ヒメクロオビフユナミシャク Operophtera crispifascia
(シャクガ科ナミシャク亜科)

寒冷期に活動するシャクガの仲間、いわゆる冬尺蛾のひとつ。山深いブナ林に生息する。木々の葉が黄色く色付きそして落葉する直前のひと時に限って出現し、同所的に見られる他の冬尺蛾よりも出現時期はやや早い。

冬尺蛾のメスはいずれも翅が縮小あるいは消失しており飛翔能力を持たないが、その中にあって本種のメスは相対的にかなり大きな翅をもつ。オスは低地~山地でよく見られるクロオビフユナミシャクに似る。しかし触角の櫛歯は本種の方がはるかに長く、識別は容易。

ブナの幹に本種のメスがとまっていると、中途半端な大きさの翅が幹表面に接して周囲に馴染み、小さなコブのように見える。コーリング(雌性フェロモンの放出)は午後7時頃に行われ、その時間帯には多数のオスがブナ林内を飛び交う。

撮影データ: 2015年10月17日 八甲田山(青森県)
撮影・文章: 工藤 誠也

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日本鱗翅学会

日本鱗翅学会四国支部第14回例会のご案内

2009年2月22日公開

※終了しました。

毎年恒例となりました四国支部の例会を開催します。 特に参加申し込みなどは行っていませんので、当日お気軽に御参加下さい。

日時
2009年2月22日(日曜日)11:00-16:00(予定)
場所
愛媛県総合科学博物館 生涯学習棟 2階 第1研修室
(松山道西条インターより約5分)

本年は以下のような演題を予定しています。

テーマ講演「最近増えたもの、減ったもの-四国の場合-」
四国4県で最近増えた、または減ったと考えられる蝶や蛾についての講演をしていただく予定です。
「愛媛県のタテハモドキ(続編)」林弘(愛媛)
「愛媛県のツマジロウラジャノメ」井上武(愛媛)
「愛媛県の蝶・個体数変動の動向」窪田聖一(愛媛)
「四国で発生したクロマダラソテツシジミとソテツシジミ属の蝶」出嶋利明(香川)
「減った蝶増えた蝶」 小川昌彦(徳島)
そのほかの演題
「モニタリングサイト1000」太田喬三(愛媛)

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鱗翅(りんし)というのは鱗翅目(チョウ目)Lepidopteraのことで、鱗粉のある翅を持った昆虫すなわちチョウやガの仲間です。この小さな生き物はその素晴しい魅力で古い時代から私たちをひきつけてきました。日本鱗翅学会はこのチョウやガを研究対象とする学術団体で、アマチュアから専門家まで幅広い層のメンバーが協力しながら活動しており、興味のある人は誰でも入会できる開かれた学会です。