ヒメクロオビフユナミシャク Operophtera crispifascia
(シャクガ科ナミシャク亜科)

寒冷期に活動するシャクガの仲間、いわゆる冬尺蛾のひとつ。山深いブナ林に生息する。木々の葉が黄色く色付きそして落葉する直前のひと時に限って出現し、同所的に見られる他の冬尺蛾よりも出現時期はやや早い。

冬尺蛾のメスはいずれも翅が縮小あるいは消失しており飛翔能力を持たないが、その中にあって本種のメスは相対的にかなり大きな翅をもつ。オスは低地~山地でよく見られるクロオビフユナミシャクに似る。しかし触角の櫛歯は本種の方がはるかに長く、識別は容易。

ブナの幹に本種のメスがとまっていると、中途半端な大きさの翅が幹表面に接して周囲に馴染み、小さなコブのように見える。コーリング(雌性フェロモンの放出)は午後7時頃に行われ、その時間帯には多数のオスがブナ林内を飛び交う。

撮影データ: 2015年10月17日 八甲田山(青森県)
撮影・文章: 工藤 誠也

閉じる

日本鱗翅学会

東海支部: 2010年総会及び第145回例会のご案内

2010年11月11日公開

※終了しました。

東海支部の「2010年総会及び第145回例会」を下記の要領で開催いたします。 特別講演は、オーストラリア・ニュージーランドの蝶蛾を中心として、江田先生の発見されたヒトリガの新種、 現地の人の蝶にたいする関心度・啓蒙活動(トリバネアゲハなどのスライドもあり)、 オーストラリアのCSIROに留学されたときのご経験などをお話いただきます。 皆さんふるってご参加ください。会員外の皆様も参加を歓迎します。

日時・場所・参加費等

日時
2010年12月4日(土)13:00-17:00
場所
名城大学共通講義棟南館S-501講義室(前年と教室の場所が異なります)
名古屋市天白区塩釜口1-501
TEL052-832-1151(代表)
名古屋地下鉄鶴舞線塩釜口1番出口徒歩5分
参加費
500円

プログラム

特別講演
江田信豊 (南山大学 総合政策学部)「オーストラリア・ニュージーランドの蝶類相およびPhaos属とMetacrias属の系統論(鱗翅目:ヒトリガ科)」
一般講演
江田慧子「ミヤマシジミの温度発育関係の解析と保全活動」
船越進太郎 「岐阜市金華山の常緑ブナ科樹木と蛾類幼虫、高校生との研究」
高橋匡司・高橋真弓「モンゴルの蝶

連絡先

現在メールでのご案内に随時切り替えております。 メール利用の方は下記事務局にメールアドレスをお教え下さい。
事務局
日本鱗翅学会東海支部事務局
枝 恵太郎
〒420-0881 静岡市葵区北安東4-3-24-303
FAX: 054-245-4979
e-mail:tokai@lepi-jp.org

日本鱗翅学会

〒113-0001
東京都文京区白山 1-13-7
アクア白山ビル5F
勝美印刷株式会社内 日本鱗翅学会事務局
※ お問い合わせフォームより御連絡下さい。

鱗翅(りんし)というのは鱗翅目(チョウ目)Lepidopteraのことで、鱗粉のある翅を持った昆虫すなわちチョウやガの仲間です。この小さな生き物はその素晴しい魅力で古い時代から私たちをひきつけてきました。日本鱗翅学会はこのチョウやガを研究対象とする学術団体で、アマチュアから専門家まで幅広い層のメンバーが協力しながら活動しており、興味のある人は誰でも入会できる開かれた学会です。