ヒメクロオビフユナミシャク Operophtera crispifascia
(シャクガ科ナミシャク亜科)

寒冷期に活動するシャクガの仲間、いわゆる冬尺蛾のひとつ。山深いブナ林に生息する。木々の葉が黄色く色付きそして落葉する直前のひと時に限って出現し、同所的に見られる他の冬尺蛾よりも出現時期はやや早い。

冬尺蛾のメスはいずれも翅が縮小あるいは消失しており飛翔能力を持たないが、その中にあって本種のメスは相対的にかなり大きな翅をもつ。オスは低地~山地でよく見られるクロオビフユナミシャクに似る。しかし触角の櫛歯は本種の方がはるかに長く、識別は容易。

ブナの幹に本種のメスがとまっていると、中途半端な大きさの翅が幹表面に接して周囲に馴染み、小さなコブのように見える。コーリング(雌性フェロモンの放出)は午後7時頃に行われ、その時間帯には多数のオスがブナ林内を飛び交う。

撮影データ: 2015年10月17日 八甲田山(青森県)
撮影・文章: 工藤 誠也

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日本鱗翅学会

近畿支部第140回例会・シンポジウムのご案内

2010年4月18日公開

※終了しました。

下記のとおり第140回例会・シンポジウムを開催しますので、多数の方のご参加をお願い申し上げます。 会員以外の方のご参加も歓迎します。

日時・場所

日時
2010年5月8日(土)13:00-17:00
会場
大阪市立自然史博物館 講堂
(長居公園:長居東バス停近くの南側通用口から入場してください。)
参加費
例会・シンポジウム参加費:無料
(展示をご覧になる方は、花と緑と自然の情報センターから入館料を払って入場してください)
懇親会
例会終了後に懇親会を開催します。参加ご希望の方は5月5日までに伊藤までご連絡ください。
会費4,000円の予定。

プログラム

講演題目
中国湖南省で発見されたホソガ科オビギンホソガ亜科の新種
○小林茂樹・広渡俊哉(大阪府大院・昆虫)・黄 国華(湖南農大)
滋賀県の蚕糸業の推移
寺本憲之(びわ湖の森の生き物研究会)
ツゲノメイガ、アゲハモドキ、ナガサキアゲハ幼虫の日周活動性
○竹内啓一(大阪府立大学)・金沢 至(大阪市立自然史博物館)
ハヤシミドリシジミのタイプ産地Pung-Tungの位置判明の経緯
松田真平(大阪府)
蝶の翅の銀色斑紋部の構造と光学特性
棚橋一郎(大阪工業大学・工学部)
兵庫県宝塚市武庫川におけるアサギマダラの調査
渡辺康之(NRC)
公開シンポジウム
四国東部におけるアサギマダラの移動調査-徳島県を中心に
大原賢二(徳島県立博物館)
海を渡って長距離移動するチョウとガ
吉松慎一(農業環境技術研究所)
2009年のアサギマダラの調査成果報告
金沢 至(大阪市立自然史博物館)
総合討論

お問い合わせ先

日本鱗翅学会近畿支部幹事長 伊藤ふくお
〒639-0201 奈良県北葛城郡上牧町片岡台3丁目1-25-101
TEL:0745-51-7626
FAX:0745-51-7627
e-mail:para-sita2@kdt.biglobe.ne.jp

日本鱗翅学会

〒113-0001
東京都文京区白山 1-13-7
アクア白山ビル5F
勝美印刷株式会社内 日本鱗翅学会事務局
※ お問い合わせフォームより御連絡下さい。

鱗翅(りんし)というのは鱗翅目(チョウ目)Lepidopteraのことで、鱗粉のある翅を持った昆虫すなわちチョウやガの仲間です。この小さな生き物はその素晴しい魅力で古い時代から私たちをひきつけてきました。日本鱗翅学会はこのチョウやガを研究対象とする学術団体で、アマチュアから専門家まで幅広い層のメンバーが協力しながら活動しており、興味のある人は誰でも入会できる開かれた学会です。