ヒメクロオビフユナミシャク Operophtera crispifascia
(シャクガ科ナミシャク亜科)

寒冷期に活動するシャクガの仲間、いわゆる冬尺蛾のひとつ。山深いブナ林に生息する。木々の葉が黄色く色付きそして落葉する直前のひと時に限って出現し、同所的に見られる他の冬尺蛾よりも出現時期はやや早い。

冬尺蛾のメスはいずれも翅が縮小あるいは消失しており飛翔能力を持たないが、その中にあって本種のメスは相対的にかなり大きな翅をもつ。オスは低地~山地でよく見られるクロオビフユナミシャクに似る。しかし触角の櫛歯は本種の方がはるかに長く、識別は容易。

ブナの幹に本種のメスがとまっていると、中途半端な大きさの翅が幹表面に接して周囲に馴染み、小さなコブのように見える。コーリング(雌性フェロモンの放出)は午後7時頃に行われ、その時間帯には多数のオスがブナ林内を飛び交う。

撮影データ: 2015年10月17日 八甲田山(青森県)
撮影・文章: 工藤 誠也

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日本鱗翅学会

『日本産チョウ類の衰亡と保護(第6集)』発行遅延のご連絡

2010年4月27日公開

先にご案内を差し上げました、日本鱗翅学会自然保護委員会発行『日本産チョウ類の衰亡と保護(第6集)』につきまして、多くの方から事前申し込みを頂きありがとうございます。3月発行とさせていただいておりましたが、編集上の問題から発行が遅れており、大変ご迷惑をおかけしております。編集作業も進んでおり、何とか5月中には発行にこぎ着けたいと考えております。皆様には、ご迷惑をおかけしておりますが、なにとぞよろしくお願い申し上げます。

『日本産チョウ類の衰亡と保護(第6集)』の申し込みは 下記の案内に従ってご購入ください。

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鱗翅(りんし)というのは鱗翅目(チョウ目)Lepidopteraのことで、鱗粉のある翅を持った昆虫すなわちチョウやガの仲間です。この小さな生き物はその素晴しい魅力で古い時代から私たちをひきつけてきました。日本鱗翅学会はこのチョウやガを研究対象とする学術団体で、アマチュアから専門家まで幅広い層のメンバーが協力しながら活動しており、興味のある人は誰でも入会できる開かれた学会です。