ヒメクロオビフユナミシャク Operophtera crispifascia
(シャクガ科ナミシャク亜科)

寒冷期に活動するシャクガの仲間、いわゆる冬尺蛾のひとつ。山深いブナ林に生息する。木々の葉が黄色く色付きそして落葉する直前のひと時に限って出現し、同所的に見られる他の冬尺蛾よりも出現時期はやや早い。

冬尺蛾のメスはいずれも翅が縮小あるいは消失しており飛翔能力を持たないが、その中にあって本種のメスは相対的にかなり大きな翅をもつ。オスは低地~山地でよく見られるクロオビフユナミシャクに似る。しかし触角の櫛歯は本種の方がはるかに長く、識別は容易。

ブナの幹に本種のメスがとまっていると、中途半端な大きさの翅が幹表面に接して周囲に馴染み、小さなコブのように見える。コーリング(雌性フェロモンの放出)は午後7時頃に行われ、その時間帯には多数のオスがブナ林内を飛び交う。

撮影データ: 2015年10月17日 八甲田山(青森県)
撮影・文章: 工藤 誠也

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日本鱗翅学会

日本昆虫科学連合設立記念・日本学術会議公開シンポジウム「新時代の昆虫科学を拓く」

2010年7月 2日公開

※終了しました。

日本鱗翅学会会員の皆様

来たる7月24日(土)に、昆虫関連の研究者が所属する14の学協会の連合体である「日本昆虫科学連合」が設立されます。これを記念してシンポジウムが開催されます。 皆様、奮ってご参加下さるよう、お願い申し上げます。 (昆虫科学に興味があるアマチュア会員も大歓迎です。)

詳細につきましては、日本学術会議ウェブサイト(http://www.scj.go.jp/)および日本昆虫科学連合ウェブサイト(開設準備中)に、後日掲載予定です。

(日本鱗翅学会本部幹事:岩野秀俊)

主催・日時・場所・参加費

主催
日本昆虫科学連合、日本学術会議農学委員会応用昆虫学分科会、 加盟学協会(日本衛生動物学会、日本応用動物昆虫学会、日本家屋害虫学会、 日本環境動物昆虫学会、日本蜘蛛学会、日本昆虫学会、社団法人日本蚕糸学会、 日本ダニ学会、社団法人日本動物学会、社団法人日本農芸化学会、 日本農薬学会、日本比較生理生化学会、日本野蚕学会、日本鱗翅学会)
日時
2010年7月24日(土)13:00-17:20
場所
日本学術会議講堂
参加費
無料

開催趣旨

農学委員会応用昆虫学分科会は、我が国における昆虫科学および関連学問分野の研究・教育の推進とこの分野の社会的な普及を目的に、国内における昆虫科学研究者コミュニティーの構築を目指し、活動してきた。平成21年3月に応用昆虫学分科会の呼び掛けに昆虫科学関連学協会が応えるかたちで準備委員会が組織され、来る平成22年7月に「日本昆虫科学連合」が設立される運びとなった。この連合が、自由で活発な学術情報の交換を可能にし、昆虫科学の一層の発展を支える基盤となることを期待し、設立記念公開シンポジウムを開催する。

次第

開会(13:00)
日本昆虫科学連合設立報告(13:05-13:20)
山下 興亜(中部大学学長、日本学術会議連携会員)
連合の将来展望と学術会議との連携(13:20-13:35)
藤崎 憲治(京都大学大学院農学研究科教授、日本学術会議連携会員)
講演(13:35-17:15)
1)13:35-14:15 昆虫と化学 -「喰う」と「喰われる」の狭間で-
森 直樹(京都大学大学院農学研究科准教授)
2)14:15-14:55 シロアリからエネルギーを創る
吉村 剛(京都大学生存圏研究所准教授)
- 休憩 -
3)15:15-15:55 ハエから学ぶ寄生戦略
舘 卓司(九州大学大学院比較社会文化研究院講師)
4)15:55-16:35 昆虫ウイルスの巧みな宿主制御戦略
勝間 進(東京大学大学院農学生命科学研究科准教授)
5)16:35-17:15 虫とダニの共進化関係と多様性
五箇 公一(国立環境研究所主席研究員)
閉会(17:20)

終了後に懇親会(詳細は後日)を予定しています。

問い合わせ先

昆虫科学関連学協会の連合に関する準備委員会(略:昆虫連合準備委員会)
幹事:日本 典秀(Norihide HINOMOTO)
独立行政法人農業生物資源研究所 昆虫-昆虫・植物間相互作用研究ユニット
〒305-8634 茨城県つくば市大わし1-2
Tel:029-838-6077,6289
Fax:6077,6028
E-mail:Junbi-admin@ml.affrc.go.jp

日本鱗翅学会

〒113-0001
東京都文京区白山 1-13-7
アクア白山ビル5F
勝美印刷株式会社内 日本鱗翅学会事務局
※ お問い合わせフォームより御連絡下さい。

鱗翅(りんし)というのは鱗翅目(チョウ目)Lepidopteraのことで、鱗粉のある翅を持った昆虫すなわちチョウやガの仲間です。この小さな生き物はその素晴しい魅力で古い時代から私たちをひきつけてきました。日本鱗翅学会はこのチョウやガを研究対象とする学術団体で、アマチュアから専門家まで幅広い層のメンバーが協力しながら活動しており、興味のある人は誰でも入会できる開かれた学会です。