ヒメクロオビフユナミシャク Operophtera crispifascia
(シャクガ科ナミシャク亜科)

寒冷期に活動するシャクガの仲間、いわゆる冬尺蛾のひとつ。山深いブナ林に生息する。木々の葉が黄色く色付きそして落葉する直前のひと時に限って出現し、同所的に見られる他の冬尺蛾よりも出現時期はやや早い。

冬尺蛾のメスはいずれも翅が縮小あるいは消失しており飛翔能力を持たないが、その中にあって本種のメスは相対的にかなり大きな翅をもつ。オスは低地~山地でよく見られるクロオビフユナミシャクに似る。しかし触角の櫛歯は本種の方がはるかに長く、識別は容易。

ブナの幹に本種のメスがとまっていると、中途半端な大きさの翅が幹表面に接して周囲に馴染み、小さなコブのように見える。コーリング(雌性フェロモンの放出)は午後7時頃に行われ、その時間帯には多数のオスがブナ林内を飛び交う。

撮影データ: 2015年10月17日 八甲田山(青森県)
撮影・文章: 工藤 誠也

閉じる

日本鱗翅学会

日本鱗翅学会東海支部2008年総会兼第139回例会のご案内

2008年12月 6日公開

※終了しました。

日本鱗翅学会東海支部2008年総会兼第139回例会を以下の要領で開催いたします。 会員以外の方の参加も大歓迎です。皆様のお越しをお待ちしております。

日時・場所

日時
2008年12月6日(土)13:00-17:00
会場
名城大学共通講義棟北館N-105講義室
名古屋市天白区塩釜口1-501
TEL:052-832-1151(代表)
参加費
500円(非会員参加大歓迎)

標本展示や文献等の閲覧販売もできますので、お持ち下さい。

当日終了後懇親会(3000円)を実施します。参加希望者は当日受付で。

プログラム

特別講演
「多細胞動物の進化メカニズム」池田清彦
昆虫に関する著作が多数ある池田清彦先生に遺伝子の突然変異と自然選択以外の進化メカニズムについてお話しいただきます。 皆さんふるってご参加ください。
一般講演
高橋真弓:キルギス産地の蝶類とその生息地(2008年の調査)
間野隆裕・高橋匡司:愛知県内のオオムラサキの分布と幼虫の生態知見
枝恵太郎:中国広東省南嶺・石門台の蛾類
連絡先
日本鱗翅学会東海支部事務局 枝 恵太郎
〒420-0047静岡市葵区清閑町13-12 (株)環境アセスメントセンター
e-mail:tokai@lepi-jp.org
TEL.054-255-3650 FAX.054-253-7891

日本鱗翅学会

〒113-0001
東京都文京区白山 1-13-7
アクア白山ビル5F
勝美印刷株式会社内 日本鱗翅学会事務局
※ お問い合わせフォームより御連絡下さい。

鱗翅(りんし)というのは鱗翅目(チョウ目)Lepidopteraのことで、鱗粉のある翅を持った昆虫すなわちチョウやガの仲間です。この小さな生き物はその素晴しい魅力で古い時代から私たちをひきつけてきました。日本鱗翅学会はこのチョウやガを研究対象とする学術団体で、アマチュアから専門家まで幅広い層のメンバーが協力しながら活動しており、興味のある人は誰でも入会できる開かれた学会です。