マエアカスカシノメイガ Palpita nigropunctalis
(ツトガ科ヒゲナガノメイガ亜科)

夏の暑さが過ぎ、本格的な秋の訪れを感じはじめる9月の早朝に、アベリアの花を訪れたマエアカスカシノメイガを見つけた。

半透明の白い翅と橙色の差し色が美しいガで、早春のまだ寒い時期から灯火やコンビニの灯りに成虫が集まる。幼虫が公園の生け垣や人家に植栽されるネズミモチやライラック、オリーブなど様々なモクセイ科植物を餌としているため、都市から山間部まで広い地域で成虫を目にする。

本種の成虫は真冬以外いつでも見られるような気がするのだが、実は複雑な生活史を持っており、成虫が見られる時期は意外に限られている。幼虫が暑さにも寒さにも弱いのか、あるいは春と秋だけ餌の状態がよいのか、幼虫の生育に適さない時期を休眠してやり過ごすようだ。夏は成虫で、冬は蛹でそれぞれ休眠するらしい(Gotoh et al. 2011, 後藤 2012)。

撮影データ: 2022年9月23日 鳥取県鳥取市
撮影・文章: 中 秀司

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日本鱗翅学会

近畿支部第140回例会・シンポジウムのご案内

2010年4月18日公開

※終了しました。

下記のとおり第140回例会・シンポジウムを開催しますので、多数の方のご参加をお願い申し上げます。 会員以外の方のご参加も歓迎します。

日時・場所

日時
2010年5月8日(土)13:00-17:00
会場
大阪市立自然史博物館 講堂
(長居公園:長居東バス停近くの南側通用口から入場してください。)
参加費
例会・シンポジウム参加費:無料
(展示をご覧になる方は、花と緑と自然の情報センターから入館料を払って入場してください)
懇親会
例会終了後に懇親会を開催します。参加ご希望の方は5月5日までに伊藤までご連絡ください。
会費4,000円の予定。

プログラム

講演題目
中国湖南省で発見されたホソガ科オビギンホソガ亜科の新種
○小林茂樹・広渡俊哉(大阪府大院・昆虫)・黄 国華(湖南農大)
滋賀県の蚕糸業の推移
寺本憲之(びわ湖の森の生き物研究会)
ツゲノメイガ、アゲハモドキ、ナガサキアゲハ幼虫の日周活動性
○竹内啓一(大阪府立大学)・金沢 至(大阪市立自然史博物館)
ハヤシミドリシジミのタイプ産地Pung-Tungの位置判明の経緯
松田真平(大阪府)
蝶の翅の銀色斑紋部の構造と光学特性
棚橋一郎(大阪工業大学・工学部)
兵庫県宝塚市武庫川におけるアサギマダラの調査
渡辺康之(NRC)
公開シンポジウム
四国東部におけるアサギマダラの移動調査-徳島県を中心に
大原賢二(徳島県立博物館)
海を渡って長距離移動するチョウとガ
吉松慎一(農業環境技術研究所)
2009年のアサギマダラの調査成果報告
金沢 至(大阪市立自然史博物館)
総合討論

お問い合わせ先

日本鱗翅学会近畿支部幹事長 伊藤ふくお
〒639-0201 奈良県北葛城郡上牧町片岡台3丁目1-25-101
TEL:0745-51-7626
FAX:0745-51-7627
e-mail:para-sita2@kdt.biglobe.ne.jp

日本鱗翅学会

〒113-0001
東京都文京区白山 1-13-7
アクア白山ビル5F
勝美印刷株式会社内 日本鱗翅学会事務局
※ お問い合わせフォームより御連絡下さい。

鱗翅(りんし)というのは鱗翅目(チョウ目)Lepidopteraのことで、鱗粉のある翅を持った昆虫すなわちチョウやガの仲間です。この小さな生き物はその素晴しい魅力で古い時代から私たちをひきつけてきました。日本鱗翅学会はこのチョウやガを研究対象とする学術団体で、アマチュアから専門家まで幅広い層のメンバーが協力しながら活動しており、興味のある人は誰でも入会できる開かれた学会です。