マエアカスカシノメイガ Palpita nigropunctalis
(ツトガ科ヒゲナガノメイガ亜科)

夏の暑さが過ぎ、本格的な秋の訪れを感じはじめる9月の早朝に、アベリアの花を訪れたマエアカスカシノメイガを見つけた。

半透明の白い翅と橙色の差し色が美しいガで、早春のまだ寒い時期から灯火やコンビニの灯りに成虫が集まる。幼虫が公園の生け垣や人家に植栽されるネズミモチやライラック、オリーブなど様々なモクセイ科植物を餌としているため、都市から山間部まで広い地域で成虫を目にする。

本種の成虫は真冬以外いつでも見られるような気がするのだが、実は複雑な生活史を持っており、成虫が見られる時期は意外に限られている。幼虫が暑さにも寒さにも弱いのか、あるいは春と秋だけ餌の状態がよいのか、幼虫の生育に適さない時期を休眠してやり過ごすようだ。夏は成虫で、冬は蛹でそれぞれ休眠するらしい(Gotoh et al. 2011, 後藤 2012)。

撮影データ: 2022年9月23日 鳥取県鳥取市
撮影・文章: 中 秀司

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日本鱗翅学会

『日本産チョウ類の衰亡と保護(第6集)』発行遅延のご連絡

2010年4月27日公開

先にご案内を差し上げました、日本鱗翅学会自然保護委員会発行『日本産チョウ類の衰亡と保護(第6集)』につきまして、多くの方から事前申し込みを頂きありがとうございます。3月発行とさせていただいておりましたが、編集上の問題から発行が遅れており、大変ご迷惑をおかけしております。編集作業も進んでおり、何とか5月中には発行にこぎ着けたいと考えております。皆様には、ご迷惑をおかけしておりますが、なにとぞよろしくお願い申し上げます。

『日本産チョウ類の衰亡と保護(第6集)』の申し込みは 下記の案内に従ってご購入ください。

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鱗翅(りんし)というのは鱗翅目(チョウ目)Lepidopteraのことで、鱗粉のある翅を持った昆虫すなわちチョウやガの仲間です。この小さな生き物はその素晴しい魅力で古い時代から私たちをひきつけてきました。日本鱗翅学会はこのチョウやガを研究対象とする学術団体で、アマチュアから専門家まで幅広い層のメンバーが協力しながら活動しており、興味のある人は誰でも入会できる開かれた学会です。