫の生育に適さない時期を休眠してやり過ごすようだ。夏は成虫で、冬は蛹でそれぞれ休眠するらしい(Gotoh et al. 2011, 後藤 2012)。

撮影データ: 2022年9月23日 鳥取県鳥取市
撮影・文章: 中 秀司

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日本鱗翅学会

東海支部: 2010年総会及び第145回例会のご案内

2010年11月11日公開

※終了しました。

東海支部の「2010年総会及び第145回例会」を下記の要領で開催いたします。 特別講演は、オーストラリア・ニュージーランドの蝶蛾を中心として、江田先生の発見されたヒトリガの新種、 現地の人の蝶にたいする関心度・啓蒙活動(トリバネアゲハなどのスライドもあり)、 オーストラリアのCSIROに留学されたときのご経験などをお話いただきます。 皆さんふるってご参加ください。会員外の皆様も参加を歓迎します。

日時・場所・参加費等

日時
2010年12月4日(土)13:00-17:00
場所
名城大学共通講義棟南館S-501講義室(前年と教室の場所が異なります)
名古屋市天白区塩釜口1-501
TEL052-832-1151(代表)
名古屋地下鉄鶴舞線塩釜口1番出口徒歩5分
参加費
500円

プログラム

特別講演
江田信豊 (南山大学 総合政策学部)「オーストラリア・ニュージーランドの蝶類相およびPhaos属とMetacrias属の系統論(鱗翅目:ヒトリガ科)」
一般講演
江田慧子「ミヤマシジミの温度発育関係の解析と保全活動」
船越進太郎 「岐阜市金華山の常緑ブナ科樹木と蛾類幼虫、高校生との研究」
高橋匡司・高橋真弓「モンゴルの蝶

連絡先

現在メールでのご案内に随時切り替えております。 メール利用の方は下記事務局にメールアドレスをお教え下さい。
事務局
日本鱗翅学会東海支部事務局
枝 恵太郎
〒420-0881 静岡市葵区北安東4-3-24-303
FAX: 054-245-4979
e-mail:tokai@lepi-jp.org

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アクア白山ビル5F
勝美印刷株式会社内 日本鱗翅学会事務局
※ お問い合わせフォームより御連絡下さい。

鱗翅(りんし)というのは鱗翅目(チョウ目)Lepidopteraのことで、鱗粉のある翅を持った昆虫すなわちチョウやガの仲間です。この小さな生き物はその素晴しい魅力で古い時代から私たちをひきつけてきました。日本鱗翅学会はこのチョウやガを研究対象とする学術団体で、アマチュアから専門家まで幅広い層のメンバーが協力しながら活動しており、興味のある人は誰でも入会できる開かれた学会です。